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「世界を滅ぼそうとする者同士」(「伝説の悪魔」 ~第39話~)
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「世界を滅ぼそうとする者同士」(「伝説の悪魔」 ~第39話~)

2014-06-07 21:36

     どんなに能力を高めようとも、世界に認められるコトはなかった。それどころか、その能力の高さゆえ、誇りの高さゆえ、人々からやっかまれた。人々は、マディリスをうらやみ、嫉妬し、邪険に扱った。
     だから、世界を滅ぼしてしまおう。そう考えた。

     けれども、そう考え始めた時、仲間が増え始めた。“世界を敵”だと考える者同士は、味方になれるのである。
     皮肉な話である。世界を滅ぼそうとする気持ちが強くなればなる程、仲間が増えていく。同じような考えの者達が集まり、マディリスに賛同し、同調していく。

     ある者は、世界から外れた疎外感から。ある者は、さらなる力を得ようと。ある者は、ただ退屈だから、おもしろそうだからという理由のみで。
     魔術師・魔女・マッドサイエンティスト・破壊魔・狂戦士などなど。マディリスの周囲に集まってくるのは、世間から外れた者ばかり。自分の居場所を見つけられずに、悶々としていたり、そのまま消えていくはずだった者達。その運命を大きく変え、1つの大きなうねりとなってゆく。

     世界は、相変わらず平和を求め、安定を求める。だが、それは同時に衰退でもあった。人々が気づかずにゆっくりと衰退していく世界。マディリスは、そんな世界に一石を投じた。そうして、そこに変革をもたらす。
     あるいは、そんなものはいずれ訪れていたのかも知れない。何年か、何十年か後に、起こるべき変化・変革であったのかも。だが、今ここで、この時に起こったのは、そういう理由。1人の人間が、まるで磁石が金属を吸い寄せるかのように、他の人間達を吸い寄せた。世界からつまはじきにされた人間達を。能力はあれども、世間から疎外された者達を。あるいは、今現在は能力はなくとも、それを獲得しようという意志を持った者達を引き寄せた。
     それは、混沌とした空間を形成する。性格も能力も様々。玉石混合。そんな人間達が集まってくるのだ。意見の対立も頻繁に起こる。だが、たった1つ“世界を敵に回し、滅ぼす”という理由のみにおいては共通していた。その一点のみで、結束できた。 
     こうして、この世界の片隅で、1つの集団が息をし始める。


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