「戸惑い」(連載小説 ~第83話~)
閉じる
閉じる

新しい記事を投稿しました。シェアして読者に伝えましょう

×

「戸惑い」(連載小説 ~第83話~)

2014-03-23 22:07

     雷鳴のような拍手を背に受けて控え室に戻ってきたレユレユに、ソフィアが駆け寄ってくる。
    「どうだった?」と尋ねるレユレユに対して、ソフィアは満面の笑みで答える。
    「よかったわよ!凄くよかった!!」
    「ありがとう」と、レユレユは冷静に一言。

    「レユレユ様、お疲れ様でした」と、参謀である若い男も声をかけてくる。
    「うん」と、レユレユは力強く1つ頷く。だが、その反面、心のどこかでは常に疑問を感じ続けてもいた。それは、今回の講演に限ったコトではない。ここの所、ずっとそうなのだった。

     レユレユは、1人になってから、ゆっくりと考え直す。本当にこれでよかったのだろうか?これが、僕の本当にやりたかったコト?望んでいた未来?
     確かに、世界はゆっくりとだが確実に大きな流れに巻き込まれようとしている。人々が油断している間に、着実に着実に悪い方向へと流れてしまっている。まるで、人体にゆっくりと遅効性の毒が回っていくように。そうして、それは変えなければならない世界の運命なのだ。そこで、僕は行動を起こした。協力してくれる人達も増えた。そこまではよかった。けれども、その先は…
     もしかしたら、これも夢なのではないだろうか?何度も、そう考えた。だが、そうではなかった。今回ばかりは、夢ではない。これは、実際に歩んでしまった人生。過ぎ去ってしまった過去の時間。
     レユレユは、数年前、世界の運命を変えようと決心した時のコトを思い出していた。

    広告
    コメントを書く
    コメントをするには、
    ログインして下さい。