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第一次偶像戦争 【76】 [アマルテア ショウコ]
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第一次偶像戦争 【76】 [アマルテア ショウコ]

2017-03-24 22:00

     【アマルテア】(マツリ)

     「次の集合は十日後でしたよね?」
    遠く、遠く。海から陸へ。
    太陽を置いてきたから光の高さと強さはさっきまで居た戦場と一緒。
    それ以外は全く違う。
    潮風は木々を揺らすそよ風に。
    見渡す限り広がっていた海は、対岸の緑が見える湖に。
    昨日まで一緒に暮らしていた友人達は……。
     「だねー、それまでどうしよっか?」
    何をするかは決めていないけれど、何かをしたくてたまらないのか
    ユメルは喋りながらくるくると空中で回っていた。
     「どうするもこうするも、マツリはしばらく自主トレなのです。
      北斗の動きは予想外でしょうから
      事態が別の誰かによって動くまでは
      プレインズウォーカー自身が積極的に出るとは思えませんし
      今のうちに派手な練習をして力をつけておくのです。」
    トキコの見せた力。
    マツリ独りでは弾く事すら出来なかったと思われる舞さんの火球。
    互いに決め手を欠けていたスズホとの戦い。
    かぶのすけの成長も著しいですし、マツリもうかうかしていられないのです。
     「ルテアっちはマジメだね~。
      ユメルちゃんはどうしよっかな~。」
    北斗やキッカ、かぶのすけなんかには
    アマルテアの方の名で呼ばれても不快じゃ無いのに
    ユメルにアマルテアの方の名前で呼ばれると
    やはり若干……イラっとまではいかないけれど、引っかかりがあるのです。
    まぁ、言って聞くようなタイプじゃ無いですし
    他の方だと言い直させるぐらいイラっとはするので
    なんというか、ユメルの性格が問題なのでしょう。
    というか、ユメルにマツリ呼びされるとそれはそれでゾワっとするのです。
    何か気持ち悪いし、絶対に裏があるので。
     「そういやユメルの相手はアンズでしたね。
      勝ったのです?」
    ちょっと勝敗が創造できない。
    アンズの実力も謎が多いのですよね。ユメルの本気も分からないのですが。
     「ユメルちゃんが負ける訳ないじゃん。
      ……まぁでも、流石アンズちゃんって所かな。
      揺さぶりにも動じないし、精神侵入もちょっとね。」
    負けてはいないが勝ちでも無いという訳なのですね。
    悔しさが見えないのは、多分ユメルがそういう部分を隠すのが上手いから。
    ……でも正直アンズの相手をユメルがしてくれたのは助かりました。
    【黒】系スペルでの記憶読みや精神侵入も恐ろしいですが
    単純な会話もアンズ相手だと警戒しなければなりません。
    マツリ達は隠し事をしていた訳ですし
    会話の中で間を置かず言葉を選ぶ必要がありました。
    恐らくユメルもそこら辺を考えてアンズの相手を買って出たのでしょう。
     「今後を考えると誰かの夢に入って暗示でもかけときたいけど
      期間が空くからな~。
      ユメルちゃんがフリーになってるってのもすぐ伝わるだろうし
      最初から警戒されてるなら直前に強めの奴を入れた方がまだマシかな。」
    喋る時も考える時もユメルは空中を回転しながら漂うことを止めず。
     「ないとめあにも色々あるのですね。」
    マツリはあまり興味が無いですが
    ユメルにキッカに、北斗の眷属はそこら辺強い子が多いのですよね。
    かぶのすけもそちら側へ伸ばすようですし。
     「ん?ルテアっちも興味あったりするのかな?
      んじゃ、近場の誰かの夢でも覗きに行く?」
    ひっくり返った状態で止まったユメルはニヤリと笑って。
     「考えてはおきますが、今は遠慮しておくのです。」
     「つまんないのー!」
    また回り出すユメル。
    つまんないと言われても、物事には優先度があるのです
    それにあまり良い趣味とは言えませんし……。見てみたくはありますが。
    ……とにかく、マツリは今、もっと直接的な力が欲しいのです。
    火竜に対する耐性があるキラリを燃やし尽くす程の炎を
    この戦争の間に使えるようになりたいのです。
    だから、今すぐにでも……。
    目を瞑り、息を吐いて。
    思考や感情を洗い流して。
    【赤】
    マツリの魔力。
    もっと濃く。もっと強く。




     【ショウコ】

     「とっ……とりあえず……ここなら……大丈夫?」
    そこまで遠くは無いけれど
    コウメちゃんにあまり無理はさせられないし……。
     「……ショウコちゃん……ありがとう……。」
    呼吸は荒れてない。でも魔力が弱い。
    舞さんの炎に焼かれた訳だから、精神側への攻撃も入っていた筈。
    体力、魔力も心配だけれど、心はもっと……。
     「わっ……私どうしたらいい……?
      ……そっ……そうだコウメちゃん何か食べたいものとかある……?
      ……それとも……こっ……このまま居た方がいい……かな……?」
    コウメちゃんを独りには出来ないけれど
    私が居るだけで良くなるかも分からない。
    なら食事なりして気を紛らわせた方が……。
    フフッ……

    笑い声
     「……ショウコちゃん……心配しすぎ……。」
    コウメちゃんは笑っていた。
     「でっ……でも……。」
    コウメちゃんの浮かべた笑顔はいつもより力が無くて。
     「……私は平気……今ちょっと……つかれてるけれど……。」
    声。
    どんどん小さくなって。
    このままコウメちゃんが消えていきそうな気がして。
    隣に座っていたコウメちゃんの重さが、私の方へ。
     「コウメちゃ……。」
    音。
    息。
    寝……ちゃった?
    肩。
    服越しに感じるコウメちゃんの体温。
    繋いだ手とは違う温度。違う柔らかさ。
    私は少し考えた後、ベッドを出してそこにコウメちゃんを寝かせた。
    起きたら何か食べられるようにしておこう。
    キノコ……だけじゃダメだよね。
    私が生み出した子だと私の魔力が残るし……。
    ……コウメちゃんはそっちの方が好きかな?
    ……何かちょっと恥ずかしくなってきた。
    そういえば二人っきりで居ることはあっても
    食事とか何もかも全部をコウメちゃんと二人だけでというのは無かったな……。
    ……皆どうしてるだろう?
    ……北斗……姫様……。


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