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あの世界への逃避行  伝説となった兄弟
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あの世界への逃避行  伝説となった兄弟

2005-12-14 00:00
    冬の朝は、起きるが億劫だ。
    でも今日は、とりわけ億劫だった。
    僕の目の前に、妖精がいたからだ。 
    僕の目の前に、妖精がいたのです。

    (なんだなんだ、このシュールな展開はなんだ?)

    と僕は思った。

    「おはよう! 私は『ゲームの精』よ。 今日はあなたを、素敵なゲームの世界へ招待するわ」

    めちゃくちゃマイナーでピンポイントな妖精が現れた。
    僕は、昨日、放心状態で黒魔法の練習をしたことを後悔した。
    しょうがないなあと思い、僕は意を決した。

    「本当に連れて行ってくれるなら、連れて行ってもらおうじゃないか。こんな汚らわしくも俗な世界から、僕を逃がしてくれよ」
    「気持ち悪いわね。まあいいわ。さあ行くわよ。レッツゴー。ノーブラジャー!!!」

    こんな具合に、僕は今日、ゲームの世界へ行きました。


    「わあ! すごい。本当に別の世界に来たみたいだ。ねえ妖精さん。ここはどんなゲームの世界なの?」
    「ここは『スーパーマリオ』の世界なのよ。驚いたでしょう。あっ、見なさいクソ野郎!クリボーよ。クリボーがこっちに向かってくるわ!」
    「お、大きいなあ! クリボーってこんなにも大きいんだ。10メートルくらいあるんじゃないの?」
    「そうね、高さで言うなら、えなりかずき×8ってところね」
    「へぇ、実物は迫力あるなあ……。いや、まてよ……なぜ、えなりかずきを基準に???」
    「あっ言わんこっちゃない!!ほら凝視しなさいクソ野郎! 主人公のお出ましよ!あれが噂に名高いマリオさんよ!!」
    「うわー、感激だなー。まさかこの目で本物のマリオを拝めるなんて。あれ? でも変だよ。 あのマリオ、Tシャツ着てるよ。いつものつなぎはどうしたの?」
    「マリオだって、おしゃれしたいのよ。真赤なつなぎが似合うのは、シャアだけなのよ」
    「そ、そうなんだ……。あっ、やっぱり変だよ妖精さん!!あのマリオ、Tシャツしか着てないよ!!下半身丸出しだよ!! うわ、こりゃ酷い!!!」
    「何も知らないのね坊や。マリオは冒険モノのゲームなのよ」
    「いや! そういう意味の冒険じゃないよ絶対!!」
    「そうこうしている内に、ついにルイージのお出ましよ。さあ、目を見開いてみることね」
    「わっ、本当だ。ルイージだ。凄いなあ!ん……、やっぱりTシャツを着ているんだ……うわっ! なんてこった!!ルイージまで下半身丸出しだよ!!なんなんだよこの変態ブラザーズは!!」
    「全く、あの子達ったら……本当に冒険が好きなのね、ウフフ。さすが、『スーパー丸汚ブラザーズ』!!」
    「だからそういう冒険じゃないよ!! 夢壊れるよ!!」
    「うるさいわね。滅ぼすわよ。あら、どうやらピーチ姫も来たようね。一度御覧なさいな。絶世の美女とは彼女のことを言うのよ」
    「熟女だよ!! ねえ、あのピーチ姫、熟女だよ!!」
    「なんて失礼なことを言うの!いい? それはあなたの主観的な思い込みよ。女性の年齢というのは、外見とは関係ないものよ。仮にあなた以外の人間が、彼女を熟女とよぶなら仕方ないけど。ちなみに、私にも彼女が熟女に見えるけど」
    「じゃぁ熟女じゃないか!!」
    「本当にうるさいリトルブラザーね。 ほら、遂に真打登場よ。見て御覧なさい。 あれが木梨憲武よ」
    「なんでノリさんがいるの!?」
    木梨「つまり、私という人格は元から存在しない。何故ならば、私がタイムスリップして過去の私を滅ぼしたことにより、その過去が今まさに未来を食い荒らそうとしているわけだ。ここいいる私は、じきに淘汰される。そう、記憶の残骸に過ぎない……。しかし、私は皆の記憶の中で生き続ける。永遠にだよ……」

    こ、こえーーー!!
    なんだよこの変態ワールドは!!
    誰一人まともな奴いないじゃないか!!

    「ねえ妖精さん。 僕はもう満足だよ。こんな世界はこりごりだ。はやくおうちに帰してよ」
    「そう、仕方ないわね。じゃあ、帰るわよ。レッツゴー!! ノーパンツー!!」

    こうして、僕は現実の世界へと帰還した。
    まるで夢だった。
    でも、夢でないことは確かだろう。
    だって、あれほど生々しい記憶が残るはずがないんだもの。

    僕は着替えを済まそうと思い、ベッドから降りた。
    そこに、一つの気配。
    ゲームの精か、と思ったが、違う。
    彼女はこんな禍々しい気配をしていない。
    では、一体この気配はなんだ。

    「私が如何してこんな恰好をしているというとな……」

    背後で低い声。
    くつくつと哂い、声は続く。

    「このスリルが堪らんのだよ。解るだろ、君も……」
    「ま、マリオ!!!」

    ついて来られた。 


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