「砂の女」(本)
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「砂の女」(本)

2013-10-21 22:40
     「罰がなければ、逃げるたのしみもない…」
     この一文から始まる小説。今回は、安部公房の「砂の女」です。


     安部公房という作家は、まともな小説を書く時と、わけのわからない作品を書く時とあるんだけど。この「砂の女」という小説は、かなりわかりやすい部類に入ると思います。

     あらすじとしては、こんな感じ。
     主人公の男性が、どこかの砂丘に昆虫採集に行くんだけど、そこでおかしな村の住人の捕らえられ、大きな砂の穴の中に落とされて、そこで生活しなければならなくなる。穴はとても深くて、到底脱出できそうにない。穴の中には家があって、そこには1人の女性が住んでいる。そうして、その女性と一緒に砂かきをしながら生きていくコトになるわけです。
     男は、何度も脱出を試みるんだけど、その度に邪魔が入り、失敗する。そして、ついに…

     途中から、ひたすら男の思考と脱出劇が続くんだけど、意外と飽きさせません。スラスラ読めてしまう。

     ヘイヨーさんが好きなのは、男が1人、頭の中で空想の人物を作り出し、自問自答する場面。
    「精神分裂症の人が100人に1人の割合で存在する。同性愛者が100人に1人。放火癖がある人も、詐欺の常習犯も、誇大妄想も、高所恐怖症も、先端恐怖症も、みんなみんな100人の1人の割合で存在する。この調子で、異常なケースを100個あげたとしたら?もちろん、それは可能だろうけれども。誰しも異常だってコトにはならないかい?」

     正常って何だろう?異常って何だろう?実は、誰しもどこかしら異常な部分を持ち合わせていて、それは当たり前のコトなのではないだろうか?と考えさせられるわけです。

     他にもいろいろと、見所はたくさんあるんだけど、そんなに読むのが難しい本ではないので、機会があれば手に取ってみるコトをお薦めします。
     安部公房の入門書としては、最適だと思うし。もし、これで気に入ったら、他のわけのわからない安部公房作品に触れてみるのもいいかも。

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