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第一次偶像戦争 【321】 [秋月律子]
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第一次偶像戦争 【321】 [秋月律子]

2018-08-20 22:59




    直後、肉体と魂がズレる
    両方で知覚していた世界の片方が消えて無くなる
    私の体から、私だったものがまき散らされ、体と魂がどんどん剥がれていく
    奔流のような痛みと苦しみの伝播
    それをどこか他人のように感じ取る魂
    だって……
    死にゆく体に通わせる魔力
    千切れ始めたロープのように細胞と魂の繋がりが一本一本失われていくのを
    無理矢理流した魔力で縫合する
    殴られたまま回転している体を止める
    緩く、魂で感じる世界
    視覚で感じる様な情報を得るには、もう少し強く外に魂を出す必要があるわね。
    私はフードのように背中に垂れ下がった自分の頭を掴んで、それを元の位置へと戻す。
    頭が上に来たところで、下顎がずるりと落ちた。
    上顎もぐちゃぐちゃ。舌も奥にいっちゃってる。
    一撃。
    迷い無く、私に入れてきた一撃。
    痛みや苦しみなんかよりも、もっと大きな感情が私の中を満たしていく。
    それは炎の様で。温く、重い泥のようで。
    それにどっぷりと浸かった私に
    痛みによる震えか、快楽による身悶えか分からない振動が伝う。
    無理矢理繋がっている肉体にまで。
    ……やっぱり麗華はいいわね。
    ナメてると取られてもおかしくない私に、言葉をかけるわけでもなく
    ただ、拳の一撃を入れてきた。
    これが練習じゃなければ、最初の一撃で本気で決めてきたでしょうね。
    ……練習でないのなら、会話すら無しで殺せる瞬間があれば終わらせにきてるか。
    麗華の領域が、魔力が広がる。私のすぐ前まで。
    均等な【五色】に別れたそれに魔法陣が生まれる。
    追撃が来る……。
    即座にしてこなかったのは、トラップに対しての警戒かしら?
    私の真意みたいなものは……もう麗華の中では関係なさそうね。
    だってもう始まった訳だから。
    ……あぁ、そうか。麗華は能力を使わないと言ったけど
    私も使わないとは言ってなかった。
    ていうか、その前に私に能力を使わせて、名前を聞き出すみたいな話してたから
    麗華側からすれば、いつ使われてもおかしくはない感じなのね。
    【緑】の魔法陣が解ける。
    麗華の体を走る魔力を持った緑の風は恐らく【Blossoming Defense】……。
    ……覚悟して接近戦をしかけてくるか、それとも……
    確かめるよりも前に、私は【五色】の魔力に取り囲まれる
    ゴッ……
    衝撃と重さ
    少し遅れて熱と痛み
    私の胸から
    こんな状態でも肉体と魂を繋げていた血の動きが止まる
    魂との繋がりが完全に消えるまでどれぐらい?
    まぁ、時間は無いのは確かね
    ……それじゃあ、動きましょうか。
    魔力が表に出る
    魂で認識する世界が一気に解像度と彩度を上げる
    麗華の腕から私の体へ流れ込もうとしている魔力が強くなる
    私の領域に展開される【青】で描かれたカウンター系スペルの魔法陣
    それと同時に、私は自分の四肢に【色】は【青】だけれども
    カウンター系とは全く別の魔法陣を纏わせる
    四肢に纏わせた魔法陣が間髪置かず解ける
    乾いた衝撃が四方から
    麗華の魔力に侵食されてる胴体から、私の四肢は無理矢理切り離される
    パンッという味気もなにもない音が聞こえたのは、その直後
    千切れた四肢に流す強い魔力
    血が変質し、細胞が壊れ、死んでいく中
    私の両手はぐるりと空中で方向変え
    私を貫いたままの麗華の右手と、次弾既に装填している左手を掴む
    両手から迸る魔力。一番最初に吹き飛んだのは、私自身の腕の肉と骨
    麗華の抱える魔法陣のほぼ全てが輝く
    やっぱ、そうくる?
    でも、少し遅くない?
    拳と同時か、心臓を打ち抜いた直後に精神攻撃系スペルをやってくると思ったけど
    【黒】の扱いに慣れてると、慎重になるのかしらね
    精神を繋げてる時は隙が出来るし【青】使いなら幻を掴まされる可能性も
    ……別にいいか
    麗華と私、両方のスペルが放たれる
    それと並行して、切り離した私の両足が炸裂する
    カウンターを飛ばしたのは【黒】系スペルにのみ
    私のカウンターを素通りした炎や光や雷が
    もはや繋がりは皆無に等しい私の体と魂を傷つける
    でも、その痛みは一瞬で
    今、私は【黒】に包まれていて
    右足が炸裂して出来た血霧は新たなカウンター系スペルを描き
    左脚が炸裂して出来た血霧は持てる魔力を【黒】に変換し即座に【Dark Ritual】を描く
    さて、いけるかしら?


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