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第一次偶像戦争 【262】 [冬月律]
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第一次偶像戦争 【262】 [冬月律]

2018-04-22 20:44

    静かな部屋に、陶器の音。
    段々と会話が無くなっていっているのは、双方の緊張感が上がってるせいだろうか。
    ただ、このままテーブルをひっくり返して戦闘開始という感じもしない。
    それは実際に戦闘を行うプレインズウォーカー組も。
    テーブルの向かいの二人はじっと、こっちを伺っているだけで、殺意みたいなものは無い。
    ……今更だけど、敵地に乗り込んでまで練習の相手を求めるか……。
    ……そこまでしないと勝てない相手だったって事だろうな。
    あとは、手っ取り早く強くなる為に実戦をこなしたいけれども
    身内の二人でガチの戦闘をすると、伊織ちゃんに付け入る隙を与えてしまうから
    一時的にせよプレインズウォーカーの頭数を増やして、自衛してるって感じか。
    ……しかし、舞さんはどう動くか……。
    ……お酒を失っている様だし、直接強さを確かめるチャンスは無いとみていい。
    やり合う時は、どちらかが退場するまでだろう。
    ……こうなった以上、舞さん相手に生き残った二人と戦えるというのは貴重な機会だな。
    折角チャンスが廻ってきたんだし、ギリギリまで利用させて貰おう。
     「当事者以外は見学みたいな扱いだよね。」
     「そうね。伊織も警戒しないといけないし。」
     「そこなんだけど、高波とか発生したら後が面倒だから
      何人か島に残るか
      戦う側の方で海に影響を出さないようにするか、決めておいていい?」
     「……前者はお好きにどうぞって感じね。
      後者は……出来るの?」
    まぁ、俺の口からって感じだわな。
     「善処します程度には。」
     「それじゃあ、前者一択ね。」
     「ならアタシが残るッスよ。」
    立候補してくれるヒナちゃん。
     「……律クンのスペルの規模にもよりマスが
      多分、アタシが土地のマナを介して
      波をコントロールする形で大丈夫だと思いマス。」
    僅かに動く彩音ちゃんの魔力と土地のマナ。
     「この前は頼んだんだよね。」
     「そうデスね。
      前回はあの後何が起こるか分かりマセんデシたし
      警戒の方に集中してましたカラ。」
     「今日はいけそうな感じ?」
     「……多分……。
      まぁ、試してみマス。
      ヒナちゃんは出る前に、万が一を考えて
      PCのバックアップを取っておいてくだサイ。」
     「んじゃ、そうさせて貰うッス。」
     「前半はいいとして、後半はどうするの?
      戦闘しながら波をコントロール?」
     「……そうまりマスかね。
      律子が使うのナラですが。」
    周囲の海が乱れるレベルの規模のスペルの使用。
    練習と称してはいるが
    ここは彩音ちゃんの土地であり、それは敵の土地であるという事。
    そこにあるマナを壊すという事は、明確な敵対行為とも取れる。
     「……じゃあ、私は善処する方向で行こうかしら。
      万が一、強く影響を出してしまった時は、敵対行為として取る?」
     「半径数キロぐらいの範囲内なら問題無イト処理しマス。
      あと、アタシも海面近くには行かないようにスルんで。」
     「わかったわ。でも彩音の方に動きの制限はいらないわよ。」
     「わかりマシた。それじゃあ、そういう事で。」
    会話の流れが、引く波のように途切れる。
    口に運ぶマグ。
    傾けると、少し甘めのカフェオレが口の中へと流れ込んできた。
    ……もう残り少ないな。
     「他に気になる事とかあるかしら?」
    向かいから。飲み物が無い二人は早く始めたかったりするんだろうか?
     「俺は特には。」
     「アタシもデス。
      ……あっ、でも確認をお願いしマス。」
    確認。
    てことは、これが最後になりそうだな。
     「どうぞ。」
     「実際に動き出してから色々思う所は出てきソウですが
      がっちがちに契約を取るのも面倒デスし
      そこハ上手く調整していく感じデいいです?」
     「ええ。こちらからもそれでお願いしたいわ。」
     「ソレじゃあ、アタシからはこれ以上は無いです。」
    また、声が消える。そして、さっきよりも若干カップやマグの出す音が増える。
     「……なら後は、実際にやるだけね。」
     「各自飲み終わったら移動でショウか。
      ヒナちゃんのバックアップがアルんで、ゆっくりでいいデス?」
     「そんなに時間かからないッスよ。
      ていうか、具体的な場所ってどこッスか?」
     「えっとですね、いくツカ候補があるんデスが……。」
    テーブルの上に海と島が現れる。
    並べた一つのテーブルと同じ大きさだった島は急激に小さくなり
    俺の島や他の大陸が端に映し出される。
     「こんナ所が予定地デス。
      あとはお二人の好きな場所をどうぞ。」
    完全に俺達が決めると思っていた様で、律子さんは少し驚いていて。
    どこになるか。多分南側だろうけれども。

    魔力。
    感覚。
    感触。
    確かに。
    確かな。
    自分と、相手の。
    ……まぁ、こんなもんか。

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