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鈴木初日『13期生公演はいかにして実現したのか』第3回
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鈴木初日『13期生公演はいかにして実現したのか』第3回

2017-06-28 18:45

    鈴木初日『13期生公演はいかにして実現したのか sideB -ヲタクsideのぶちかまし方-』
    AKB48 13期生公演in TDC ~今やるしかねぇんだよ!~をめぐるヲタクたちの証言
    第3回・2017.6.28

    ぶちかませ

    《相笠萌 @moeaigasa0406
     1/16 TDCホールにてAKB48 13期生単独コンサート開催決定!!2017年初っ端から良い報告が出来て嬉しいです!平日だからみんな仕事、学校色々あると思うけど9人は今しか見られないからね?そして卒業前に私のアイドル姿見に来てください。ぶちかましますんで!楽しみだね。
    16:47 - 2017年1月1日》

     13期生公演の実施決定がメンバーに告げられたのは、12月25日の福岡全国握手会の終了後である。ファンに発表されたのは、元日の劇場公演だった。
     なにがあったのかは、ヲタクたちにもわからなかった。「もう、これはできないな」とさえ感じていたところからの急展開である。

    ――みなさんにとっても、この発表はサプライズだったんですね。

    たっちゃん氏:もう、完全に。

    りょー氏:幸せでしたよ。元日からいい年だって。

    たっちゃん氏:もうこれだけでいい一年だって。

    りょー氏:その後、みんなで13期のTDCが決まったからって、新年会がてら打ち上げをしようということになって、2日に。taroさんに「乾杯の挨拶をしろ」って言われて、なんかいろいろ込み上げて来ちゃって、「乾杯」って言う前に号泣しちゃって(笑)。うれしくてさ……。

     元日から仕事をしていたありさ氏の携帯には、13期ヲタたちからの喜びと驚きの声が大量に着信していた。

    ありさ氏:驚きでした。やらないと思ってたから。みんなには「実現するために、いろいろ勢いつけていきましょう」みたいなこと言ってたけど、「ほんとにやるのかなこれ?」って。

    ――我々はてっきり、界隈の皆さんはある程度「来るな」と予想していたものだと思っていたんです。

    ありさ氏:いえいえ。あるとしても、2月だろうと。リクアワ終わりの、萌ちゃんの舞台が終わってからじゃないかなという話は、それこそ茂木忍本人ともしてたんで。

    ――じゃあ、みなさんは元日に聞いて、それから準備を開始した。

    ありさ氏:そうですね。でもね、意外とぬくぬくしてたんですよ、みんな(笑)。6日くらいに岩立沙穂(さっほー)さんのところの代表が「あれ、時間なくないですか?」って。私も成人式と生誕祭の準備に追われていたので、「あっ、やべえ」と思って。

    ――と、いうことは、そこからあの横断幕も準備を始めた?

    ありさ氏:そうです。

     ただでさえ時間がない上に、正月で通常営業していない業者も多い。13期ヲタたちはあわてて横断幕や花輪の準備を進めた。

    ――そんなに急に、予算を集めるのは可能なんですか。

    ありさ氏:集まるんですよ、それが(笑)。生誕(準備)をやってる時期の界隈だったら、SNSなどで声かけもしやすいので早く集まります。あとは頭の人が建て替えたりはしていると思います。早いです。沙穂ちゃんのところとかはすごい早い。やっぱりおじさんが多いので。サササッと動きます(笑)。

     公演が決定して、運営の動きも変わった。

    たっちゃん氏:Gさんがすごい嬉しそうに動いてくれた。こまごまと連絡をくれて。3回くらい電話がかかってきましたからね。「大丈夫ですか?」って。「13期の横断幕、大丈夫ですか?」「一応発注しました」「防炎加工ですか?」「……防炎!?」「防炎加工じゃないとTDCは通らないから」「……やります」って。Gさん、すごくやさしく説明してくれたんです。
    電話を切るときにGさん、「私も行きたいんですけど、この日だけはどうしても行けなくて。13期公演、絶対盛り上げてきてください」って。
    スタッフ全体が13期の味方なんだなって思ったときに、泣けてきましたね。

     通常2週間かかる横断幕の防炎加工は、なんとか16日の公演当日に間に合った。

    ありさ氏:当日に持って行って、「いいです」と(TDC側のOKが出た)。ギリギリでした。間に合うかどうかわからないけど、とりあえず発注しちゃいます、みたいな感じだったので。防炎加工済みのマークをつけることはできなかったので、ダメかもしれないっていう話をしていたんですけど。たっちゃんは「ダメだったら僕を第一バルコニーに吊ってください」って(笑)。

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     こうして、第一バルコニーに吊るされた「ぶちかませ!我らが13期生!」の横断幕。「ぶちかませ」はヲタクたちの合言葉にもなっていく。

     公演当日、ヲタクたちは誰からともなくTwitterのユーザー名に「ぶちかませ13期」の文言を付け加えていった。11月の「#13期ヲタ会」につづいて、今回は「ぶちかませ13期」がタイムラインを埋めた。




    「企画書片手に乗り込んで来ましたよ」

     ようやく間に合った横断幕をチェックするTDC側との打ち合わせには、AKSのM氏も同席していた。
     M氏は、戸賀崎智信氏や茅野しのぶ氏のように普段からファンの前に顔を出しているスタッフではないが、会話の内容から「AKSの偉い人」であることはわかった。
     そのM氏は、打ち合わせがひと通り終わった後、「13期、すごいですね」と話しはじめたという。

    たっちゃん氏:「なんかあったんですか?」って聞いたら、「企画書片手に乗り込んできましたよ」って。

    ――メンバーが乗り込んできた?

    たっちゃん氏:「ものすごい勢いで来ましたよ」って。

     篠崎彩奈と茂木忍が「なんでできないの?」とりょー氏に八つ当たりした12月18日から、実施決定が告げられた12月25日。この間のどこかで、13期メンバーはAKSに直訴を敢行していた。

    ――しのぶさんから見せてもらった企画書を持って、運営に乗り込んで行ったということですか?

    たっちゃん氏:しのぶさんも一緒に頭を下げてきたって。最初は断ったって言ってました。だけど、しのぶさんが「それでも秋元さんまで話を持って行ってくれ」という話になったらしくて。

     ありさ氏は、「最終的にはしのぶさんが味方だった」と言う。13期と一緒に頭を下げ、「せめてこの話を秋元さんまでつなげてくれ」と食い下がった。「そこまでやりたいのか」と熱意を感じ取ったM氏は、秋元康総合プロデューサーに13期生公演の要望を伝える。

     総合プロデューサーは、「あれだけ劇場公演をがんばっているんだから、やらせてあげなさい」とOKを出した、という。

     13期が劇場支配人を動かし、劇場支配人がAKSの偉い人を動かし、AKSの偉い人が総合プロデューサーを動かした。
     2005年12月のAKB48劇場では直接に、一瞬でつながったヲタクから総合プロデューサーへのホットラインが、2016年には4ヵ月をかけてようやくつながった。

    りょー氏:ヲタクはあくまでもきっかけを作っただけであって。やっぱりガッツがあるのは13期本人なんですよね。

     企画書を片手に乗り込んで来た13期の話を聞いて、たっちゃん氏は「それだけで動いた意味があった」と感じたという。

    たっちゃん氏:正直、僕たちは「難しいよな」って思って企画書を出していて、それでもそこまでやってくれた13期への感謝しかないです。

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    開演

     月曜日だというのに、まだ明るいうちからヲタクたちはTDCホールに集まりはじめた。
     いつもなら素手で参戦するヲタクも、使い慣れないペンライトを携えている。メンバーから「色を変えられるペンライトを持ってきて」とメールで指示があったからだ。相笠・梅田には秘密の卒業記念ペンライト企画をメンバーたちはくわだてていた。

    たっちゃん氏:13期のヲタって本当に推しが好きなんだなって思ったのが、普段持ち歩かないサイリウムをみんな持ってきて。

    ――普段は持ち歩かないんですか?

    りょー氏:持ち歩かないです。

    たっちゃん氏:絶対、手拍子ですから。

    taro氏:推しメンのサイリウムは売上に貢献しようと思って買うんですけどね。前日に横断幕の準備をしながら「さて開けるか」ってショップから届いたままになっていた箱をやっと開ける、みたいな(笑)。

     

     15時半からはじまったグッズ販売には長蛇の列ができた。売り場のレジが少なく、客をさばききれなかったためだ。売り切れが続出し、17時半の開場直前まで並んで、「たどりついたらうちわしか残っていない」という有り様だった。

    taro氏:一時期、(13期生公演が)決まる前とか、決まったときに、公演が埋まらないんじゃないかとか、なんで13期生公演が6800円で設定されたのかとか、映像化されないとか(いう声があった)。「なめてんのか?」っていう(笑)。

    たっちゃん氏:ヲタクからしたら、俺ら券買えないんじゃないかって。

    taro氏:そう、そっちのほうが心配。

    たっちゃん氏:埋まるに決まってるんだから。

    ――物販でも、すぐモノがなくなりましたね。

    taro氏:あれ、ふざけんなよって(笑)。

    たっちゃん氏:運営の想像を超えたのは間違いない。物販を見ればわかりますよ。

    「テロリストみたいな目をした奴らが集まっていた」
     この日、TDCホールを埋めた3000人の観客を、あるヲタクはこう表現した。テロリストという言葉が適当かどうかはわからない。だが、間違いなく彼らは、何かを何かに対して「ぶちかます」決意を懐に抱いて集まっていた。

     第一バルコニーに翻る革命の旗。

     18時30分、戦闘開始の号砲が鳴った。




    「秋元さんってあんな顔するんだ」

     公演終了後、13期ヲタたちにはまだ大事な仕事が残っていた。
     横断幕の撤去、搬出である。

     AKSのM氏はこの作業にも立ち会ってくれ、「いやー、すごかったですね。まさかここまでとは思いませんでした」「リハから全力でしたよ」とメンバーを称賛してやまなかった。

     それだけでなく、「秋元さんは、ずっと笑顔で13期生公演を見ていた」と、関係者席で観覧していた総合プロデューサーの様子について教えてくれたという。

    たっちゃん氏:びっくりしましたよね。AKSの人でさえ「秋元さんってあんな顔するんだ」って言ってたくらいなので。

    りょー氏:AKB、まだまだ行けるぞって気がしてたんじゃないですかね。

    たっちゃん氏:AKSの人も言ってましたもんね。「ファンってこういうのを求めてるんですか」って。そりゃあ……(笑)。

    りょー氏:根本的に運営の考え方に対して、何かを突きつけるというか。下克上ってわけでもないですけど。ぶちかまされちゃいましたね、本当に。

    taro氏:今回のやつって、メンバーだけじゃなく劇場スタッフ、衣装スタッフ、いろんな方たちが13期のために協力してくださって成し得たこと。本来はリクアワのためのリハだった日を空けてもらって、協力してくれたメンバーにも感謝しなきゃいけないし。その(いろいろな人の)思いで成し得た公演だったなと思いますね。

    ありさ氏:これだけいいものを作って、この後13期のメンバーがどうなっていくんだろうっていう怖さはありましたけど。ひとりひとりのメンバーが。
     ……どうすんでしょうね。もちろん「こっからだぜ」っていう思いも持っていなきゃいけないんでしょうけど。

    りょー氏:まだまだですよ。いまやっと道が開けた状態。

    たっちゃん氏:燃え尽きた感はたしかにありますけど、でも希望的に言えば「こっからなんだな、13期」っていうのはありますね。

    taro氏:いろいろ大切かなと思うのはこれからかなと。この熱を何かに、活動の中でつなげていかないと。それをどうやってやっていったらいいんだろう。

    たっちゃん氏:それに関しては、13期公演を観てくれたメンバーがすべてを察してくれたかな。

     13期生公演終了後、ヲタクたちは秋葉原での打ち上げに集まった。80人分の予約をしていたが、13期ヲタ会の110人を「余裕で超えた」人数が集まり、店に入れないヲタクもいるほどだった。
     この夜、塚田農場秋葉原中央通り店は月曜日の売上記録を更新した。

    <了>


    ※本稿の執筆にあたり、以下のサイトなどを参照、引用させていただきました。

    ・AKB48@メモリスト(ゆいりーの生誕祭での発言を引用)
    ・roffiseet sugar氏の「あん誰データバンク」@Google+ (ゆいりーのあん誰での発言を引用)
    ・エケペディア
    ・ファン、メンバー、スタッフの皆様のツイート及び755投稿

     心より御礼を申し上げます。ありがとうございました。




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    【本日】6/28(水) 21:00~ 放送!
    『【特別企画】13期公演はいかにして実現したのか・ニコ生版


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