「不思議の扉 ありえない恋」(大森望)
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「不思議の扉 ありえない恋」(大森望)

2020-09-24 00:00

    恋愛小説は殆どの場合ストーリーに大きな違いが出るわけではない。必定文章力が作品の好劣の違いに占めるウェイトが大きくなる。

    アンソロジーは僅かな間に作家を伝えなければならないが、恋愛小説はそういう意味では最適なジャンルと言えるであろう。ミステリーやSFだとどうしても設定やストーリーに凝るタイプの作家は力を発揮する前に紙幅が尽きてしまう。

    それぞれの文章の特徴が余すことなく伝わってくる。作者も純文学から童話、エンタメ系や外国作家と種々様々に取り揃えられており、面白い。

    それにしても川端康成は変態である。この作品に限ったわけではなく、欲望に忠実な作家だ。己の欲望を披瀝して満天下に恥じることがない厚顔さが羨ましい限りだと思うが、その強さが作家として必要な心持ちなのであろう。ただの助平親父だが、才能が覆い隠してくれる。芸能人のスキャンダルを見るたびに彼のように才能で相殺してもいいのではと思うこともある。


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