ヤマメもおだてりゃ糸を吊る
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ヤマメもおだてりゃ糸を吊る

2013-11-14 23:55

    地底の暗がりに赤や青の光球が飛び交うさなか、魔理沙は跨っている箒の先を握り締め、「ちょっと待ってくれ!」と声を張り上げた。
    「お前は妖怪のくせに愛嬌があるんだな。それに、とてもつやのある外見をしている」
    「へへ、そうかい?」
    壁に背を向けた土色の少女は弾幕をピタリと止め、ひんやりとした静寂の中でケタケタと笑い声を響かせた。
    「だが、蜘蛛なのにどうして空を飛んでいるんだ? 糸にぶらさがっていれば完璧なのに」
    すると、少女は足先から天井に向かって糸を出し、宙ぶらりんになって両手を広げてみせた。
    「ああ、最高だな、それでこそ」
    魔理沙は宙吊りの少女に近づき、糸を切り、暗闇に落ちてゆく少女を見届けた。

      おわり


    『キツネとカラス』より


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