第一次偶像戦争 【544】 [東豪寺麗華]
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第一次偶像戦争 【544】 [東豪寺麗華]

2019-11-16 22:59

    私と四条貴音を乗り越える【Recoil】は
    そのまま四条貴音が破り出てきた黒の向こうに消える
    星井美希の領域
    【青】
    紡がれない。描かれない
    発動した後のスペルだとしても無理やり打ち消すことは出来る筈
    それをしないということは
    散り始めた黒の向こう。現れる【Oblivion Ring】の魔方陣
    そこから感じるサチコちゃんと星井美希の魔力
    ずるりと、肉を溶かしつくしたスライムが次の獲物を求めて移動する様に
    サチコちゃんの魔力が【Oblivion Ring】の魔方陣からはずれ始める
    Oblivion Ring】の発動は
    無い
    ていうか、出来ない?
    動けない?
    なら!
    周囲の光が剣となる
    肌に振れてくるそれに直接魔力を流し壊しながら一気に距離を詰める
    私が解き放った魔力の圧か、四条貴音の動きが鈍い

    かもしれないけど、もう行くしかない
    領域に僅かに取り付いていた四条貴音の黒が私の纏う防御系スペルに圧殺される
    構え

    やるっ!
    体と魔力が意思と共に動く
    何層も現れる輝く剣を空気と共に弾き飛ばしながら
    スファライの一撃は四条貴音の顔面を捕らえる
    砕ける感触と共に、重さが動く
    一体だった固まりが僅かな繋がりを残し分裂するように
    スファライ越しに感じる重さが、抵抗が、一気に細く、小さくなる
    砕け、弾けた頭から赤い血と白い頭蓋とピンクの脳と脳漿が花火の様に飛び散る
    血、肉、いやもう体液構成物全部ヤバいけど、そんな事言ってられない
    このタイミング。星井美希にサチコちゃんの【Recoil】が入るこの瞬間
    向こうとしては絶対に避けたかった筈なのに、動いてきた
    いや、恐らく、動くしかなかった
    もう待てないという事、空鳴拳か【Blaze】かどちらが効いたかは分からないけれども
    星井美希が復調するまで耐えることは出来なかったという事
    あっちも必死


    広げられた四条貴音の真っ白い両腕に両手
    動く
    頭を潰しても、私の方に
    思考
    判断
    覚悟
    決める
    上あごから上を吹き飛ばした右を引きながら
    構えていた左を同じ場所にめがけ打ち出す
    断面に突き刺さる左のスファライ
    僅かに残っていた胴体との繋がりも千切れ、首から上が刈り取られる
    でも
    これで終われない
    これで終わらせられない
    咽の奥、肺に圧力をかけるように止める息
    全身の動き、通わせている魔力
    その全てをスファライを握る両手に
    この連打に
    私に掴みかかろうとしていた白い手がスファライによって撥ねられる
    縦に潰れグジャグジャにひしゃげた四条貴音の指と手は背中まで吹き飛ばされた
    右も
    左も
    そして胴体も
    【Flight】で位置を調整しながらの滅多打ち
    はじけ飛ぶ血肉から感じる歪な魔力の流れ
    やっぱり予め自分の血肉に魔法陣を描いてたのね
    スペルどころか領域に魔法陣すら描いて居ないのは
    全く私に接近戦をして欲しかったから?
    ……いや、それなら逃げ道を塞いだり
    接近して叩けば間に合うかもしれないという状況の演出に利用した方が良い
    出来なかったとすると、サチコちゃんの【Cruel Ultimatum】で
    色んなスペルにロックがかかっていたっていう線が一番有り得そうね
    何にロックがかかっているかを確かめる時間は殆ど無かったでしょうし
    肉体を得て血肉に魔力を流し、最低限の防御をしつつ
    それを攻撃にも転用する方向にもって行ったって所かしら?
    でも残念
    急ごしらえの体だからでしょうが、血肉と魔力の結びつきが弱い
    今の私の魔力なら弾ける
    魔力の流れを、繋がりを、血肉を介していようと叩き壊すことが出来る
    そして
    これで仕上げ!
    腰から上を全て失った四条貴音の体
    グチャグチャになった骨と臓腑が覗く残った下半身に
    渾身の空鳴拳が撃ち込まれる
    裂いたように左右に飛んで行く両足と
    僅かに動き始めていた黒の向こうの魔力に突き刺さる衝撃
    まだこれで終わりじゃない

    四条貴音が終わっても星井美希がいる
    そして上にも
    空間の揺れを感じたポイントから、こちらに向かってきている何か
    今の私の領域じゃ位置ぐらいしか分からないけれども
    触れて感じる魔力は確かに
     (麗華!)
    この声。伊織も誰が来たか分かった様ね
     (四条貴音の方は何とかなった!
      今から星井美希をやるわ!)
    何が目的かは分からない。でも私にはやるべき事がある
    絵画に黒い絵の具が入ったスプレーを吹きかけた様に
    場に漂う四条貴音の魔力を宿す黒煙が、私の接近で一気に晴れる

    両手
    星井美希の魔力が集う
    でも
    だから
    どうしたのよ!
    ぐるりと回転する体
    両手のスファライが封じられるのと同時に
    生まれたばかりの姿の星井美希の体に私の踵落としが入った

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