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寅丸と彼女の監視者
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寅丸と彼女の監視者

2013-08-21 23:20

    説法を終えた夕下がり、命蓮寺の縁側で風に当たっている星にナズーリンが寄ってきて、声をかけた。
    「なあご主人。
     民衆の信仰を浴びているのは他でもないご主人だよ。だったら、師弟とはいえあの僧侶に特別遠慮をする必要はないんじゃない?」
    星はそれを聞くとふっと息を漏らして笑い、西の空を眺めながら言葉を返した。
    「ナズーリン、あなたの言い分も尤もです。
     けれども、私は、天に祈るあの御姿を拝見するだけで、身の震えが止まらなくなってしまうのです」

      おわり


    『仔ジカと彼の母親』より


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