第一次偶像戦争 【555】 [日高舞]
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第一次偶像戦争 【555】 [日高舞]

2019-12-08 22:00

     「ほ~、仇討ちかしら?」
    にしては自分を過大評価しすぎてるわね。
    貴音ちゃんの体を食べてミチルちゃんがどれ程強くなったかは分からないけど
    情報の更新がされてない状態でも、麗華ちゃんと伊織ちゃんの二人が相手。
    勝ち負けじゃなく、せめて一矢って奴?
    まさか貴音ちゃんと美希ちゃんを味方としてカウントはしてないでしょ。
    状況が状況だけにそう動く可能性はあるけれども。あくまで可能性。
    そもそも、私が知りうる限りミチルちゃんは感情的ではなくドライなタイプ。
    梓君が完全に消滅させられたのならまだしも
    この戦争じゃ復讐っていう動機で動いてくるとは思えない。
    じゃあ逆に助けに?
    一定時間連絡が無いと動くみたいに決めてた?
    ……ていうか、そこ決めてないと仇討も救出も何もないわよね。
    強い魔力の共振は伊織ちゃん以外感じられないし、空間の揺れも無い。
    外への連絡は今の所無し。ミチルちゃんの行動は独自の判断か
    予め決められていた事で間違いない。
    仮に救出だとするのならば
    貴音ちゃんと美希ちゃんは敵対してる場合じゃないから
    プレインズウォーカー二人相手にアズ君の退路を作ればいいって事になる。
    それならまぁ分からなくもないけど、シュウコちゃんも動いてないとおかしいわね。
    ただ、ミノリからの説明を聞いた限りだと、貴音ちゃんと美希ちゃんの肉体と一緒に
    二人は飛んだって言っていたし、わざわざ回収したものを食べたってのも腑に落ちない。
    救出への移行タイミングも早すぎる様に思えるけど
    こっちはちんたら待ってたら手遅れになるから、仕方ないって線は残るわね。
    ……まっ、色々ごちゃごちゃ考えたけど
    十中八九伊織ちゃんが動いて、その対応を迫られた結果って事でしょうね。
    答えはどうかしら?一体何なのかしら?
    教えてくれる?
     「ミサイル降らせてるから止めさせたいんだと思うわ。」
    やっぱり。ていうか言うんだ。
    舞ちゃん隠そうとする伊織ちゃんから答えを引き出す事が出来なくて残念。
     「今すぐ止めたら来ないかもしれないけど
      個人的にはこっちに来てほしいから騒がしくなるわ。
      それと、ミチルが接敵してきた場合
      私はここでの会話よりもそっちを優先させるから、先に謝っとく。」
    伊織ちゃんの視線が私を穿つ。
    ……いいわね。
    さっき終わったかどうか聞いたときは妙に言葉が丁寧で
    いつもの伊織ちゃんっぽくなかったけど、戻ってきてる。
    この私への敵対と抗いの視線。意思。
    ……ゾクゾクするわ。伊織ちゃんの戦い方は独特だし、面白そう。
     「分かったわ。なるべく長くはとらないつもりだけど。
      それにしても流石に育ちがいいわね。ちゃんと先に伝えておくなんて。」
     「天下の日高舞の前なんですもの。当然でしょ?」
    ん~、悪くは無いけどそういう認識未だに持たれてるのはアレよね。
    ……いや、この状況つくった原因なんだから
    身内とか仲間とか言ってられないのは当然か。
    ……舞ちゃんちょっつと年上だからとか、経産婦だからみたいな壁は無い……
    ……うん無い。あった場合殺す。
     「で、追加だけど
      麗華、ギリギリまで領域を広げるのは止めて。範囲広い方ね。」
    麗華ちゃんの超広範囲領域。
    あの力は中々面白いわね。
    メチャクチャな範囲に加えて、その中に入ってみた時の感じも特殊。
    それに、あの力とは別に……。
    じっと麗華ちゃんを見て得る確信。
    この子強い。前から強かったけど、暫く見ない間により強さが増してる。
    私の知らない内に何かあったのかしら?
    サチコちゃんが気に入ってるっていうのもそこら辺?
    前はそういう素振り無かった様に思うし。
    ……まぁ、有るにせよ無いにせよ、私は楽しめそうだから十分ね。
    伊織ちゃんの様な私への敵意は今の麗華ちゃんから感じられないから
    開始時と一緒で、この戦争に乗り気じゃ無い所は変わってなさそうなのが残念だわ。
    戦う気が無いのならこちらから襲えばいいだけだし、関係無いけど。
     「下手に干渉して逃げられるのを避けたい感じ?」
     「そんなとこ。」
    本命はミチルちゃんにつられて出てくるかもしれないアズ君の方ね。
    伊織ちゃんには瞬間的だけどかなりの範囲に領域を広げられる機械がある筈だから
    本当なら逃がすはずはなかった……っていう感じかしら?
    私への敵意は、私さえ居なければ、来なければっていうのもありそうね。
     「私からは以上よ。
      改めて、話を中断させてしまってごめんなさい。」
    ハッキリとした言葉で伊織ちゃんはそう言って。
     「問題ないわ。他には何か先に言っておきたい事がある人とか居る?」
    そう言ってざっと見まわすと、一人の手が動いた。
    細く、長く、白い手と揃えられた指先が
    手のひらをこちらに向けた状態で開かれる。
     「実はわたくしからも少し……。」
    意外な人物からの声。
    伊織ちゃんの目つきが少し鋭くなった。

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