アニメの定額有料配信サイトの可能性
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アニメの定額有料配信サイトの可能性

2016-07-03 10:33
     前回の記事 「新しい時代のアニメの商売のあり方」では、とても基本的なことしか話さなかったので、今回はもっと深くつっこんで見ていきましょう。

              *

     まず最初に、なぜ今のままの商売のやり方ではダメなのか?

     アニメの売り上げ資料などを眺めていると、実は円盤の売り上げというのは、そんなに落ちてないんですよね。4~5年前に1度落ちて、あとは横ばい状態。
    「それなりにうまくいっている方法を変える必要があるのか?」という疑問は、誰もが抱くと思います。


     実はこれ、年間に作られているアニメの本数が増えているのです。
     作られている数は増えているのに、売り上げは横ばい。つまり、1本あたりの販売額は減っているということになります。もちろん、利益も減っているはず。赤字になっている作品も多いでしょう。
     これは、かなりマズイ事態なのではないかと。


     もう1つには、「今はいいけど、将来も安泰とは限らない」ということです。
     前回までに説明した通り、現在のアニメ業界を支えている円盤商法は、人々の善意に頼ったやり方です。しかも、一部のアニメファンの負担が大きすぎる。
     これは、何かあった時に大変なことになります。
     たとえば、世の中が不況になって、ブルーレイやDVDを買いたくてもお金がなくて買えなくなる。そうなったら、アニメ業界が一気に全滅の危機に瀕してしてしまいます。

     そうなる前に手を打っておかないと!

     毎月500円や1000円程度の支出ならば、不況になったとしても「むしろ、お金がかからず楽しめる効率のよい娯楽だ」と受け入れられるでしょう。
     逆に不況になれば、他のお金がかかる趣味をやめてアニメに流れてくる可能性だってあります。


     そんなわけで、早めに転換して、新しい商売を主軸にしておいた方が得だということになります。

             *

     次に、アニメの定額有料サイトの欠点を考えていきましょう。

     まずは当然のことながら、これまで無料で見ていたアニメにお金を払わなければいけないということです。
     しばらくは、テレビでの放送も続くでしょうし、ネットでの無料配信もあるでしょう。
     けれども、アニメの有料配信サービスが主流になった時、これらがなくなってしまう可能性もあります。
     わずか500円やそこらとはいえ、毎月お金を払わなければならなくなってしまうのです。
    「なんだよ!これまでただで見れたから見てやってたけど、金かかるんだったら見てやらないよ!」という層も現われるでしょう。


     それから、「お金を払わなければいけないサービスが1つではないかもしれない」ということです。
     これ、どういうことかというと…
     自分が見たいアニメが、加入しているサービスで配信されていないという事態になることがあるということです。


     たとえば、dアニメストアに加入して、毎月400円ちょっと支払っていたとします。
     ところが、来期のアニメで「ど~しても見たい!」という作品がアマゾンプライムでしか配信されない。この場合、両方のサービスに入ってお金を払わなければならなくなります。
     これは、Netflix (ネットフリックス) でもHulu(フールー)でも起こる可能性があります。もちろん、もっと別のアニメ配信サイトが現われて、強烈なコンテンツを打ち出してくるかもしれません。


     その場合、いくつものサービスに加入しなければならず、毎月結構な額になってしまうでしょう。
     500円や1000円では済まず、2000~3000円くらいにはなるかも?


             *


     そこまで考えたとしても、やはりアニメの定額有料配信サイトには利があると思います。
     そもそも無料でアニメを見ることができていた事態が異常なわけで、広く浅く多くの人からお金を取るというやり方は、理想的なやり方に近いと思います。
     みんなにちょっとずつ負担してもらうことでアニメ業界全体が安定するならば、それは良いことでしょう(しかも、無料放送が完全になくなるということはないはず。ただ、今までよりは見れる作品が減ったり、見れる時期が遅れるだけで)


     これまでは作り手側に「まず、利益を確保しなければいけない」という考えが先に立って、現在の視聴者に受け入れられづらいアニメや、実験的な作品が作られづらいという状況にありました。
     それが、最低限の収入が確保できるということになれば、もっと冒険できるようになるはずです!

     それって視聴者にとってもありがたいことだと思うんですよね。だって、これまでになかったいろんなアニメが見れるようになるのだもの。

     もしかしたら、これまでのようなエンターテインメント作品だけでなく、もっと芸術的な作品も飛び出してくるかも?今後、何百年にも渡って残り続ける素晴らしい作品が、アニメ業界から登場するかもしれないわけです。
     もちろん、そういう作品はこれまでにもあったでしょうが、もっともっと数が増えるということです!


     長くなったので、また次の記事に続きます。

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