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第一次偶像戦争 【257】 [秋月律子]
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第一次偶像戦争 【257】 [秋月律子]

2018-04-12 22:44

    天ぷらに唐揚げに、ざっと最初に出てきたのは揚げ物の類。
     「とりあえず、これで間埋めといてクダさい。」
    彩音は山盛りの竜田揚げが乗った大皿をテーブルに置くと
    すぐにキッチンに帰っていって。
     「まだ作る気なのね……。」
     「色々と気合いが入ってそうだね。」
    そう言うと律君は出来たばかりの竜田揚げに手を伸ばした。
     「……肉類が恋しい?」
     「そうでもないかな。魚料理っても色々あるしね。
      料理が上手い子の有りがたさを日々感じながら生きてるよ。」
    私達の間では調理系スキルは必須に近いけれども
    美味しいというのは中々に、努力かセンスのどちらかが必要になってくる。
    正直、私も冬馬に頼りっぱなしなのよね。そこら辺は。
     「冬馬君との進展は?」
    勘づかれた……いや、料理繋がりで出てきただけね。
     「あるわけないでしょ。」
     「そりゃお気の毒に。」
     「言う相手間違えてるわよ。」
     「律子さんも涼君と何も無かったって事でしょ。
      進展が無かったって事は。」
    涼。
     「何をどう想定してるのかは分からないけれど
      涼が出てこようと出てこまいと、関係無いわよ。」
    ホント、いきなりなんで涼の名前が出てきたのかしら。
     「涼君にはさっさとくっついて欲しい?」
     「さぁ。」
     「無粋な質問だったかな。
      二人っきりになる機会なんて早々ないから色々聞いちゃったかも。
      気を悪くしたのなら謝るよ。」
    ……確かに、あまりないシチュエーションね。
     「別に気にしてないわ。」
    ……苛立つよりも先に罪悪感みたいなのが来るのは
    やっぱり冬馬を蔑ろにしてるって、自分でも分かってるせいよね。
     「そういや、麗華さんと響ちゃんの二人はどうなったか情報入ってる?」
    律君はふと思いついたように。
     「全くね。ぶっちゃけ他の動きとか全然知らないわよ。」
     「て事は、あの塔にも寄ってなかったり?」
     「一応確認しに行くべきなんでしょうけどね。
      プレインズウォークした時は感覚で分かるし。」
    あの塔、この戦場から退場しない限り入れないし
    戦闘行為も不可だから、中に籠もられたら分からないのよね。
     「状況は進んだのか、硬直してるのか……。」
     「二人だけじゃ解決出来ない問題なのに、元気よね。」
     「少しでも進んでると思いたいじゃないかな。きっと。」
    進んで……か……。
    ……響と麗華の戦いを見ても、涼は何も思わないんでしょうね。
    そこをきっと響は分かって無くて。麗華は痛いほど分かっていて……。
     「後で会いに行ったり?」
     「……そうね。麗華の所には顔を出しておくべきかしら。」
    響は……そもそも今生きてるのかも不明なのよね。
     「麗華ちゃんが誰と組んでるか情報入ったらよろしく。」
     「十中八九、伊織でしょうけど、まぁ覚えておくわ。」
     「叩くのなら早いほうがいいしね。」
    ……そこの見解はやっぱり共通よね。
    …………
    ……麗華と伊織が繋がっているのならば
    麗華を叩いて、伊織をおびき出すのがベストかしら。
    ……ただ、肝心の麗華が面倒なのよね。
    最初に急襲をかけて、半壊まで持って行ければいいけれども……。
     「……麗華は勝つ気があるのかしらね……。」
     「どうだろう。負ける気は無さそうに見えたけど。」
     「準備期間に会ってる?」
     「何度かは。」
    ……詳しい所は内緒か、それともあまり突っ込んだ部分まで話してないか……。
     「彩音ちゃんの土地だと、麗華ちゃんの所と近いし
      派手に動いたら勘づかれるね。」
     「伊織と組んでるのならもう今の時点でバレてるわよ。」
     「今頃警戒されてたり?」
     「……有り得るでしょうね。」
     「舞さんじゃなくて、二人が介入してきた場合どうしようか。」
     「そんな迂闊な動きは無いと思うけど
      のこのこ出てきたのなら、叩くだけよ。
      伊織が戦場に現れなくても、麗華が自分の領土の外へ出てくれるだけで
      倒せる可能性は大きく上がるでしょうし
      麗華を倒すことが出来れば、伊織を孤立させる事が出来るから
      このチャンスを逃す手は無いわ。」
    まぁ、まず無い。
    麗華が伊織と組んで無いのであれば、こちらの動きに勘づくのは
    練習のタイミングだろうし、そこから動くには少し遅い。
    麗華と伊織が組んでいるのであれば、既に警戒されてるでしょうし
    まずしっかりとこちらの情報を収集する筈。
    今までの情報だけでも、浮遊城の動きや、未だ戦闘の気配が無い点を考えて
    単純な襲って戦ってという状況とは違う事は察しているでしょうから
    わざわざリスクを犯して出てくる様な真似はしないし、麗華にさせないでしょう。
    こちらとしては、警戒と同時に興味を持ってて貰えてると助かるわね。
     「こっちの微妙な関係を見越して
      ミサイルとかビームを使った遠距離攻撃を仕掛けてきたりもあるかも。」
     「その時は、戦わない子達も良い練習になるんじゃない?」
     「確かに。」
    ……微妙な関係か……。
    ……緩く脆い約束に、別のメリット……。
    ……それでも、やっぱり難しいわよね。私達が完全な同士討ちをするのならまだしも。
    …………
    ……戦いの結果と、タイミングを選べば、同士討ちに近い状況はあり得るか……。
    …………
    ……危ういと言えば危うい。でも、向こうの、伊織や麗華の視点で考えると
    全部罠という可能性も考えないといけない訳で……。
    …………
    ……やっぱり、早い段階で伊織を叩いておきたいわね……。


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