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  • 【第274号】努力と運と・・

    2020-01-27 07:00
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    山田玲司のヤングサンデー 第274号 2020/1/27

    努力と運と・・

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    いや〜・・


    昨日のヤンサンアカデミー賞が凄すぎて、余韻で大変です。

    ヤンサンアカデミー賞は「3分動画の選手権」今回のテーマは「ミュージカル」でした。



    予想はしていたものの、応募作の熱量が凄まじく、放送当日も大変でした。

    僕らレギュラー陣は、応募してくれた「3分間のミュージカル」を放送中に初めて観て、

    「どうですか?」と聞かれるわけです。


    どうですかもこうですかも、そんなもん言葉になんかできるもんじゃない。


    すべての作品に「その人」がいるのを感じるからです。


    彼らは賞金も貰えないのに全力でオリジナル作品を完成させ、その上みんなの評価をうける覚悟をして応募してくれた人だ。そういう人が(この番組だけで)28人もいる!!


    これだけでも「物凄い希望」だ。


    作品からは、今の世の中に溢れている「お金のために作られた商品」には決してないものが沢山ある。


    僕は感動しながら全ての作品を観ていた。



    「これを待ってた」という感じだった。




    こういう「自分をさらけ出した挑戦」は、失敗したら自分が否定されてしまうかもしれない可能性がある挑戦です。


    これは勇気がないとできない。

    挑戦するまでは無敵なのだけど、挑戦したら自分に順位がついてしまう。

    傷つくかもしれないし、苦労が報われないかもしれない。


    下手をしたら自分自身が否定されるかもしれない。


    それでもやる。


    うまく言えないけど、そういうのってホントかっこいい。

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    【日本人は映画を観ない?】


    日本人は平均すると年に1回くらいしか映画館に行かないという。

    近年は邦画にいい作品が増えている、とは聞くけど、映画館にまでは行かないらしい。


    マクガイヤーが「川村元気とか山崎貴の映画ばかりだったら誰も映画館に行かなくなる」みたいな事を言っていたけど、僕も本質的には同感だ。


    それは川村氏や山崎氏の問題というより「確実に利益を上げること」を最優先して企画を進めているのが透けて見える作品ばかりだからだ。


    「売上実績のある漫画原作か過去の人気アニメの焼き直し」「集客確実なファンの多いアイドルの起用」「手堅くまとめられる監督の乱用」みたいなのがポスターに並んでる。


    見る前から「魂の抜けた映画」に見えてしまう。

     
  • 【第273号】かこさとしの「メニューメソッド」

    2020-01-20 07:00
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    山田玲司のヤングサンデー 第273号 2020/1/20

    磯野家の謎解き

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    先日放送された「日曜美術館」かこさとしの回が素晴らしくて何回も観てる。


    かこさとし先生は絵本作家で、代表作は「カラスのパン屋さん」「だるまちゃんとてんぐちゃん」など。

    もちろん僕も読んでいたし、絶望に効くクスリのインタビューの候補にも上がっていた人だ。


    世代的には水木しげる先生や森毅先生なんかと同じくらいだと思う。


    この世代は学生時代に戦争があって、みんな酷い目にあっている。


    かこさんもまた「軍国少年」として教育(洗脳)され、お国のために死ぬつもりだったという。


    戦後になって大人たちは、そんな時代の事などなかったかのように欧米を称え、お金儲けに走った。


    そんな大人達と自分自身が許せなかったかこ先生は、会社勤めの傍でボランティアで紙芝居などを作り近くの子供たちを喜ばせていたという。


    戦争中の過ちを償うために、まっさらな子供達に「大事なこと」を伝える事を誓ったのだ。


    そんな流れでかこさんは絵本作家になるのだ。




    【大事なこととは?】


    かこさとし作品には押し付けがましいメッセージはない。


    多くの作品が「いっぱいあるね」と「仲良しはいいね」っていう絵本なのだ。


    なんて素敵なんだと思う。


    てんぐちゃんのうちわに興味を持っただるまちゃんに何種類ものうちわを並べて見せたり、カラスのパン屋さんは何十種類もの色々なパンを見せてくれる。


    かこさんの世界は「いっぱい」が溢れている。


    色々なものの仕組みを伝える「科学絵本」のシリーズでも本当に沢山の情報が詰まっている。


    もう1つ共通しているのは、かこさとし絵本に出てくるものたちはみんな「楽しそう」で「仲良し」だという事だ。多少の例外はあるかもしれないけど、ほとんどのキャラが仲良く笑っている。


    かこさんが伝えているのは、「色々あるよ」「いっぱいあるよ」と、「仲良しは楽しいよ」ということだと思う。


    かこ先生の伝え方は「こうしなさい」とか「これしかない」という軍事教練的なものとは真逆の「好きなのどうぞ」と「沢山のメニュー」を差し出す方法なのだ。




    【僕の先生時代】


    何度か書いたもしれないけど、僕も子供達に絵を教えていた事がある。


    当時23歳で漫画が売れず、家賃も払えなかった僕は「絵画教室の先生ならやれるかも」と、子供相手の絵の先生を引き受けた。


    ギャラは安く負担は大きい仕事だったけど、子供たちに美術を伝える事ができるので本気で頑張った。

     
  • 【第272号】磯野家の謎解き

    2020-01-15 07:00
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    山田玲司のヤングサンデー 第272号 2020/1/15

    磯野家の謎解き

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    【九州とは何か?】


    今週のヤンサンは「九州での初イベント」に行ってまいりました。


    せっかくの「九州初イベント」なので、九州出身の作家やミュージシャンの考察から「九州とは何か?」というテーマを掘り下げようという話になりまして・・


    とはいえ僕は鹿児島県にしか行った事がなかったので、九州を語ろうにも「勝手な思い込み」が入るに決まってます。



    『これは下手すると自分の中の「妄想の九州像」を、九州の人達の前で偉そうに語る変な人になってしまうかも!』


    なんて思ってたんですが、考えてみれば目の前に九州のみなさんがいるので、遠慮なく「これ合ってます?」とか聞けばいいわけで・・


    逆にやりやすいじゃん!!


    と覚悟を決めて「なぜ九州は美輪明宏と松田聖子を生み出したのか?」とか「九州にはなぜ『ボス』が多いのか?」とか「イケメンデフォルト(フミヤと福山)の発生」とか「銀河鉄道999は『博多初』だった」とか「こんな九州弁で口説かれたい(byしみちゃん)」などなど、色々話しました。


    (この模様は今週のヤンサンでお届けします)




    その中で「サザエさんからクッキングパパへ」というくだりがありまして。


    九州出身の長谷川町子さんが生んだ「サザエさんのお父さんは九州男児だろう」とか語ってまして。


    サザエさんに関しては昔のヤンサンで少し語った事もあるし、この手の分析は昔から多くの人がやっていたので、今更かとは思うのですが、今回それをふまえつつ、あえてこの話をしたいと思います。



    【九州男児波平】


    サザエさんは「昭和の普通の家庭」みたいに思われがちですが、なかなか個性的な家族に思える。


    『封建的なお父さん(波平)と上手くやりつつ、従順な夫(マスオ)と結婚し、実家で暮らすサザエさん』

    この家族像は、苦労が多かった戦争前後の時代の「女性の夢」だったのではないかと思える。


    そんな磯野家は、封建的な男を立てながら実は全てを女が操っているように見える。


    この辺の真相は長谷川町子さん本人のエッセイなどを読むと作者自身がどう考えていたかを知る事ができるのだけど「本当は女が主役の磯野家」という説は、そんなに外れてはいないと思う。


    しかもサザエさん母子は「頑固で威張ってる男」を笑いつつも、敬愛してもいて、実にバランスがとれている。



    【頑固男の取り扱いマニュアル】


    「サザエさん」を九州における「男の取り扱い方法の書」という目線で見ると「サザエさん」はもう名前からして面白い。


    頑固な「波平さん」は「波」と「平」という名前。

    「感情的な波」はあるけど「平和」に暮らす、という意味にもとれる。


    感情的になるけど家庭を捨てたりはしない波平。


    そしてその妻は「フネ」


    他のキャラが海の生き物なのに「舟」なのは、旦那の「波」に逆らわずに「波に乗っていく舟」という事だろう。


    この辺り、長谷川町子先生が計算してつけたとしたら凄い。



    サザエさんの夫が「マスオ」なのも興味深い。

    マスは川魚。海の魚ではない。川は海より穏やかだ。


    父親より穏やかな男を選んだ方が良いと、名前で示してるのだろうか?


    この調子で深読みすると「サザエ」という生き物は「トゲ付きの殻」で自分を守っている。


    殻とは何だ?「実家」なのか?!!


    ワカメは波に逆らわずに漂い、回遊魚のカツオはいずれ外の世界に出て、どこかの女に「一本釣り」されるのだろうか?


    うーーん・・勝手な読みが止まらない・・



    【九州男児の変化】


    サザエさんに限らず、九州はイタリアと同じ「母権社会」で、そのたくましい「母」によって支えられてきたのは明らかだろう。


    確かに女性は強いかもしれないけど、弱い女もいるだろうし、男に愛想を尽かす女性もいると思う。


    実際、長谷川町子さんは男に何かを期待せず、独身のまま漫画家を続けた。

    昔ながらの「波平男」は見限られ、サザエさんは「マスオ」を選び、時代は松田聖子に見られる「自由な女の時代」になっていく。


    「このまま九州男児は滅ぶのか?」と思いきや、今度は九州男児のうえやまとち先生の「クッキングパパ」が登場した。