【iha's column】京都アニメーションと、AMV/MAD文化
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【iha's column】京都アニメーションと、AMV/MAD文化

2019-08-01 23:59




    <株式会社京都アニメーション 支援金預かり専用口座>

    銀行名 京都信用金庫
    銀行コード 1610
    支店名 南桃山支店
    店番号 048
    口座種別 当座預金
    口座番号 0002890
    口座名義 株式会社京都アニメーション 代表取締役 八田英明
    ※ 表示名「カ)キヨウトアニメーシヨン」

    BANK NAME : THE KYOTO SHINKIN BANK
    SWIFT : KYSBJPJZ
    BRANCH NAME : MINAMI MOMOYAMA BRANCH
    BRANCH NUMBER : 048
    ADDRESS : 16-50, YOSAI, MOMOYAMA-CHO, HUSHIMI-KU, KYOTO-SHI, KYOTO-HU, 612-8016 , JAPAN
    ACCOUNT NUMBER : 0002890
    ACCOUNT HOLDER : KYOTO ANIMATION CO.,LTD., REPRESENTATIVE DIRECTOR, HATTA HIDEAKI

    まずは、京都アニメーション火災による犠牲者、被害者、そして関係者の皆様方に改めて、哀悼の意を表すると共に、御悔み申し上げます。
    また、被害にあった京都アニメーションに対して、応援の声を頂けた皆様方に、私が言う事ではないとも思いますが、1ファンとして感謝したいと思います。

    事件について語る積りはないのですが、AMV/MADだけでなく、インターネット動画文化の黎明期を見て来た人間として、京都アニメーションについては少し語りたい、綴りたいと思い筆を取らせて頂きました。
    京都アニメーションと動画文化全体に対して、一応ですが愛を籠めている積りです。
    宜しく御願い致します。




    【序文】 想いを綴る、愛を知るために

    この様な時期に、この様な記事を書くと、「炎上商法」と捉える方もいらっしゃるとは思いますが、今回どうしても書いて置きたかった事があります。

    この事件に関してだけでなく、悲しい事件があった時に、人々の対応は大別すると二つに分かれると思うのです。

    ① 黙して行動し、あまり触れない方が良いと考えるタイプ
    ② 情報を拡散し、繋がった方が良いと考えるタイプ

    溢れた気持ちを言葉にする事は、基本的に良い事かと思います。
    言葉にしなければ、なかなか伝わらないからです。

    しかし、逆に①の意見も分かります。
    「日本人の信条は察しと思いやり」(@エヴァンゲリオン)と言うのも真実であり、私もなるべく察せられる様にと日々努力はしている積りです。

    どちらの意見ももっともで、どちらも否定すべき物ではありません。
    皆様にも是非、どちらの意見も否定せず、様々な人がいると言う事を考えて頂けたらと思います。

    この①と②は、もっと細分化する事が出来、今回、特筆すべき物が一つあります。

    ③ 悲しい事件を創作で扱うのは、炎上商法に近いので扱うべきではない。

    と言う考え方です。

    動画制作者を含む一次・二次創作者は、悲しい事件を自分の作品で扱う事に躊躇する事が多いかと思います。
    これは、自分の心の問題もありますが、自分の作品を炎上商法とみなされたくないからです。
    特に、①の様な考えの人々には受け入れられず、炎上する事が多々あります。

    「七日経ったら扱って良い」「1年経ったら扱って良い」「永久に扱わない方が良い」等、誰にも決められません。
    皆様の考えで、それぞれ扱って行くしかないのです。

    勿論、金儲けの為、自己の名誉の為だけに、悲しい事件を取り扱うのは褒められた物ではありません。
    しかし、自分の気持ちを伝える事、情報を拡散しようとする事、同じ気持ちの者達で繋がろうとする事を否定するのは、これもまた難しいと思います。

    様々な考えの人がいます。否定的な意見もあります。
    是非、「相手の気持ちを察し」、時に「言葉を綴って話合い」、それでも①と②が分かりあう事はなかなか難しいかと思いますが、一方的に否定せず、様々な人がいると言う事を思い出して頂けたらと思います。

    「AniPAFE2019について」
    「AniPAFE2019 AMV/MAD FESTIVAL」では、京都アニメーションの作品を扱ったAMV/MADを、それぞれの考え、それぞれの気持ちとして、歓迎させて頂きます。
     投票においても、京都アニメーションの使用作品に対して、正負様々な感情を抱くかと思いますが、それを投票に加味するかどうかも皆様の自由です。それぞれの判断で、是非御願い致します。




    ↓ 以下は初期の京都アニメーション作品と、動画文化の変遷を、私なりにまとめたものです。


    1⃣ AIR の生み出した理想郷

    京都アニメーションが、多くのアニメファンに認識された最初の作品が「AIR」です。
    「ニコニコ動画」と「AIR」には、あまり言及されない、しかし重要な事件があったので、ここで言及して置こうかと思います。

    「京アニ版 AIR」の本編全てが、「ニコニコ動画」に違法アップロードされた事件です。
    これは権利者がわざと見逃したのか、気が付かなかっただけなのか分かりませんが、延々と、何年も残り続けました。(今は消えています)

    再生数も多く、ここで「AIR」に初めて触れた人も、当時は多かったかと思います。
    また、「ニコニコ市場」が当時は動画の近くにあり使い易く、そこからBDやDVDを購入する人が、何百人もいたと言う「WIN-WIN」の関係を作り上げていました。

    これは、他のアニメもこうなれれば理想だったのだとは思いますが、京都アニメーションの作り出した、素晴らしい作品だったからと言わざるを得ないでしょう。

    この様な理想郷がなかなか再現出来ず、現在のアニメ関係者やニコニコ動画は、悪戦苦闘しているのかも知れません。




    2⃣ 涼宮ハルヒ 世界へ

    現在、日本のアニメが、世界中から支持されている原因。
    恐らく、「宇宙戦艦ヤマト」や「機動戦士ガンダム」、「新世紀エヴァンゲリオン」を超え、「鉄腕アトム」に次ぐ、アニメ史において重大な転機となった作品。

    それが「涼宮ハルヒの憂鬱」です。

    西暦2000年前半、北米でADSLが140万回線を超え、日本でも月定額料金制が広まります。
    2005年にはYouTube、2006年にはニコニコ動画が開設され、一般の人々が初めてネットの広大な海に投げ出されたその時、このアニメは生み出されました。

    人々が、旅行以外で、初めて国外の文化に直接触れる機会、ネットで個人で作った動画を見る機会、作る機会を得たその時だったのです。
    「涼宮ハルヒの憂鬱」は、そのKAWAIIイラストと、CUTEなダンスで、熱狂的に迎え入れられました。

    世界中で主題歌が歌われ、EDのダンスが躍られ、AMV/MADが作られたのです。
    そして、「日本=萌え」を完全に植え付けてしまったのだと思います。




    3⃣ MADが織りなす Kanon

    「Kanon」は、「AIR」と同じ、「Key」と言う会社のゲーム作品でした。
    時系列的に言うと、ゲームとしての「Kanon」は「AIR」よりも古い作品で、「MOON」と「ONE」と言う作品もありましたが、「Key」と言うブランドとしては最初の作品です。

    当時は「萌え」と言う言葉が世界に広まった、ギャルゲー(エロゲ―)全盛期で、Leafと言うもう一つの大手ゲーム会社と並び称された「葉鍵(LeafとKey)」と呼ばれたジャンルは、コミックマーケットや2ちゃんねる(現在の5ch)でも人が多過ぎたり、様々な理由で隔離されるほど。
    TYPE-MOONの二人、武内崇と奈須きのこなども、最初の頃は葉鍵の同人誌を作っていた程です。

    まだYouTubeもなかった時代ですが、ファンは同人誌だけに飽き足らず、なんと静止画MADを作り始め、ビデオテープや2chの葉鍵板などでそれは拡散されて行きました。

    当時のMAD制作者の中には(今風に言うとMAD師でしょうか?)は、今でも活動していたり、プロになった人達がたくさんいます。




    4⃣ らき☆すた 著作権とオマージュと二次創作の垣根を打ち壊せ!

    らき☆すたは、アニメ本編でも、過去のアニメ作品や特撮作品のオマージュを多用していました。
    勿論、京都アニメーションは許可を取ってそれを使用していましたが、MAD制作者達が、それにインスピレーションを受け、様々なMADを作って行ったのは想像に難くありません。

    この時代には、MADにとって大きな事件が3つありました。

    一つは、角川とドワンゴが共同で発表した「愛があればMADも認める」発言。
    もう一つは、それに則り行われたYouTubeにおける「角川公認MAD」(現在、このシステムはありません)
    そして、アニメに理解のある当時の麻生政権による「MADは有用」と言う、官邸での公式報告です。

    恐らく、この時代が、最もMADが公式化されかけた時代だと思います。
    しかし、「角川公認MAD」のシステムが全て手作業による公認で煩雑過ぎ、角川が音楽業界に支払う著作権料も馬鹿にならなかった為、システムが頓挫。

    残念ながら現在では、失われてしまいました。




    5⃣ 京都アニメーションの総決算 CLANNAD

    京アニは「AIR」を作り終わった時、「CLANNADも作りたい!」と思った様です。
    「CLANNAD」は「Key」の当時最新作で、そのシナリオ量は「AIR」の4倍近く、とてもアニメ化出来ないと思われていました。

    ところが京都アニメーションは「涼宮ハルヒの憂鬱」で、一躍、世界的に有名になり売り上げは激増。「CLANNAD」制作に弾みが付きます。
    しかし、京アニは一気に「CLANNAD」を作るのではなく、入念な下準備をします。
    とんでもない事に、遠回りをして「Kanon」のアニメ化を行ったのです。

    また、アニメ監督や脚本だけでなく、全ての社員に「CLANNAD」のゲームをプレイさせ、そのシナリオに涙した社員が一丸となってアニメ化を推し進めると言う、恐ろしい手段に出ました。

    番外編を含む全47話、1期と2期の間に半年の期間を置いて、制作期間は2年以上と言う、超長距離レースを走り切ったのも愛のなせる業。
    好きだからこそ、あそこまで描き込める、演出を練れる、脚本に全く無駄がない、恐ろしい作品に仕上がったのだと思います。

    あの銃撃戦大好きなアメリカのネット投票で、「泣いた」「家族を大切にしようと思った」などと得票を重ね、人気アニメ1位を獲得したのも頷けます。

    「これ以上のアニメ作品は、もう生まれないのではないか」と言って、逆にアニメ界隈から去ろうとする人がいたほどの衝撃を与え、京都アニメーションの挑戦は、一先ず幕を降ろす事になったのです。

     


    6⃣ けいおん! 京都アニメーションの新たなるスタート

    京都アニメーションと言う会社の力が、思う存分振るわれている、新たな形態のアニメ作品だと私は感じました。

    肌触りや空気まで感じる様な日常と、本格的な演奏、原作を踏まえながらも京アニデザインとも言える可愛いキャラクター。
    番組が終わってしまった時、視聴者が「けいおん!!」が、もう見られないと言う事実に泣くと言う程の存在感が、この作品にはあったのです。

    市場規模が380億円に達するなど、社会現象と言って良いほどの力を持った作品に、「けいおん」はなりました。
    京都アニメーションは、この時の売り上げを、なかなか越えられなくなって来ています。
    京都アニメーションの最大のライバルは、京都アニメーションだったのかも知れません。

    現在の京都アニメーション作品は、この「けいおん!」が下敷きになっているのだと思います。
    また「リズと青い鳥」は、ここから更に一歩、京アニが踏み出した作品だとも感じました。

    今後も、一歩一歩着実に、丁寧に、愛を籠めて、京都アニメーションの皆様は進んで行かれるかと思います。
    その道は、遠回りを余儀なくされてしまいましたが、いつか絶対に過去の京アニを超え、世界中の人が涙を流す。私はそう思います。

    AMV/MADを含む動画文化は、その多くを、京都アニメーションと共に歩んで来ました。
    そして、犯罪に巻き込まれた訳ではありませんが、動画文化も、様々な遠回りをしているとも感じます。

    私が言う様な事ではありませんが、動画文化も、一歩一歩、丁寧に、愛を籠めて、また、京都アニメーションと共に進んで行けたら嬉しいです。

    京都アニメーションの皆様への、感謝と哀悼を籠め、結びとさせて頂きます。
    御精読ありがとうございました。


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