第一次偶像戦争 【486】 [サナエ]
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第一次偶像戦争 【486】 [サナエ]

2019-07-20 22:22

    かったい!
    完全に不意を突いた一撃なのに、ミズキちゃんのお腹ヤバイぐらい硬い!
    さっき素っ裸だったとき腹筋とか無かったじゃん!
    それなのにこの硬さってなに!?薄くスキン張ったマシナリーでももっとこう
    殴った時に奥まで衝撃を響かせた重さを感じ取れるわよ!
    ていうか
    この感触ってことは
    この一撃でダメージが入ってないなら


    ミズキちゃんの右
    反射的に前進ながら視界を遮っていた扇をズラし、その根元でミズキちゃんの腕を止める
    止める
    止め

    負荷
    一瞬、真っ向から魔力で対抗しようとして
    そうしようとした自分を引き留める
    見せられる範囲があるって分かってる!?私!?
    でもこれマジで対応しないと! 
    自分の中で起こる醜い争い
    そんなのを無視して、ミズキちゃんの拳は無慈悲に向かってくる
    これは
    覚悟を決めるしか
    幸い五火七禽扇が視界と魔力感知を妨害してるから狙いはそこまでじゃない
    筈!
    それにミズキちゃんの右手が宿してるスペルは【Naturalize】!
    狙いは私じゃなく五火七禽扇の方!少なくとも最初は!
    そんで今は、殴りかかろうとする腕に扇子の底を当ててる上に
    私が前進して密着しているせいで五火七禽扇は殴りにくい位置にあるから
    無理矢理叩いてくるのなら自分の胸を叩く勢いのフックになる!
    左手側には未だにフレイムタンモードの炎を出し続けてるし
    炎を避けて撃ってくるとしたらワンアクションかかる!
    致命傷は無い
    狙ってたとしても回避できる
    だから耐えれば

    はどうするか分かんないけど

    はなんとかなる


    今!
    今!
    拳の軌道に集中し、自分の中の魔力と【Flight】の調整もやって
    ただ、これもう完全に殴られた方が
    変に耐えたり躱したりするよかあずさちゃんに止めて貰った方が
    もう触れる距離なのにこの雑念。余裕があるんだか無いんだか



    触れた瞬間に感じる拳に込められた魔力の重さ
    あっ
    やっぱミズキちゃんやべーわ
    見せられるギリギリの魔力。抵抗
    その儚さは腕の骨が折れる感触と一緒に私にねじ込まれてきて
    触れられた瞬間から【Flight】にも魔力を回し
    軽減する方向に動いたけど、それでも間に合わなかった
    腕の根元を砕いた拳はそのまま肩へ
    拳と同じ方向へ【Flight】を使って飛んでダメージを減らして
    後ろへは飛べない
    前に出してる五火七禽扇が邪魔になる
    だから
    この拳の勢いも利用して
    離れる
    肩にかかる圧
    振り抜かれる拳
    伝わってくる力
    離れる
    離れた
    隙間を埋めるように炎が私とミズキちゃんの間に入り込む


    ギリッギリ繋がってるレベル
    でも
    断たれはしなかった
    骨まで砕かれたけど、まだ魔力の流れは

    炎が燃えさかる空間の外へ私の体が出る
    よっしゃ!
    あとはあずさちゃんが
    お願い気付いて
    ていうかもうここまできたら自分の方から頼
    魔力が広がる
    炎が散る
    穴の空いたローブと焼けた胸を露出させたミズキちゃんが現れる

    来る
    私は壊れた左肩を領域で無理矢理覆う
    防がないと
    五火七禽扇で
    最悪、捨てて逃げて距離を
    ミズキちゃんが動く
    左拳に【Naturalize】らしきスペルが宿る
    右と同じ
    ってことは
    目的はやっぱり五火七禽扇?
    なら
    それなら
    内心はもう差し出す様にも思えていて
    けれども外はちゃんと抵抗しないといけないと分かっていて
    左手の五火七禽扇とは別に、右で紡ぐ領域
    終わる?
    終わりそう?
    終わらせてくれる?
    分からないから、必至に続けて
    必至に

    体の芯、魂の底まで震わせるような
    無意識に、反射的に、私の魔力が強く外に出る
    ミズキ目の前のミズキちゃんも同じく
    あずさちゃん!
    あずさちゃんが動いてくれた!
    あずさちゃんが止めてくれた!
    安し
    いや
    感じる魔力は
    目の前の魔力は
    ミズキちゃんもヤバくない?
    あずさちゃんの方が強いし反射的に開放しちゃったとはいえ
    慣れ親しんだ魔力だから、うっかり外に出しちゃった魔力はこの程度で済んだ
    私は決めていた限界はオーバーしちゃったけど
    ただ、これあずさちゃんが居なかったら
    ミズキちゃんだけが居てこのレベルの魔力を突発的に見せられたら、感じさせられたら
    未だ魔力がぶつかり合う扇の向こう、ミズキちゃんをちらりと見る
    目が合うも、意識は私の方に向いていなかったみたいで、一瞬反応が遅れていた
     「……終わりって事かしら?」
     「……多分、そうなんじゃない?」
     「そう。残念だわ。」
    そう言うとミズキちゃんは拳を引いて。
    ミズキちゃんの領域は、周囲の魔力は未だヤバイレベルのまま。
    そのせいか私も展開してしまった領域を戻せずにいた。
    ミズキちゃんはそのままあずさちゃんの方を向いてしまう。
    ……あずさちゃんにお願いしておいてよかった。
    あと一段階ぐらいまではギアを上げきても対応出来た……とは思うけど
    それ以上はとてもじゃないけど魔力を制限しながら戦うのは無理だったわね。
    いや~、なんかあれだわ。すんごい親しい、いっつもつるんでる友人が
    定期テストで上位に食い込んでる事実を知ったみたいな感覚だわ。きっと。知らないけど。
     「ふたりとも~。」
    あずさちゃんの声。
    まだ魔力を引っ込めてないし、緊張感は残ってる。
    でもすっごい安心する。
    いつもよりずっと、そう感じる。

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