「ブブキ・ブランキ 星の巨人」第17話感想-2(アニメ)
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「ブブキ・ブランキ 星の巨人」第17話感想-2(アニメ)

2016-11-02 18:09

     前回の記事では書き足らなかったので、今回も続けて「ブブキ・ブランキ 星の巨人」第17話の感想です。

     重点的に見ていきたいのは、ラスト近辺でレオコ様が塔の上から飛び降りるシーンです。
     アレだけ気丈に振る舞っていたレオコ様が、実は死を望んでいた。そして、「今ならきっと死ぬことができる」とか言い出すわけです。
     ここまではいいんです。「心のどこかで、そういう思いもあったんだろうな。レオコ様の心理がより複雑に描けているな」と感じられる。
     ところが、この直後に実際に塔の上から身を投げ出して自殺をはかるわけです。


     これ、最初見た時「え?」と思ったんですよね。
    「レオコ様の性格からして、そんな行動取るかな~?」って。「他にやるべきコトが山ほどあるんだから、個人の感情は置いておいてそっちを優先するんじゃないかな~?」と。これは脚本上のミスじゃないかと思ったわけです。

     でも、これ逆だったのかも。
     普通の人の感覚としては、「この人はこういう行動原理に基づいて動いてるから、決してこのような行動は取らないだろう」って考えてしまいがちなんだけど…
     実は、それってキャラクターをまだまだパターン化して見てしまっていて。心のどこかで「しょせん、アニメの中のキャラクターだから」とたかをくくっている。
     ところが、そのアニメの中のキャラクターが予想外の行動を取ってしまう。こっちの方が、現実の人間に近い。「その矛盾してる所が、人間臭いんだなぁ」と。つまり、レオコ様は既にアニメの1キャラクターではなくて、現実の人間に近い存在になってしまっているんじゃないかな、と。


     中身は40歳のはずなのに、「あ、今なら死ねるんだ!ここがチャンスなんだ!じゃあ、死んじゃおう!」ってメンヘラ少女みたいな行動を取ってしまう。
     信じてくれている周りの人たちの思いとか、国を守るとかブランキを絶滅させるといった大いなる目的よりも、個人的な願望を優先してしまうっていう。そういう意味では、レティシアちゃんと同じなわけです。

     たとえば、第12話で、監禁されていたレオコ様が檻から出されて、かつての仲間たちに会うシーンがあるんだけど…
     そこでも「自分だけ年を取っていなくて、恥ずかしい。だから、こんな姿の私を笑わないで」とか言い出すわけです。これって、凄く少女っぽい発想で。それから16年も経っているのに、いまだにそういう少女みたいな思いを持ち合わせているっていう。
     そういう部分が、凄く人間臭い。こっちの方が凄いし、より高度な脚本なのではないかと思うわけです。普通の脚本家だと、まず書けません。

             *

     それから、そのあとのシーン。
     レオコ様を助けたアズマが「2度とあんなコトをするな。死ねるから死ぬなんて、そんなコト!」と、命令するわけです。
     実年齢からするとレオコ様の方が遥かに上のはずなんだけど、アズマの方が上から物を言っていて。まるで、年下の女性を引っ張っていく理想の男性像みたいな感じで描かれていて。年齢差を感じさせない。対等な関係か、むしろアズマの方が年上に見えるっていう。アレだけ高圧的な態度をとってるレオコ様をリードしてあがられる。カップルとしても、凄くバランスが取れている。
     このシーンを見ると、「あ、やっぱりこれは、主人公アズマとレオコ様の恋愛物語なんだな」とわかるわけです。

             *

     あと、細かい部分だと…
     その直後。疲労困憊したアズマがグルグル回って倒れ込む。
     ここ、アニメーターさん渾身の仕事!

     それと…
     レオコ様にひざまくらをしてもらって、すやすや眠って寝息を立てて眠る所。
     これも凄い!背中の部分が上下に動いていて、ほんとに寝息を立てて寝てるみたいだもの。それこそ、止め絵で終わらせてもよさそうなカットなのに、ちゃんと細かい部分まで作り込んであって頭が下がります。

     さらに、その前後のカット。
     自分のひざの上に倒れ込んだアズマの姿を見て、何ごとか声をかけようとしてやめるレオコ様。ここで、先ほどまでに比べて表情がおだやかになっているわけです。かすかに笑っているようにすら見える。
     この辺の細かい表情のつけ方が、実に上手いな~と思います。

             *

     今後の見どころとしては…
     レオコ様はアズマのことを、いつも“ミギワの息子”っていう呼び方をしてて。名前で呼ぼうとしていない。あまり人間扱いしてこなかったわけです。これを、名前で呼んだ瞬間、ほんとにアズマのことを受け入れた時なんだろうなと。
     それが、どのタイミングで来るのか非常に楽しみです。



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