第一次偶像戦争 【457】 [キッカ]
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第一次偶像戦争 【457】 [キッカ]

2019-05-22 22:22

    上から差し込んでいた光がどんどん減っていく。
    足下に密集していた草木も同じように。
    【緑】のマナが強い所やと光関係無しに木々が生い茂ってるけど
    ここはそうでもない感じやな。
    ……というか、今浸食してる最中って所か。
    平地から森へ……いや、大きな木しか残ってないんやから逆やな。
    ここは森から平地への最前線。
    上手く【二色】のマナが調和出来る場所もあるけど、ここはどうなるんやろ。
    【白】と【緑】やと、草原とかのイメージが強いしもうちょっと木は減る感じかな。
    その土地のマナ構成に適応した植物が生まれて【二色】の調和がとれたとしても
    そっから先はまた分らんし、結局どんどん変わっていくんやろな。
     「しっかし、なんでバレたんやろな。」
    空を覆う緑がいっそう濃くなり
    森の生み出す影の中に入った所で、いよいよ思ってた事を口にする。
    ミカとリカを黙らせたあと、ノース君と二人して逃げてここまで来たけど
    その間会話らしい会話は無かった。
    身内に向かって、それも可愛がってくれてる二人に向かって攻撃したノース君を見て
    少し一人にした方が良いと思ったってのが一番大きな理由だけど……。
     「……ボクが気付かない内に何かされていたんでしょうか……。」
    ……まぁ、そうなるわな。
     「有り得そうやけど、実際は無いと思うわ。やるタイミングも無かったでしょ。
      実際の戦争が始まってからノース君独りになった時ないやん。」
    ウチも騙されてってなると相当アレやけど。
     「……あの樹のお家が出来る前、少しの間独りだった時……。」
     「それもどうやろな~。
      準備期間中に何かやってたのがバレたら後から袋だたきにあうやろし
      そうなった時二人だけの責任で終わらんから、やっぱ無いと思うわ。」
    暗殺や不意打ちが得意なグループなのは確か。
    でも、最低限のルールは守ると思う。トップの貴音がそういうタイプだし。
     「……キッカさんはどう思います?」
    恐る恐るといった様な感じで。
     「……そろそろ止まろか。」
    ウチの言葉にビクンと反応するノース君。
    やっぱ不安を拭うみたいな事は出来てないか。
    ウチとノース君は森の中、地面に足を付けずに向かい合う。
    キュンと薄く領域を広げて。
    改めて見て。
    改めて感じて。
     「……勘やない?」
     「えっ?」
     「全部が全部勘では無いとは思うけど
      多分、勘の要素は大きかったと思うわ。
      だって、あの二人。特にミカのテンションおかしかったやん。
      久しぶりに会ったのは分かるけど、あの舞い上がり方は
      単純にずっと会いたくて、やっと会えた以上の何かがあったと思うわ。」
    恋愛感情を加味しても大分アレだった。
    完全に挙動不審の域で、頭お花畑って感じだった。
    だから、運命とか奇蹟とか、多分そんな要素が入ってたんだと思う。
     「……勘の他にも何かあるとキッカさんは思ってるんですよね……。」
     「……全部が全部勘の方が説明がつきそうやけど
      多分、ウチらの知らない感知系か索敵手段は持ってると思う。
      ノース君は何か聞いてない?」
    仲いいし。
     「ボクは全く……。
      こういった戦場にミカさんやリカさんと一緒になった事も無くて……。」
     「そうやったんや。
      確かにノース君色々忙しかったしな~。」
     「……すみません……。」
     「ええよええよ。謝ることなんてないない。
      あの二人そこら辺すごく切り分けてるところがあるから
      ノース君をそういった場に誘う事を最初から避けてたかもしれんわ。
      万が一、一緒になった時も多分、隠しておいたやろし。」
     「……そういう戦い方……だからですか?」
     「そういう戦い方だし、女やからな。
      ウチもノース君に見せてないとこぎょーさんあるで。」
    ニィと笑うと、ノース君は慌てて顔を伏せた。
    妙にピンと来てるってか、来てもうてるのは確実にミズキさんのせいやな。
    ホントやらかしてくれてるわ。いたいけな子供になんちゅーことしてんねん。
    いや、何やらかしたかは……いや、想像できるけど……。
     「……これからどうしましょう……。」
     「せやな~。ノース君の練習を考えると襲ってきてくれた方がええけど
      まだちょっと心の整理とか時間欲しいしな~。」
     「あっ、いえ……ボクは……。」
     「まぁ、アレで嫌われる事は無いと思うからそこは心配せんでええわ。
      最悪全部ウチにやらされたって事にすればええし。」
     「そんなッ……できません……。」
    ええ子やなホント。
     「一つアドバイスをするなら、保留はせん方がええよ。」
    もう若い内が限られてる訳じゃ無いけど。
     「保留……ですか?」
     「そそ。今はええけど、向こうが思い切ってきた時はね。」
    そこら辺いきなりかっ飛ばしてセックス要求してくるアホは
    永遠保留の二号セフレの刑にでもしてやったらええけど
    それはそれで満足ってタイプもおるやろしな~。難しいわ。
     「とりあえず、ちょっと様子を見るにしても
      安全圏っていうのは用意しておいた方がええし
      ここからちょっと移動して、そこにキャンプつくろか。」
    居場所がバレてるかバレてないのかハッキリさせるには
    安全圏の近くってのは正直よろしくないけど
    正直相手のタイプからして、ノース君の練習には適してないから
    割り切っといた方がええかな。
    ……今後の事を考えた時、今の段階で接触しておいた方がええかもしれんしね。
    ……万が一戦闘になったら……。
    ……そん時考えよか。
    とりあえずキャンプの位置はしっかりと選んどこ。

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