「真の芸術」(連載小説 ~第51話~)
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「真の芸術」(連載小説 ~第51話~)

2014-02-19 21:42

     福葉内雫(ふくはうちしずく)それが女性画家の名。みんなからは、“シズクさん”と呼ばれていた。
    「“真の芸術”って、何かわかる?」
     シズクさんのその問いに、レユレユは真剣に考えてから言った。
    「これまた難しい問題ですね」
    「そんなの簡単よ。いつまでも残り続けるものでしょ?」と、ソフィアが横から顔を出して答える。

    「そうね。そうとも言える。では、永遠に残り続けるものって何?そうなる為の作品の条件は?」
     さらに、女性画家であるシズクさんが問いを続ける。
    「みんなが“いい”と思えば、残るんじゃないの」と、ソフィア。その言い方は、結構軽い。
    「でも、その良さというものは時代によって変わるわ。人の心は移ろいやすい。その時は良いと思っても、時間が経ってあらためて見直してみると、色あせて見えたりもする。まして、1人の人間だけではなく、世界に認められようと思ったら、なおさらよ。世界にも流行廃りがあるの」

    「では、何なんですか?その真の芸術の条件というのは?」
     逆に問いかけたレユレユに対してシズクさんはキッパリと言い放つ。
    「恐怖よ」
    「恐怖!?」レユレユとソフィアが揃って声を上げる。

    「真の芸術にも様々なタイプがある。そこに共通しているのは、人々の心を揺さぶるコト。驚き・怒り・笑い・悲しみ…特に、私は恐怖だと思うの。その中でも人の心を最も揺さぶる感情というのは、恐怖だと思うのよ」
     そう持論を展開してから、シズクさんは自分の描いた絵を取り出して見せた。



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