「ドラゴンクエスト ユア・ストーリー」がめちゃくちゃ酷評されてるのであえて初見で「ドラクエ5」をクリアしてから見に行く【後編】
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「ドラゴンクエスト ユア・ストーリー」がめちゃくちゃ酷評されてるのであえて初見で「ドラクエ5」をクリアしてから見に行く【後編】

2019-09-27 21:26
  • 25
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※注意


・この記事を読む前に前編その2
https://ch.nicovideo.jp/HTZTauau/blomaga/ar1814239)をご覧になって頂けるとよりこの記事を楽しめます
・このブログシリーズにはドラクエ5および映画「ドラゴンクエスト ユア・ストーリー」のネタバレが多分に含まれます
・今回の記事内容は実際にドラゴンクエスト5を50時間かけてクリアしたのちに「ドラゴンクエスト ユア・ストーリー」を見に行ったその感想になります

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うう~ん...釈然としない...












それがこの「ドラゴンクエスト ユア・ストーリー」を見た素直な感想でした





なぜ私がこんな感想を持ったのか、順を追って解説していきましょう





まず前提として、私はドラゴンクエスト5の主題は




『あなた自身の成長譚』







だと思っています(これは以前の記事でも近いことを書きましたね)



自分で色々な選択をすることで、目標や憧れに近づいていく


その中で別れや出会いを経験し、世界の不条理さをも知ってい


しかし、世界の不条理さを知りながらも


人のやさしさを知り、世界や人のすばらしさを再認識する



そんな『自分の思い出』として一生記憶に残る私自身の物語です





だからこそ私は、この映画にその感動や、それへの称賛が込められているべきだと思いました

逆に言えば、それさえ主軸においていれば、多少物語の改編やカットがあっても仕方ないと思っています


...さて、ここまでが映画を見る前の思いや感想です



そのうえで、なぜこの映画を観た感想が『釈然としない』になってしまったのかを解説していきましょう





まずこの映画の批評をするにあたって、良かった点を述べていきましょう

箇条書きにすると



・映像が美しく、戦闘などは素直にかっこよかった

・SEやBGMを効果的に使っていた

・物語的に面白くなる改変や掘り下げがいくつかあった

・尺の都合によるカットや改変も上手くまとめられていた...しかし


世間でめちゃくちゃに叩かれている映画でしたが、実は良かった点はすごく多いんですよね


では上から順にざっと解説していきましょう

まず映像についてですが、これに関しては流石の一言です

美しいキャラクターや背景
あとはモンスターの質感もよかった(特にスライムの透明感が好き)

そしてなにより戦闘!

疾走感や緊張感があるのはもちろんですが、呪文の描写がめっちゃいい!

物語の中で『バギマを使って敵の羽を攻撃する』と言うシーンがあるのですが

これによって敵の羽に傷が付き、バランスを失います

そのスキに勝負を決める、と言った

『もし現実で呪文が使えたらこう使う!』

と言った妄想を一つの形として映像にしてくれています



続いて音楽関連について

これもめちゃくちゃ頑張って使ってくれたな、って印象です

ドラクエのBGMが素晴らしいのは皆さん周知の事実だと思いますが、それと映像とが組み合わさるとこんなにカッコいいんだ...とBGMの良さを再確認しました

そして頑張っていたな~と特に思ったのがSE(効果音)です

ドラクエを象徴する音楽は、何も長いBGMだけではありません

『何かを発見した時』

『アイテムをゲットした時』

『仲間が加入した時』


などなど...個性豊かなSEが世界を彩っています

そんなSEが違和感なく映画に盛り込まれており、思わず頬がほころんでしまいます



そして改変

これは賛否両論あると思いますが、私は頑張って改変していると思いました

最後の決戦で『ヘンリー王子が駆け付けてくる』など思わず胸が熱くなりましたし

何より『フローラが主人公に本当の気持ちを察し、裏で暗躍する』と言った改変は、キャラの魅力をより深く掘り下げる改変と言えるのではないでしょうか(フローラ可愛かったな...)

ただ、原作をやらないとわからない改変もあるのでそこは注意が必要です



そして最後、尺の都合によるカットなどをかなり頑張っていた点です

先ほど述べた改変にも通じるのですが、どうしても尺の都合上カットや改変を多く行わなければいけません

しかし、このカットや改変をうまく合わせることで

『物語として違和感なく見進めることができるようにまとめている』

という点は確かな努力を感じました















...流石に露骨過ぎましたかね?

そうなんですよ、ここまで聞くと素晴らしい映画にも思える

ドラゴンクエスト ユア・ストーリー

そんな映画が酷評される理由のヒントがこの『カットや改変』に潜んでいました


実は『物語としては違和感なく話をまとめているカットや改変』

原作をプレイした後だと


「(あれ?ここカットするんだ...)」


と思うシーンが多々あります

「まあ尺都合上仕方ないよな」

と思いながら映画を見ていた私ですが

これは大きな間違いでした


そう、巷で言われている


『最後の10分』


を見たとき、私はすべてを理解したのです










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※注意


・ここからは映画、ゲーム共に根幹にかかわるネタバレが多く含まれます
・また、人によっては強い不快感を感じる可能性もあります
・以上をご理解いただいたうえで読み進めていただければ幸いです


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さあ、小便は済ませたか?神様にお祈りは?部屋の隅でガタガタ震えて命乞いする心の準備はOK?


















では

この映画の最暗部『最後の10分』について語っていきましょう


まずは、この『最後の10分』について端的に説明しましょう

実はこのドラゴンクエスト ユア・ストーリー...




















「全てVRゲームの出来事で、それを主人公が体験してるだけでした!!!」











『は...?』

ってなりますよね

私もそうなりました

もっと詳しく、物語に沿って説明していきます
(セリフ回しが実際言っていたものと異なる可能性がありますがご了承ください)


最終決戦を迎えた主人公一行ですが、何とかゲマを倒します

しかしゲマは最後の力を振り絞り、マーサの死体から力を吸い取りミルドラースを呼び寄せよせるための門を開こうとします

それを止めるべく、仲間たちの協力のもと、天空の剣を使い門を閉じることに成功します!

やった!これでハッピーエンド!!

と思ったのもつかの間

閉じたはずの門から明らかに世界観にそぐわないポリゴンの塔の様なものが飛び出してきます(マイクラの黒曜石で作った塔みたいなやつ)

そして、それと同時に

『主人公以外の世界の時間が止まります』

私はこの時点では「ミルドラース登場の演出かな?でもそれだったら止まった時間の中で動けるのは勇者である息子なんじゃないの...?」


とか思ってましたね

そして、その予想通りミルドラースが現れます


しかし、明らかに様子がおかしいです


もう明らかに見た目が違います、ゲマもゲーム版とは見た目が変わっているのですが、向こうははっきり元がわかるようなデザインでした


こっちは明らかに見た目がミルドラースのそれとは違います

今飛び出してきた塔と言い...世界観にそぐわないデザインです

そして、『ソレ』に向かって「お前はミルドラースか?」と尋ねる主人公

それに対し『ソレ』は


「そうです、しかし正しくはミルドラースのデータを借りたウイルスです」


と言い放ちました











はぁああああ~~~~~?????????



意味が分からん

ホント意味が分からん...

混乱してる私に向かってミルドラースは続けます

「この世界はゲームであったこと」

「主人公はそのプレイヤーであること」

「最初フローラに出会ったときの恋心も主人公が設定として付けたものであったこと」


そんなことを淡々と言いながら

天空の剣から始まり、この世界のあらゆるものを消していきます

そして「なぜこんなことをするんだ!」と叫ぶ主人公に向かってミルドラースは

「私を作った人物がこのゲームが嫌いで仕方なかった」

「だからすべてを消している」

そして

「もう大人になれ...」と


...書いてて辛くなってきた

とりあえずこの先の展開をざっと書きますと

その後「実はワクチンプログラムだったスライム」が助けに入り、このゲームへの気持ちを語りながらミルドラースを倒します

そして主人公は

「間もなくこの物語は終わる、だけどこの世界は確かに存在した、そして僕は...」





「勇者だったんだ」





と言って映画終了です


嘘だと思うでしょ?

これ全部マジなんですよ

そりゃ叩かれますよね...

こんなの演劇で演者が


『これからするお話しもあなたの思い出も、すべてニセモノだけどニセモノにはニセモノの良さがあるからね』

『それに原作とは違う展開にするから期待しててね』


って言わせてるのと同義ですからね

こんなのダメに決まってるでしょ

第一この映画は「ドラゴンクエストⅤと言う物語の映画化」ではなくて


「ドラゴンクエストⅤと言うRPGの映画化」

でしょ

物語以前にRPG(ロールプレイングゲーム)なんですよ


ロールプレイですよ???

つまり架空の世界のキャラになりきって、入り込んで遊ぶ作品の映画化なんですよ


それをこんなん絶対ダメに決まってますよね?

だからこそ実際にリアルタイムでゲームやって人はつらいだろうなぁ...って思います

しかも先ほど述べたように『原作やってるとより面白くなるポイントやわからないポイントがある』と言う点がさらに罪深い...

そこに注目して映画に入り込んだ人ほどつらいですからね...









ただね?

制作者のやりたかったことはすげえわかるんです

言ってることもそこまで間違っているわけじゃないし

伝えたかったこともすっごい良く伝わってくる

私も普段動画を制作している身なので、制作者側の気持ちになるとなんでこういうストーリーになったかが良く分かります




でもそれを原作のある映画でやっちゃダメでしょ



しかもさっき言った通りRPGでこんなこと




自分の伝えたい思いより作品が与えた体感や視聴者の気持ちを考えないとダメなわけです


ハッキリ言って完全に最後の10分は『制作者のエゴ』ですよ


まず、この映画の監督や脚本の方、原作をやってないらしいんですよ

でも、原作へのリスペクトを感じる部分も確かにありました

これは予想なんですけど、おそらく

「ゲーム制作陣から話を聞いて映画を作った」

のではないでしょうか


この作り方、間違いではないんですが正解でもないんです


だって、この映画を見るのは我々『ゲームプレイヤー』なんですよ

だったら本当は『ゲームをプレイして感じた感動』を映画に落とし込まないといけないわけじゃないですか?

でも実際にゲームをプレイはしてない

だから制作者に内容聞きかじって上辺をなぞる作り方になったんだと思います

それで微妙な違和感があったんですね

だってターゲットと言うか、視点が視聴者を向いてないんだもん


この向く方向の間違いが全体のズレを作り

それが視聴者の釈然としない思いを生み

結果としてこの大不評につながったんだと思います


今回の教訓として

『誰のためにどんな物語を作りどんな思いをしてほしいか』

これがはっきりしていない作品は少なくとも原作アリではやってはいけない

という事がハッキリわかりました

なので総評としては



『最後の10分までは良い映画だった、そのあとは思い入れが深いほど見てて辛くなる。そして見てもらいたい相手の気持ちを考えない作品は他がどんなに良くっても失敗するという教訓を与えてくれる映画』



って感じで今回の企画を締めさせていただきたいと思います

長いレビューや生放送でしたが最後までお付き合いいただいた方々は本当にありがとうございました。



【一連の記事まとめ】

前置き https://ch.nicovideo.jp/HTZTauau/blomaga/ar1813821

前編その1 https://ch.nicovideo.jp/HTZTauau/blomaga/ar1814026

前編その2https://ch.nicovideo.jp/HTZTauau/blomaga/ar1814239

後編 ここ

(その他ブロマガでやってほしい企画やゲームがありましたらコメントでご意見ください)
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ソレをどや顔の説教面で提示されたのではちょっと、思い出補正抜きでも良い作品とは言いがたい
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ゲームオタクじゃない(ドラクエ1と2はやった)映画好きの爺と婆が全く予備知識なしに観たけど 素直に面白く良くできた映画でした…
元のドラクエ5のゲームの事は一ミリも知らないけど 娯楽である映画にゲーム感がどうのこうの文句言ってる連中の言ってる意味が理解できん(笑)
4週間前
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これはドラクエ5の映画ではないと思う。この映画は子供の時にドラクエ(特にドラクエ5)をプレイしていた人の映画であり、視聴者ターゲットも同様にドラクエ(特にドラクエ5)をプレイしてた人達だと思う。映画の宣伝からして間違っていたと思う。ドラクエ5の映画として宣伝してるように見えるので最後が叩かれる。プレイしていた人達に「懐かしいな~。子供の時どハマりしてたな~。」と思わす程度の見せ方にしとかないと勘違いされる。この映画は懐かしいと思わせるにはかなり効果があったと思う。映画を見る前にブログ主のようにプレイする者もいれば、私のように観終わった後でプレイしている者もいる。影響力大である。宣伝方法や内容があと少し違う形で世に出ていたらもしかしたら世間からも評価の高い映画になっていたかもしれないと思うと残念だ。
4週間前
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