第一次偶像戦争 【541】 [東豪寺麗華]
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第一次偶像戦争 【541】 [東豪寺麗華]

2019-11-10 22:55

    伊織の声
    上に居る梓君が持つコフィンメーカーの銃口
    私の領域に触れ、貫いてきた二発の弾丸

    握り、魔力を通わせているスファライ
    振るい、撃ち落とす
    金属同士がぶつかる感触。音
    入り込んでくる魔力
    でも
    この量なら
    スファライから強い魔力が押し出すように放出される
    打ち落とした部位に植え付けられていた梓君の魔力が消える
    互いに影響を与えにくい魔力が
    浸透するように入り込んでくるという、今まで経験したことがない状況
    けど、これぐらいなら何とかなる
    体に当たっていないのなら。血肉にねじこまれていないのであれば
    伊織
    言葉
    上に
    私は託された訳だから
    上を
    私は真っ直ぐに登っていたルートを変更し
    崖ギリギリを梓君の背中側に回り込む様にして上に向けて加速する
    梓君の銃口は私をとらえたまま
    こちらを見ずとも飛んでくる弾丸を躱し、叩き落としながら私は崖を昇る
    流れが悪くなってきてる事は自覚してる
    いや、流れが悪くなったんじゃない。私達が悪くした
    これはミス。運が良くなかったんじゃない
    私達が足下を掬われた。流れを梓君に持ってかれた
    梓君が左手でデスペナルティを持っていた事はやろうと思えば確認ができた筈
    それを怠り、適当な方向へ逃げた結果がコレ
    正直面倒な事になった。一応私も【Blaze】系のスペルを用意してるけど
    それだけで削りきれるとも思えない
    削りきる。この場で上の二人を退場させる
    それを私がやるのであれば、接近戦はほぼ必須
    それでも、出来れば近づきたくはないのよね
    こっちが数で負けてる以上、四条貴音に精神への侵入を許した時点でアウト
    さっきみたいに精神に侵入しても止められないような攻撃で
    無理やり押し通す手を使おうにも
    星井美希はあと何発か私を封じてくるような弾を持ってるでしょうし
    負けかけたさっきと同じ絵の再現になるだけね
    じゃあどうするか
    もうすぐサチコちゃんの【Recoil】が星井美希に到達する
    分解された【Oblivion Ring】は領域に描かれた魔法陣の状態に戻る訳だけど
    Recoil】の場合魔法陣に戻した後、精神への侵入がオートで行われる筈
    反撃されにくいタイミングはそこ
    ただ、やはり反撃されにくいだけで確実にされない訳ではないし
    サチコちゃんの力を借りるというのも、伊織のプライドを傷つける事になかもしれない

    他の手段
    四条貴音相手に【黒】は無い。そもそも領域から【黒】は落としてる
    私のマスディストラクション系スペルは広
    魔力の塊
    伊織の握っていたアナイアレイターから
    方向
    速度
    私のすぐ下に
    対象は
    領域に触れる存在
    指先
    消える
    感じて理解した直後、消えてなくなる
    伊織の放った弾丸が、私のすぐ下に居た何かを打ち抜く

    頭上に現れる巨大な火球
    間髪入れず落ちてくるそれをギリギリで回避した私は
    急遽ルートを変更し、更に上を目指す


    炎の中から飛び出してきた銃弾が、私の傍の崖を穿つ
    さっきまでの私の進行方向と、更に真上にも
    あのまま飛んでたら当たっていたかもしれない
    けど、私の方向転換に対応してきていないのなら
    私は少しだけ梓君から離れると、飛ぶ方向を真上へと変える
    安全策を考えるのはもう止めときましょう
    私を追っていた銃口が外れたとはいえ炎の中の梓君にも注意をしないといけないし
    わざわざ自分の方から状況をより複雑化させるのは悪手
    残った時間で出来る事を考えても、付け焼き刃になる事は否めない
    焦って下手な手を打つことで、予想外に場が荒れるのは
    逃げ切ればいい二人に有利な状況。それは避けなければならない
    私は心の中で接近戦をする覚悟を決め
    スファライや全身に身につけたチャームに魔力を流し、確かめる
    落ちてきた火球から立ちのぼる炎でサチコちゃんの【Recoil】の位置が読めなくなった
    でも対象は分かっているし、速度が上がっていなければタイミングだって
    空気を焼き、熱い光を放ちながら揺れる炎の中から
    再び大きな火球が放たれ、崖に直撃する
    押し出された空気と壊された崖の破片が
    空気を切り裂く音を立てながら私の領域の周りを飛んで行く
    一瞬遅れてついてきた炎に巻かれながらも、私は上を目指して
    崖の上
    出る
    出た

    地球では見られない様な巨大な木々が絡み合うようにして出来た森の中
    僅かに差し込んでくる光をすべて受け止める黒が森の中に鎮座していた
    その中央に感じる四条貴音の魔力
    私を気配を察知したのか、黒の向こうで星井美希の魔力も展開される
    私の頭の上をサチコちゃんの【Recoil】が飛んで行く
    全身にかけるバフと、防御系スペル
    見定める狙い
    蹴る大地
    それと同時に【Blaze】も開放する
    魔法陣から急速に広がった炎は木々の影を燃やしながら
    その奥にある黒を包みこむ
    そこっ!
    炎に囲まれた黒が、一瞬太陽の黒点の様に映った
    私はありとあらゆる光を全て飲み込む黒に向けて空鳴拳を放った

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