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第一次偶像戦争 【208】 [三条ともみ]
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第一次偶像戦争 【208】 [三条ともみ]

2017-12-28 22:44

     「あら?二人も麗華の所に?」
    続々と集まってくる麗華の眷属達の中に、麗華の眷属ではない二人が居て。
     「はい!お世話になってます!」
    何の迷いも無くハッキリと答えてしまったアカネちゃんと
    腹をくくったかのようなスザク君。
    私達の前に出てくるっていう事はそうよね。覚悟ありきよね。
     「驚かないのね。」
     「そこら辺も話すつもりだから。
      ていうか、二人が居てくれて良かったわ。」
    アカネちゃんはいいとして、スザク君はあれで繊細な所があるのよね。
    隠れてたんじゃ、次に顔を合わす時に、スザク君だけギクシャクしそうだし
    小鳥さんのその後も気に掛かるでしょうから、出てきてくれて丁度よかったわ。本当に。
    そんな私の反応を見て、何かを察した様な麗華とスザク君。
    警戒心を煽ったかしら?
    という事は、スザク君達には私の所に北斗さんと小鳥さんが来たことを伝えてない?
    ……水瀬伊織と組んでるってさっき言ってたし
    私の所に二人が来た事は麗華は知っていると思ったけれど
    情報が知らされていないか、それか具体的な誰かまで特定出来なかったか……。
    ……全く何も分かってない……っていうのもあり得る?
    確かに、冷静に見ればカノン君が姿を見せた状態で外へ出ただけなのよね。
    ……いや、でも拾ってる筈よね。流石にそこら辺の情報は。
    ……なら、スザク君達が居ること自体に驚かなかった点が不審に?
    それか、北斗さんと小鳥さんが私に詳しい話をしているっていう
    確認が取れた事に反応しただけ?
    ……後で聞けばいいか。機密事項なら別にそれでもいいし。
    私が欲しいものは、麗華の後ろ盾だけ。それも別に確実な約束じゃなくていい。
    ハッタリをかませるだけの証拠になりそうなものだけで十分。
    そして、それが貰えるのならば何かを隠す必要は無い。
    全て話して見返り何も無しは問題だけれども
    その時はこのお城の中庭の花でも勝手に摘んでいきましょ。
    お風呂場にあったシャンプーやコンディショナーでもいいわね。
    気に入ったからもう一度お風呂に入るとか適当に言って
    脱衣所辺りを漁れば新品があるでしょ。きっと。
    ……ここまで来たら強くなるために何だってやるわよ。私は。
    なんなら、水瀬伊織に今回の接触の件の情報を売ってもいいわ。
    水瀬伊織を頼る形になった場合、いずれかのタイミングで
    麗華と直接やり合う事になるでしょうけれど、もうそれは仕方がないわ。
    結果的に最後までただ生き残るよりも強くなればいい。
    この戦争で新しく出来る序列とかは関係無い。今までもそうだったし。
    いいだしっぺの舞さんだって
    この戦争を始める動機付けに利用してるだけなんじゃないかしら。
    …………
    ……麗華はどうなんだろう?
     「ねぇ、麗華。」
    料理が並べ始めるテーブル。
    集まってきた皆も席についたり、料理を運んだり。
     「ん?何?」
     「麗華はこの戦争に勝ちたいの?」
     「勝ちたいというか、勝たないといけない感じね。」
    いけない。
     「義務感や責務って事?」
     「今回の戦争はこの子達も含まれてるでしょ。
      なら負けるわけにはいかないじゃない。」
    麗華の視線は部屋に居る眷属達に向けられて。
     「なるほどね。」
     「元々負ける気は無いって感じだけどね。
      逢いたい人も居るし。」
     「……そうだったわね。」
    この感じだと、戦争が始まってから涼さんには逢ってないのね。
     「残りは食事の後でいい?
      食事しながらじゃ、ちょっと厳しい話題でしょ。」
     「わかったわ。じゃあ、お土産はその時にでも渡すわね。」
     「別にいいのに。でも、ありがとう。」
    すんなり貰ってくれそうで助かるわ。
    とはいっても、本当のことを話したら突き返される可能性があるけど。
    ……お酒だし、その場で皆で飲むみたいな流れは有り得るわよね……。
    ……まぁ、渡す時に説明しましょ。
    ……いや、でも渡しちゃう事で舞さんのヘイトが私にも来る可能性が……。
    …………
    ……既に舞さんのお酒を大漁に貰っちゃってるし、今更ね。
    一番ヘイトを稼いでいる北斗さん達がその事を知ってるんですもの。
    リスクは確かに増えるけれども
    麗華側に発生する、私の存在が舞さんとの交渉材料になるっていうメリットは
    舞さん以外のリスクを多少なりとも緩和させてくれるんじゃないかしら。
    私を生かす利点をここで創っておくのはトータルではプラスよね。きっと。
    ……うん。やっぱり渡しましょう。
    元々お裾分け程度
    北斗さんと小鳥さんが来た証拠にならない証拠ぐらいに考えていたけれど
    使おうと思えば結構使えるものね。
     「ジロウちゃんは遅刻?」
     「後で食べるから残しといてらしいです。」
    マキオ君は並べられたテーブルの端の席に座りながらそう答えて。
     「お客様が来てるのに仕方がないわね……。
      ……まぁいいわ。それじゃあ頂きましょうか。」
    目の前のお皿には、サラダにエッグベネディクト、オムレツにフルーツ。
    エッグベネディクトはスタンダードなものの他に
    シーフードやトマトを挟んだものもあった。
    完全にホテルの朝食ね……。
     「……毎日こういう感じなの?」
     「そうね~。料理が好きな子が居るからこんな感じかな?
      私的にはご飯に納豆と焼き鮭とかでもいいんだけど。」
     「うちがそんな感じね。」
     「その服も?」
    その服。この服。
     「そうね。基本的には和服かしら。」
     「戦闘時もそうだし、ホント徹底してるわね。」
     「慣れちゃっただけよ。」
    同じく和服である隣の二人を見て、私達はうなずき合って。
     「一応私も持ってきてるけど、未だに一度も着てないのよね。
      ともみが来るって分かってたのなら、いい機会だし着てたかもしれないわね。
      今日もお風呂のタイミングで替えようかなとも思ったけど
      そのあと食事って考えると、躊躇しちゃってね。」
     「突然で悪いわね。
      次があるのなら、事前に連絡を取れるよう頑張ってみるわ。」
    次。
    次があるとしたら、水瀬伊織も一緒かしら?
    それとも、我那覇響?
    ……こういう事考えてると、折角のお料理を楽しめないわね。
    それじゃあ、頂きます。

     「お土産っていうのはこれね。」
    鞄の中から現れ、並べられるボトル達。
     「お酒?ありがとう!」
    一通り片付けられたテーブルの上には
    もう各々が使うカップやグラスしか残っていなかった。
     「このまま渡してもいいけど、その前に説明がいるわ。」
    麗華の表情は、笑顔から怪訝な顔を通り越して、一気に警戒へと切り替わる。
    感情を隠すことも出来るでしょうに。……ありがとう。嬉しいわ、麗華。
     「渡すお酒の内、私が出した4本は
      北斗さんと小鳥さんから貰ったもののお裾分けね。」
     「えっ!?」
    向かいの席の二人がざわつく。
     「で、北斗さんと小鳥さんだけど
      ……舞さんの所からお酒とタバコをほぼ全て強奪して、今逃げてるわ。」

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