音楽制作プロジェクト「On-premises」提供による『黒子の音源』シリーズ第48弾です。
この『黒子の音源』シリーズはオンプレミスのBOSS君こと湯浅稔氏が、過去に作曲・編曲・サウンドプロデュース・サウンドディレクション等を行ったゲームタイトルの中で実際に使用した音源、また企画の段階にプレゼン用として作られたデモ音源などを氏の所有する膨大なマスターライブラリーの中からセレクトし当時の制作秘話や制作現場での様々な逸話などを織り交ぜ紹介していこうという試みです。
当の本人は「終活」とか「遺言」などと申しておりますが、まあそれはそれとしてレトロゲームの音源とその開発にまつわるお話は私たちスタッフもとても楽しみにしていますし子供の頃 実際に遊んだゲームの曲もあるので懐かしい思い出がよみがえります。
それでは、『黒子の音源』第48話をお楽しみ下さい。
--湯浅談--
『黒子の音源』シリーズ第48弾は、前回に続き日本テレネットさんより1990年に発売されたPCE-CD-ROM2用アクションゲーム「GOLDEN AXE」のBGMです。
今回のBGMも、セガさんよりお貸りした「MD版」のスコアをPCエンジン用にリアレンジしたもので DAT 48kHz SPモードで録音された保管用のマスター音源です。
また、テレネットさんオリジナルのオープニングとエンディング用の曲を除く、ゲーム中の全BGMデータはサウンドプログラムに必要なSEデータとしてヴィジュアルシーン用の効果音と共に制作したものです。
少し話は逸れますが、その頃の私は HALスタジオ代表 三好敏彦氏 の音楽ユニット
「Be-2project」に参加し、某レコード会社からのメジャーデビューを心待ちにし...
担当ディレクターさんが抱える他の新人アーティストのお手伝い(DTMでのオケ作り・レコーディング・コーラス入れ等のお手伝い)をしたり...三好師匠の下で (CMや劇伴の楽曲制作、効果音制作、ナレーション録りやMA作業などの)アシスタントをしておりました。
ただ、師匠は既にプロミュージシャンとして生計を立てておられましたが、私は会社勤めを辞めて音楽活動を続けていたため、音楽を辞めるか否かの瀬戸際に追い込まれていたんですね。(^^;
そんなある日、新聞の折込み広告に...
★市内:アルバイト/社員募集★
1.パソコン教室のインストラクター
※パソコン教室の講師(数名、経験者優遇)
2.営業企画担当者/映像・音響技術担当者
※地元企業のコマーシャル制作や宣伝用ビデオの営業、
企画、制作担当者(数名、パソコンが使える方)
...という求人広告を見つけ、速攻でその会社の面接に行きました。
で...私が面接を受けた会社は (株)ビジネスサポート(翌年(株)A&K と分社化 )という会社だったのですが...両社とも資産家であるオーナー社長さん(地主さん)の不動産管理をする為に設立された会社らしく社長さんの道楽?でパソコン教室や広告代理店的な業務をされていた様で...私の前任者が地元企業の「社歌」や「宣伝用のビデオ」、「披露宴のビデオ」などの制作をしていたらしく、曲や映像の他に効果音やナレーションの提供などもされていたのだそうです。
(社長)
まあ、とりあえずパソコンが使えて音楽の仕事もできそうなので、パソコン教室のインストラクター見習い兼、企画営業(社歌や宣伝用ビデオ他の企画営業担当)兼、ビデオ制作関連の技術者?として、アルバイト採用しましょう! ( ・∀・)b OK!
...と、その様な経緯で 私は (株)ビジネスサポート と(株)A&K のスタッフとして各ゲームメーカーさんに、ユニット「Be-2project」のデモテープを送付し、それを聞いていただくチャンスを得る事ができたのでした。
で、今回は以下3曲(3ショット?)を収録致しました。
1:ROUND-3
2:ROUND-4
3:LAST BATTLE
そして...
【回想シーン その3:(その2)↓の続き】
https://ch.nicovideo.jp/Akibappara-TV/blomaga/ar2070263 (Oさん)
しつこいようですがお見積もりは郵送していただいたこの単価表の値段でいいんですよね?
(湯浅)
ノープロブレム!もちのロン!です(←死語w)
(Oさん)
実は、うちのサウンドスタッフ(効果音担当者さん)だけでは手が回らないので『この譜面』を使って、ゲーム中に使う 『【効果音】を追加で』作ってほしいんですよ
譜面を見るとメガドライブ版ゴールデンアックス(内蔵音源)の譜面らしいのだがテンポや楽器の指定が無いし、よく見ると「ドラム譜」とか「ヘ音記号」の五線がない...
----------ここから【回想シーンその3】PCエンジンデビュー(本編2.)----------
そして...
以下の内容が、私(湯浅)の『前任者』さんが作成し...(株)ビジネスサポート『オーナー社長(地主さん)』が、日本テレネットの「Oさん」宛に郵送した見積書の元となる 『伝説の▲単価表』 (←あえての黒上向き矢印!).....だったのです。 ヒィィィィィ(゚ロ゚;ノ)ノ
☆効果音・ナレーション 単価☆
※フェードイン・フェードアウト・ ループ処理込み \(^o^)/
1.(30秒以下)¥ 5,000-
2.(31秒~60秒以下)¥7,500-
3.(61秒~120秒以下)¥10,000-
4.(※120秒を超える場合は応相談)
...とまあ、この単価表のお話が今回3話目となる 『黒子の音源』シリーズ「GOLDEN AXE」の開発秘話だったりするわけですが...
前任者の方は学校の卒業アルバムや結婚披露宴のビデオを専門に作っている会社の方だったそうで、効果音やナレーションのストックをいつでも利用できる環境にあったのだそうです。
また、アルバイト採用されたばかりの私は当然のことながら単価・見積・請求・経理に関わる権限を持っておらず...
結果、オーナー社長さんの作った見積書がそのままテレネット「Oさん」に郵送されていた...という「地主さん企業あるある?」...みたいなお話だったりするわけです。
そんなこんなで、これが私の「PCエンジンデビュー(本編2.)」なのでございます。
(次回 Ver.4 に続く)
皆様、最後までご視聴いただきどうもありがとうございました。
因みに、今バックで流れている曲は「ときめいて・ルージュ」という曲で、こちらのチャンネルにも掲載されてますのでよろしければ私の歌声も聞いてみて下さいね。
それでは、また!(^0^)/