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たけしくん
今期のドラマ、前髪切りたい系サスペンスが多いので、面白いと思いつつハサミが手から離せない。
今食べたいのはにしん蕎麦。
フェイトおじさん
最近生まれて初めて鳥の糞を受け止めてしまい、悲しみに暮れつつも「ウンがついた」ということで、これまた生まれて初めてトトを買った。億万長者に俺はなる。
この二週間で三回コンスタントにカレーを食べた。
第三回猿が教える衛宮士郎とそのサーバント
※ググってネタバレ読むと死ぬほど後悔します。
私は記憶を失って、UBWを改めて見たい。
「リーテラトバリタウルス」
「最初はグー! だっさなっきゃ負っけよ!」
「アリアロ……最近強引に入ってくる!」
「じゃーんけーん!」
「ぽん!」
「うわああー! グーで負けたー!」
「はい! 今回は衛宮士郎くんとそのサーバント、セイバーの話をするよ!」
猿が教える衛宮士郎という人
「改めまして、紹介します。こちら、主人公の衛宮士郎くんです!」
「誕生日は不明、167センチ、筋肉めっちゃあるけど58キロ、特技はガラクタいじりと家庭料理、好きなものは家庭料理で嫌いなものは梅昆布茶、穂群原学園のブラウニーだよ! 実直で頑固だけど冷静かつ熱い男の子だよ!」
「この人一話目に出てなかったんだけど、どういうことですかおじさん」
「一応出てたでしょ。君の目はタピオカなの?」
「士郎くんは一話目に出てた眼鏡のイケメン生徒会長と友達だよ。ついでにわかめである慎二くんとも友達だ。生徒会長に頼まれて、学校の備品直したり、色々助っ人をしているみたい。だから穂群原のブラウニーなんだね!」
「タピオカはそんなに好きじゃないよ。いい人なんだねー! 彼も魔術師なの?」
「あーそこらへんはねえ。複雑なんだよねえ」
「複雑!? イエスかノーかしかないでしょ!?」
「まず生い立ちから説明したほうがいいね。もともと彼は一般家庭の子供だったんだ。だけど、十年前の災害で両親が死んじゃって、魔術を知っている衛宮切嗣に引きとられるよ」
「最初は教える気がなかったんだけど、あんまりにも士郎くんが習いたいと頼み込んでくるから、養父さんも折れて軽く教えていたんだ。でもその養父ももう五年前に亡くなっているよ。あんまり習ってないしちゃんとも習ってないから、魔術師というにはレベルが低いんだ」
「重い!!! この子も天涯孤独かよ!」
「あれ、十年前って」
「こんなので重いとか言ってたら、衛宮士郎くんに押しつぶされるよ」
「えええこわい! ねえねえ、十年前ってさ」
「ところで士郎くんは正義の味方になりたい子なんだよ」
「シカトだ!!」
「せ、正義の味方?」
「そう、正義の味方。しかも士郎くんは、本当に皆を救いたいんだ。でも全部を救ってのは難しいんだよね。どうしたってこぼれてしまうものがあるし、対立しているものを助ければ対立していたものが助からない」
「でも士郎くんは誓うんだ。正義の味方になると」
「神様に?」
「災害の日、死にかけていた士郎くんを助けてくれて、引きとってくれた養父に」
「あ! あーあーあー!」
「ところでたかしくんは、サバイバーズギルトって知ってるかな」
「戦争や災害、事故、事件、虐待などに遭いながら、奇跡的に生還を遂げた人が、周りの人々が亡くなったのに自分が助かったことに対して、しばしば感じる罪悪感のこと!! うわあー! やっぱり!!」
「っていうかさ! 聞きたいんだけどさ! 十年前って聖杯戦争があったよね!? 凛ちゃんのパパさんが出てたやつ!」
「君は本当にウィキペディアだね」
「またシカト!!!」
「地獄を見た」
「士郎くんは、地獄を見たんだ。何もかもが等しく焼け落ちる中、悲鳴も助けを呼ぶ声も熱の中で士郎くんを求めていたのに、当時七歳だったこどもの手は小さすぎて救えなくて、ズタボロな体じゃ歩くのが精いっぱいで」
「地獄では、死んでいる命こそが、正しい人間の姿にさえ思えた」
「そんな中、自分が一人助かって、助けられて」
「やめてやめてそんなことない助かってよかったんだよそんなことないんだよ」
「助けてくれた養父が、とても輝いて見えて、こうなれたらいいなと思って」
「養父は、衛宮切嗣は、正義の味方になりたかったというのです。でもね、正義の味方になるのはとても難しいことなんだ。それに僕は、気付いてしまったから、諦めたんだよ」
「しょうがないな。じゃあ、俺が」
「ひあーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!」
「重い! すさまじい!! 押しつぶされた!」
「士郎という本来は息をしているだけでも苦しいような人間が、どうにかして人前で笑顔を作ろうとしているというのが根幹にある。それがFateです」
「つらーーーーーーーーーーーーーーい!!」
「災害を経て、士郎くんは生き残ってしまった罪悪感が膨らみすぎて、自分を勘定に入れずに行動をとってしまう、サバイバーズギルトの塊なんだ。彼にとって人を助け、助かったという事実が対価なんだよ」
「あの日切嗣くんに助けられた命は、無駄に散らせるものでなく、誰かを救う為のものだと思っているんだよ」
「だからといって無感情なわけじゃなくて、美人に弱いし同級生と馬鹿やるし、普通の高校生な一面も持っているいい子だよ」
衛宮士郎くんと遠坂凛ちゃん
「つらい。つらい」
「戻ってきてたかしくん。大丈夫だから。ストーリー重ねていくごとに士郎くんにも感情が芽生えるから」
「さて、前回、凛ちゃんの話のときに、凛ちゃんが主人公って言ったの覚えてるかな?」
「うん。ヒロインっぽくないって言ってたよね」
「おじさんのイメージになるんだけどね。凛ちゃんは全てを知っている系主人公なんだ。で、士郎くんは読者寄りの、知らないことが多い系主人公」
「んん? 主人公に違いがあるの? 一つの作品に主人公が二人?」
「ドラ○○んとのび○」
「あー」
「ドラは道具と未来に関してよく知っている。のびはドラが道具を出せて未来から来たことは知ってるけど、道具の全容は知らない。そんな感じ」
「凛ちゃんは聖杯戦争と魔術に関してよく知っている。士郎くんは魔術があるということは知っているし、今回のことで聖杯戦争の存在は知ったけど全容は知らない。そんな感じ」
「だから読者寄りなんだね」
「××ー! ってものが出て来て、え? ××って何? って読者が思うと同時に、士郎くんも疑問に思ってくれるんだ。それで凛ちゃんが説明してくれる。助かるー」
衛宮士郎のサーバント
「セイバーちゃんです」
「可愛い」
「鎧を着てるってことは騎士? ジャンヌダルクかな。でも見えない何かを持っていたし、そんなのジャンヌダルクの逸話にないし……誰だろう」
「美味しいご飯大好きセイバーちゃんです」
「はーん。答えないスタイル。おk。把握した」
「ところでたかしくん。彼女はスーパーサイヤ人です」
「アッハイ」
「サーバントは戦闘機。だっけ」
「そうです。戦闘機です」
「加えて英霊、幽霊なので、怪我しても死んでも別に問題ないです。だって幽霊だもん。もう死んでいるようなものです。なので、彼女が危険な目にあってもほっといてね」
「えっえっ」
「大丈夫大丈夫! スーパーサイヤ人だし! 幽霊だから! もう死んじゃってるから! ほっといて任せちゃって大丈夫だよ!」
「えー! ちょっと待ってよ! そんなの無理だよ!」
「死んでるから大丈夫なんて思えないよ! 無理無理! そりゃあんなふうに飛び出してきたもん。凄い強いかもだけど、そうやって割り切れないよ!」
「はいその気持ち!」
「え」
「士郎くんはそんな気持ちです!」
「ああー! 成程ね! うわあー」
「大変だ……士郎くんとセイバーさん、多分凛ちゃんの間にも溝がある」
「加えて士郎くんは先のサバイバーズギルトで、助けることこそが呼吸になっているからね。自分の命を使って誰かを救えるなら、喜んで首もくくれる子だから、最初は大波乱です」
「アニメはそこらへんのどたばたすれ違いいざこざも一緒に、ハラハラして見てね」
「本当にハラハラしそうだなあ」
次回予告
「あーそれにしても、士郎くんの身の上つらい。彼が心から笑う未来が見えないんだけど」
「……そんなことないよ」
「確かに難しいことかもしれない。でもね、これはネタバレになってしまうかもだし、とても個人的な解釈になるんだけれども」
「ステイナイトという作品は、呼吸をするのもつらい士郎くんが、Fateルートで憧れの星を、UBWルートで理想の果てを、HFルートで恋する情緒を手に入れる話だと思うんだ。勿論、FateルートもUBWルートも確かに恋だけど、それぞれの色が違うんだ」
「彼が一歩一歩歩く道を、追う星を是非見守ってほしい。それがステイナイトで、彼の誓った理想がなんなのか、それを見詰め直していくのが今回のUBWだよ。是非、衛宮士郎くんを見守ってあげてね」
「はーい!」
「さて! 次回はモブに関してです!」
「この子とか!」
「この子とか!」
「ワカメ」
「この子とか!」
「この子たちとか!」
「この人とか!」
「について語ります!!」
「ランサー! 僕ランサーについて知りたいよおじさん!」
「この人、かっこいい!」
「わかった。じゃあランサーからね! そのあと順番に説明していくよ」
「そんなわけで次回! ドキ! 触れられないけどここって完全にマンモス校! 猿が教える登場人物だよ!」
「おったのしみに! まったねー!」
「うわあ、凛ちゃんの家と士郎くんの家で予想はついてたー!」
「まったねー!」
あとがき
こんにちわ。トトは普通に外れました。おじさんです。
間が空いて申し訳ありません。何を隠そうおじさんは衛宮士郎くんが大好きでして、今回のUBW、監督が衣装を沢山用意してくれて、そしてとても大事に彼を描いてくれて小躍りしております。
だからこそ、彼が難しいキャラクターであること、エロゲにあるまじき性格故に嫌われていたことをよく知っています。全年齢作品になっても、伝え方次第で衛宮士郎くんがまた嫌われてしまうのではないかとひやひやしていました。きちんと彼を入門編として、主人公として魅力的に語れたのか、とても不安です。
物語というのは、主人公を好いていなければ、それ自体も好きになれません。彼を語るのはとても難しく、とてもとても緊張しました。魅力が伝わっていれば幸いです。
型月沼は、ストーリーの深さとその中を走り抜けるキャラクターの深さが、全てを語る。
さて、眠い季節ですが、次回も頑張って更新していきたいです。変わらず生暖かい目で、猿を見守りください。土下座!
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