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  • 気づいた時には時すでに遅し。アンチェロッティの「一手」

    2014-05-03 16:00
    かなり久々の投稿となりました。

    UEFAチャンピオンズリーグ準決勝2nd Leg:バイエルン・ミュンヘンvsレアル・マドリー
    この試合でアンチェロッティが仕掛けた「一手」を今回は取り上げたいと思います。



    ■少しずつ、そして確実にダメージを与える

    普段通りの守り方では自由にボールを回され、人とボールを追いかけないといけなくなり
    体力が減ってきた時間帯には決定的な場面を数多く作られるだろう。
    1st Legも含めて、おそらくこのようにアンチェロッティは考えたのではないでしょうか。

    単純に4-4ブロックを敷くだけでは相手のパスコースの選択肢を絞ることはできないし
    バイエルン相手ではボールを奪うポイントもはっきりと定めることができないと思います。






    ベイルに2列目の右のポジションを守らせ、前線にはロナウドとベンゼマを残すのみ。
    ここまでなら今までとさほど変わらないでしょう。

    そこでアンチェロッティは守備にも攻撃にも2トップを有効に使いました。




    グアルディオラのチームの特徴は圧倒的なポゼッション。
    ただ、ボールを回されるにしても組み立てをやり直させないように
    2トップはポジションを下げるのではなく、高い位置に上げる(残す)。

    低い位置から組み立てていくことが安定したポゼッションを作り
    攻撃に幅をもたらし、リズムが生まれるのですがそれを継続的にできない状況。

    ロナウド、ベンゼマ2人共激しくチェイシングをするわけでもありません。
    全くプレスしないわけではありませんが、やっていることは高めにポジションを取り
    CBに牽制を入れつつセントラルハーフにパスが入らないようにすることだけです。




    最終ラインまでボールを戻そうとすると些細なミスでボールを奪われる可能性があります。
    スピードのあるロナウドとベンゼマが目を光らせているとうプレッシャー。
    2ラインの間にこの2人がいることが重要だったのです。
    選択肢としてボールを下げる考えは徐々に削られていったことでしょう。

    組み立てをやり直せないということは前にボールを入れていくことが多くなり
    当然ボールを失う、奪われるリスク高くなります。
    それはバイエルン・ミュンヘンが望んだ展開ではなかったはずです。



    ■守備だけではない、もちろん攻撃も

    バイエルン相手に2人を前線に残す時点でかなりのリスクであることは間違いないのですが
    攻撃にも2人を高い位置に残すことは効果的に表れていました。
    特に3点目のシーン。



    左に開いていたリベリが中に侵入しながらパスコースもしくはシュートコースを探す。
    どちらも無いと判断し、やや下がった位置にいたクロースにマイナスのパス。
    これを狙っていたベイルがカット。ディ・マリアへ一旦預け
    ディ・マリアのフィード→ベンゼマ→ベイル→ロナウドへとつながりカウンターでゴール。


    一見、単純なカウンターに見えるかもしれませんが
    バイエルンはSBのアラバがエリア内まで侵入しラームもクロースと同じぐらいの位置
    そうなるとマドリーは前線にボールを入れる時点で、2トップは局地的に1vs1の状況。

    ボールが入ってくる時にダンテはベンゼマに激しく寄せることもできたはずですが
    寄せてあっさり裏を取られ、躱されることが最も恐れることだと思いますので
    対応自体はなんとか動きを止めたかったはずです。

    こうなってしまえば守る側は完全に後手を踏むことに。
    まさしく2人を前線に残した意味がここで発揮されるわけです。

    スピード勝負でロナウド、ベンゼマに対抗するのですら至難の業であるのに
    ここで2トップの間を割って入るようにベイルがトップスピードで突っ込んでくる。
    追いかけながらであろうが、下がりながらであろうが
    この展開に持っていかれた時点で万事休す。素晴らしいカウンターでした。



    決して派手なことをしたわけでもなく、普通に試合を見ていると気づかないかもしれない
    そんなわかりづらく、些細なポジショニングが
    バイエルン・ミュンヘンをじわり、じわりと追い詰めていった。
    戦術家・戦略家、などと言われたりするカルロ・アンチェロッティの真髄を垣間見たような
    そんな素晴らしい試合でした。

    もちろん、マドリーの選手全員がハイレベルすぎるプレーを
    長時間に渡って行っていたのも、この「一手」が活かされた要因だと思います。





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  • ユナイテッドの「対策」vs アーセナルの「現在地」

    2013-11-14 17:494
    目下プレミアリーグ首位を走り
    CLではアウェーでドルトムントを破るなど好調のアーセナル。
    開幕から不安定な戦いが続き下位相手に勝ち点を取りこぼすなど
    監督解任論まで囁かれたマンチェスター・ユナイテッド。

    オールド・トラフォードでの両チームの戦いは
    スコアこそ1-0でしたが、非常に見応えのある試合でした。

    ■繊細なアーセナルの中盤

    セントラルハーフを中心に2列目の選手が下がってボールを受け、組み立てていく。
    相手に取りどころを絞らせないことで、全体を押し上げ相手の守備をパニックに陥れる。
    中央で組み立て・崩す事が難しければSBがサポートしサイドで数位的優位を作り出す。

    今シーズンのアーセナルを見た個人的な印象です。
    この日もやり方としては変わった部分はほぼなかったのではないでしょうか。

    良くも悪くもアーセナルの攻撃は中央を崩すことにあると思います。
    どこを起点に組み立てようが、行き着く先は中央。
    つまりそこがダメならアーセナルの攻撃は威力が半減してしまうほど繊細です。

    いくらサイドで数的優位を作っても、深くまで選手が入っていくことは少なく
    ボールをある程度キープし選手を引きつけてから中央に戻す事が大半です。
    守る側としてはこれがわかっていれば比較的簡単に守れるでしょう。

    自分としては試合全体を通して中央に固執しすぎていると思っていましたが
    そうするしかなかったのではないでしょうか。

    ■万全の準備をしたユナイテッド

    守備時は2トップを前に残し、その他の選手は自陣深くまで戻り4-4ブロックを敷く。
    攻撃に関してはルーニー、ファン・ペルシーに依存する部分が大きく
    未だ確固たる形が見えてこないのが現状でしょうか。

    この日のユナイテッドの守り方は少し違っていました。
    ヴィディッチがアクシデントで交代してしまった後半は
    いつもの4-4ブロックに戻ってしまいましたが、前半はアーセナルを完全に沈黙させたと言っていいでしょう。

    では何がいつもと違ったのか。

    4-4ブロックはピッチ全体をカバーし、ゾーンに入ってきた選手を捕まえ
    一度ゾーンに相手選手が入ると以降はマンツーマン気味になり
    サイドの選手が中に入って守備をしたり、中央の選手が外に引っ張られることもあります。

    しかしこの試合ではまず中央のスペースを消すことに全体が動き
    サイドにボールが出れば、人数をかけて囲い込むことはあまりせずポジションをしっかり守っていました。
    すでに書いたとおりアーセナルはサイドをうまく使えないので、事実上サイドを捨てた守備。

    そして中でも一番効果的だったのは中央で構えるフィル・ジョーンズの存在。






    ボールホルダーにはある程度キャリックが寄せていき
    パスコースの先の選手にジョーンズが激しくプレスにいく。もしくはインターセプトする。
    ジョーンズをその役割に専念させることでアーセナルの中央は機能不全に。

    おそらくモイーズの指示でこのように動いたのでしょうが、かなり効果的でした。
    サイドの守備と合わせてこれがハマらなければどうなっていたのかはわかりませんが・・・。


    ■最後まで崩せなかったアーセナル・跳ね返したユナイテッド

    前半にCKから唯一の得点が入りますが、アーセナルとしてはゾーンで守る弊害が出てしまい
    それに加え、ファン・ペルシーがボールに対してうまく合わせ決めきった。
    これ自体はファン・ペルシーを褒めるべきでしょう。

    後半、ユナイテッドはヴィディッチに代えクレバリーを投入。
    ジョーンズがCBに入り、前半で効果的だった部分がなくなってしまいます。

    いつもの試合と同じような守り方になったためマークがズレだし
    完全にアーセナルのペースに。

    しかしアーセナルも中央を使うしかなく、決定的なチャンスを作り出せない時間が続きます。

    タラレバになりますが、アーセナルはウォルコットとロシツキーが使えていれば
    かなり展開は変わっていたのではないでしょうか。

    ウォルコットをどこで使うかにもよりますが、サイドであれば縦への突破が増え
    トップ下あたりの位置でも他の選手にはない飛び出しが期待出来たのでは。
    この試合での流れではカウンター以外でラムジーの飛び出しは期待できなかったと思います。

    ロシツキーに関してはエジルを活かすために彼の存在が必要だと感じました。
    即興でエジルの創造性に対応できる選手は今のところロシツキーしかいないように思えます。

    この2つを加えた時に真のアーセナルの攻撃が見られるのかもしれません。

    そしてサイドを使うためにはSBの貢献も重要です。
    サニャは後半突如覚醒したようなプレーでしたが、常時質の高いクロス・パスを入れれるようにならなければいけません。
    逆サイドのギブスに関しては、自分は言い続けてますがモンレアルを使ってもらいたいです。


    ユナイテッドは後半何度か危うい場面がありましたが、なんとか耐えた感じでした。
    やはりいつもと同じ守り方では相手のパスを追いかける状況になり
    どうしてもマークのズレが出てきてしまいます。特にアーセナルのようなチームが相手だと。

    それでも失点しなかったのは、前半あの守り方を指示した指揮官に選手たちがしっかり応え
    流れを自分たちに持ってきたこと。
    苦しい時間にルーニーの鬼気迫るプレスも素晴らしかったと思います。

    当然攻撃では改善すべき点はたくさんあると思いますが
    強豪相手に守備で対策を立てさせたらモイーズは力を発揮できる事が改めて証明されたでしょうか。

    やれることを貫いたアーセナル。慌てることなく跳ね返したユナイテッド。
    スコアはあまり動くことがありませんでしたが、強豪同士が戦う魅力が詰まった試合でした。


    最後に香川について。

    戦い方から見て、香川の守備はモイーズに評価されているのではないでしょうか。
    やはり香川はトップ下の選手。
    前半はサイドの守備というよりトップ下でやってるような守備のやり方でした。
    モイーズはここに期待したのでは?と見ています。

    後半途中交代しますが、いつもの守り方になり対人守備が重視されるとやはりキツイ。
    体力的にも疲れてはいたでしょうし、守備の穴になる前の妥当な交代だと思います。

    そんなに多くなかった攻撃面ですが、結果を出したいのであれば
    コンビネーションばかりを考えるのではなく自分で強引にシュートを打つ
    そういった場面が増えないと中々難しいのではないでしょうか。

    今後も厳しくも暖かく見ていきたいと思います。




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  • この先どうなる

    2013-09-29 15:26
    香川真司のユナイテッドでの未来はどうなっていくのでしょうか。

    リバプール戦後では
    「彼のプレーは悪くなかった。今までよりもう少し、試合への調子を上げてきたと思う。良かったと思える部分もあったし、もう少しやれることを期待していた部分もあった。全体的には、まだ調子を戻している途中だ」

    「(香川が起用されないことについて)色々なことが言われてきたが、今日の試合を観た者の多くは、彼はまだ完全に試合向けのコンディションを取り戻しているわけではないと感じたと思う」

    とモイーズのコメント。


    昨日のWBA戦後では
    「前半から変化が欲しかった。真司には、自分にできることを示すチャンスを得ていると感じてほしいと思っている。おそらく、彼のベストポジションは10番の位置だろう。だが、日本代表でですら、彼は左サイドでプレーしている。だから、彼にとっておかしなことではないし、慣れていないポジションということもない」

    モイーズはこのように発言しています。


    翻訳が正確ではないのかもしれませんが、おそらくこのような発言はしているのでしょう。

    リバプール戦のコメントはまだ理解できる範囲ではあると思います。
    しかし、WBA戦でのコメントはいかがなものか。

    おそらく試合前に前半で交代させることを決めていたのでは?
    そして後半に期待した変化はモイーズにはどう映ったのか?
    自分にはあきらかにバランスが崩れたように見えました。それだけ前半攻守両面で香川がバランスをとる動きをしていたと見ています。
    香川に交代することを試合前に伝えていたのかは不明ですが、どう見てもこの采配は理解に苦しみます。

    低い位置まで下がってボールを受け、ボールをつないで自らも押し上げていく。
    香川がいなければ間違いなくルーニーがやっているであろう動きです。
    モイーズは左サイドの選手にこの役割は求めていないのでしょう。
    アウトサイドの選手には、「縦への突破」と「クロスボール」もしくは「カットインからのシュート」これだけを求めているのでしょうか。

    守備時はポジションを守りボールホルダーがゾーンに入ってくれば素早く追い、激しく寄せる。逆サイドにボールがあれば絞ってラインを下げる。

    自分が見てる中ではこれぐらいのことしかはっきりと見えてきません。

    これら上記した内容はほとんどが香川にとって得意ではないか苦手な部分でしょう。

    監督であればそれぐらいのことはわかるはずです。
    ですがモイーズは「真司には、自分にできることを示すチャンスを得ていると感じてほしいと思っている。」と発言しています。

    しかし
    正直できることは示しているのではないか?香川を起用した時とそうでない時の違いははっきり出ているのではないか?

    贔屓目で見てしまってるのかもしれませんが、自分にはそう見えてなりません。
    もちろん守備時におけるリスクも含めて内容に反映されていると思います。

    発言を見ていく限りおそらくモイーズは香川を評価していないでしょう。
    質問が香川に集中したり外野の声に嫌気が差して批判的な論調になっているのかもしれませんが、どうも自分の中では納得がいきません。

    ファーガソンの後を引き継いで相当なプレッシャーだとは思います。
    何かしらの圧力があって香川を起用したのかもしれない。
    ですが、選手を戦術にハメ込むだけでは限界があるのでは?
    見るべきところ、評価すべきとこをもう一度見直してもらいたいです。


    今シーズン最大のチャンスを得ているのは
    香川ではなく
    名将になれるチャンスが巡ってきたモイーズあなた自身ではないでしょうか・・・。



    今回は香川真司にスポットを当ててみました。ちょっと不憫な気がして。。。



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