「モンスターストライク THE MOVIE ソラノカナタ」は、実は大人の恋愛を描いた傑作なのではないだろうか?(ネタバレあり)
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「モンスターストライク THE MOVIE ソラノカナタ」は、実は大人の恋愛を描いた傑作なのではないだろうか?(ネタバレあり)

2018-10-06 20:16
    「モンスターストライク THE MOVIE ソラノカナタ」(以下、ソラノカナタ)という映画を見に行ってきました。

    最初に言っておきますけど、記事の性質上どうしてもネタバレが含まれてしまいます。
    ネタバレが怖い方は、先に劇場版を見ておいてください。

    それと、YouTubeで公開されている「モンストアニメ」の1期・2期の話題にも触れます。
    必要な方は、そちらも見ておいてください(かなり長いけどね)

             *

    では、始めます。

    まず最初に「ソラノカナタ」という作品は、普通に見たら「???」みたいな感想になりがちな映画です。
    なぜかというと、これまでにYouTubeで配信されてきたモンストアニメとあまり関係のないストーリーだからです。

    「ソラノカナタ」は、一応モンストアニメの1期・2期の続きであり、設定的にも同じものが引き継がれています(現在配信中の3期はストーリー的に全く別物)

    ところが、登場キャラクターは一新され、ストーリーの大部分は新キャラで埋められています。
    申し訳程度にYouTube版のキャラクターも登場しますが、あくまで補助的な役割でありメインは「カナタ」「ソラ」「トウヤ」「ユウナ」といった劇場版オリジナルキャラ。そして、敵役の「センジュ」「ラゴラ」となります。

    なので、YouTube版のモンストアニメに思い入れのある人からすると「はあ?」という感じになっちゃうんですよね。
    1つの劇場アニメとしてはなかなかよくできているのですが、これまでの歴史とか流れとあまり関係のないストーリーなので、旧来のファンからすると感情移入しづらい作りになっているわけです。

    さらに言えば、主人公であるカナタの母親は出てくるのですが、父親の話が全く出てこない。
    劇中でカナタの母親はマナだと明言され、ストーリーもここを中心に進んで行きます。
    で、視聴者としては当然「父親はレンなんじゃないの?」と思いながら見続けるのですが、誰も父親の話をしない。それどころか、写真にも写っていない。「マナとカナタとおばあちゃんの3人で写っている写真」は登場するのに、肝心の父親の姿がない。

    モンスターである坂本龍馬も登場しますが、あれだけレンと仲の良かった龍馬すら全くレンの話をしない。
    信じられないくらい誰もその話題に触れようとしないのです。ここまでくると「わざと語らないようにしているのでは?」と疑いたくなるくらいに。

    なので、ヘイヨーさんも「ソラノカナタ」を見た直後は「映像的には良かったけど、ストーリー的にはイマイチかな…」くらいの感想でした。

    ところが、時間を置いてじっくり考えるに従って「そうではないのでは?」という気になってきました。

             *

    ここからが本題です。

    レンについては劇中で全く語られず画面にも登場していなかったと思いがちですが、実はずっと登場し続けていたのでは?
    別の名前、別の姿をして。

    その名は「センジュ」
    そう!今回の映画で最大の敵です。

    そう考えると、いろいろとつじつまが合います。

    たとえば、ラゴラというキャラクター。
    センジュと結婚したがってるモンスターです。
    なんかおかしくないですか?
    「モンスターがモンスターと結婚したい!」なんて。

    いや、モンスター同士も子供を産むようなので厳密に言えば不自然ではないかもしれませんが「この短い劇場版にそんな話を入れようとするかな~?」とか「“結婚する”なんて単語を使うかな~?」とかなんとなく違和感が残ります。

    でも、このラゴラというキャラクターも元は人間だったと考えるとどうでしょう?
    これまでのシリーズでレンと結婚したがっていた人がいましたよね?
    明確に「結婚したい!」というセリフは登場していなかったかもしれませんが、明らかに恋愛感情を持っていた女性が。

    そう!葵です!
    モンストアニメの1期で明らかにレンに対して恋愛感情を抱いていた。そういう意味では“ヒロイン”と言ってもいいでしょう。
    劇場版第1作「モンスターストライク THE MOVIE はじまりの場所へ」でも、そのような表現があったと記憶しています。
    葵は子供の頃からレンのことが好きだったんです。

    それが2期では、マナとかいうポッと出のキャラクターにヒロインの座を奪われてしまいました。
    明らかに2期ではレンとマナが王子様とお姫様の関係。葵はその様子を遠くから見つめるポジション。これに嫉妬しないわけがないんです!

    それどころか、ケガレの正体すらここにあるのかもしれません。
    葵が長年抱き続けてきたレンへの想い。それが成就できないと知った時、嫉妬という負の感情となって、さらにケガレとして具現化したわけです。

    ラゴラの姿を見てください。どことなく葵に似てません?
    センジュの方は髪の毛の色も全然違うので、レンが大人になった姿とは想像しづらいですが、ストレスか何かで髪の毛が白くなっちゃったのかもしれないし。モンスター化する時に姿が変わった可能性もあります。

    あるいは、制作側の意図で視聴者にバレないように髪の毛の色を変更したのかも?
    それで声優さんも変えてしまったのでは?

    さらに言えば、劇場版1作目に登場した「ゲノム」というキャラもセンジュと同じ山ちゃん(山寺宏一さん)が声優をやっています。
    そう考えると、センジュがゲノムになったと考えるのが自然ではないでしょうか?

    いずれにしても…
    センジュ=レン
    ラゴラ=葵
    という説をヘイヨーさんは提唱します。

             *

    ここまで考えれば、今回の映画で語られなかったバックストーリーが見えてきます。

    レンとマナが結婚
      ↓
    カナタが生まれる
      ↓
    葵の嫉妬が頂点に達する
      ↓
    ケガレが生まれる。
      ↓
    ケガレが東京を中心に世界を飲み込み始める
      ↓
    マナがケガレを止めるために東京の3分の1を宙に浮かせて封じ込める(以下、劇場版のストーリー)

    そうして、レンはセンジュとなりケガレを自分の一部として取り込みました。
    なぜそんなことをしたかというと、劇場版で語られていたように「モンスターたちを自分の世界に帰してやるため」です。そうして、最後は自分がこちらの世界に残って、向こうの世界への穴を封じて2度と誰も行けないようにする。
    レンは、自分の子供や妻よりもモンスターたちの幸せを重視したわけです。

    つまり、この映画は「レンの究極の自己犠牲を描いた映画」だったとも言えます。
    葵は当然レンの側(つまり解放戦線)につき、明はレンと対立する道を選びカナタを守る決意をしました。
    レンのモンスターであった龍馬も、レンと対立するという選択をし、今回の劇場版の冒頭へと続いていくわけです。

             *

    もう1つ。
    この構図を別の角度から見てみましょう。マナから見た視点です。

    マナの結婚相手であるレンは家を捨てて、葵と共に行動してしまいました。
    これって簡単に言えば、不倫じゃないですか?

    だから、家に飾ってあった集合写真にもレンの姿が写っていなかった。
    自分や子供を捨てて他の女と出ていった男の写真など飾りたくない。それで「マナとカナタとおばあちゃんの3人で写っている写真」しかなかったというわけです。

    そう!
    これは子供向けのアニメに見せかけて、実は昼ドラも真っ青のドロドロの大人の恋愛を描いた作品だったのです!

             *

    そう考えると、しっくりとくることがいくつもあります。

    たとえば、「ソラノカナタ」の終盤でマナがセンジュに向かってこのようなセリフを吐きます。
    「かつては共に戦った仲なのに、どうしてこんなことになってしまったの?」(うろおぼえなので正確には別のセリフだったかもしれませんが、内容的にはおおむねこんな感じのセリフだったはず)

    あるいは、ラゴラが倒されて石化する寸前に「私はモンスターたちの国に行ってあの人と結婚するのよ…」的なセリフもあります。

    それはレンの結婚相手であるマナのいない別世界に行って2人で幸せに暮らしたいという逃避行願望から来るものと考えられます(レンの方は、こちらの世界に残り自分を犠牲にして最後のひと仕事を終えようと考えていたわけですが…)

             *

    これらは、あくまで仮説にすぎません。
    しかし、「レン=センジュ」「葵=ラゴラ」と想像しながら見ると、微妙なデキだった「ソラノカナタ」という映画が途端に世紀の大傑作に思えてきます!

    みなさんも、この仮説を頭に入れながらもう1度劇場で「ソラノカナタ」を視聴し直してみてはいかがでしょうか?

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