私は、盟友にしてオトモアイルーのコナンと供に森丘へ狩りに赴いた。
すると、突如激痛が走り、私の体は吹き飛んだ。
奇襲だった。相も変わらず、モンスターどもは私に対して卑怯な手段を使う。
卑怯だと言う私に対して、それが大自然の掟だと言うハンターが多い。
しかし、人間同士の戦争で宣戦布告をせずに奇襲すれば卑怯者とされる。
同種と異種という違いがあれば奇襲を許せるというらしい。
要するに、モンスターを自然災害のように扱っているということなのだろうが
ならば、いっそモンスターを調教して近隣の村々でも襲わせてしまおうか。
あるいは、あらゆる手段を講じて、村におびき寄せて潰してもらおうか。
そうすれば私に責任はなく、村が壊滅しても大自然の掟で済む話だろう。
激痛が走りながらも、こんなことを冷静に考えられたのは、
そばにコナンがいてくれたからである。
「旦那さん。ぼさっとするんじゃないのニャ。そこにオオナズチがいるのニャ」
起き上がると、前の前に、薄く輝くオオナズチの姿が見えた。
なんとなくオオナズチの体は、焦げているように見えた。
そして私の体だが、少し焦げ臭い。
要するに、そういうことだったようだ。私はむせた。
フッ。思わず笑みがほころぶ。
「あったかいんだからぁ~♪」
「なにをのんきに歌ってるのニャ。さっさと攻撃しろニャ!」
この奇襲は許せる。いや、許す許せないの問題じゃない。
これは大自然の掟じゃない。宇宙の真理だ。
問答無用だ。卑怯でもなんでもない。
「さぁて、オオナズチさんよ。今日もいっちょぶっころさせてうおっ!?」
「龍風圧ニャ!何年ハンターやってるのニャ!」
「クソ卑怯者!オオナズチブッコロ~すッ!」
そうしていつもの狩りが始まった。
完。
※2016年09月号は希望があれば書きます。