「自らが敵とした存在に」(連載小説 ~第104話~)
閉じる
閉じる

新しい記事を投稿しました。シェアして読者に伝えましょう

×

「自らが敵とした存在に」(連載小説 ~第104話~)

2014-04-13 21:36

     世界の貧困化が進めば進む程、“世界自由教”の評判は上がっていった。1%の人々が、世界の半分の資産を手にするような時代、一般庶民が不満を抱かないわけがない。
     一生懸命まじめに働いたって、その多くは税金で奪われていく。ローンで家も購入しなければならないし、老後の為に貯蓄もしておかなければならない。それすらできない者も大勢いた。そこで、人はまじめに働こうと思うだろうか?たとえ思ったとして、実際に働き続けられるだろうか?

     結果的に言えば、レユレユの考えはズバリ的中した!そこに、八百条輝というブレインが加わるコトにより、その考えは現実のものとなった。しかし…だがしかし!それはレユレユの思っていた世界とは全然違っていた。むしろ、全く逆だった。

     莫大な資金が集まっていく教団。だが、レユレユは迷う。
    「これは僕のやりたかったコトじゃない。これでは、世界を破滅に導いている人々や企業と同じ」

     そう。皮肉な話だが、人々を救う為に世界を変えようとしたのに、自分が敵と認識していた存在に自分自身がなってしまっていたのだった。
     ほんの一握りの人間達が、世の中のほとんどの資産を手にし、動かしていく。レユレユは、それを敵だと考えていた。ところが、今現在、世界自由教には次から次へとお金が入ってきて、租税を回避し、まともに税金を払おうともしていない。これは、明らかにおかしい。
     レユレユには、それがわかっていた。わかっていながら、何も手が打てないでいた。


    広告
    コメントを書く
    コメントをするには、
    ログインして下さい。