第一次偶像戦争 【573】 [三浦梓]
閉じる
閉じる

新しい記事を投稿しました。シェアして読者に伝えましょう

×

第一次偶像戦争 【573】 [三浦梓]

2020-01-14 21:21

    肉体を捨て、魂だけの存在になった俺は
    ただ目の前に感じるミッちゃんの魔力を追う為に急加速する
    その瞬間、閃く。もしかしたらミッちゃんも逃げられるかもしれない方法を
     (ミッちゃん!もし伊織ちゃんが下の舞さん達に向けて攻撃したら
      この場からすぐに去って!)
     (えっ!?分かりましたッ!)
    突然の要求に戸惑いはしている様だけど、ミッちゃんはちゃんとやってくれるだろう
    逃げるんじゃなくて陽動。あくまで半分は。でも、半分で十分
    うん、こっちでいい。ていうか、やっぱりこっちしか無いわ
    探しても見つからず焦った所に、陽動と見せかけた動きをして
    そのままミッちゃんと一緒に逃げる方はやっぱりリスクが高い
    今のミッちゃんは俺の体を食べてるから、俺の魔力がミッちゃんの領域内にあっても
    不自然じゃ無いし、感知妨害もあるから見つかりはしないだろうけど
    伊織ちゃんがミッちゃんに対し攻撃してこないという保証も無い以上
    今のミッちゃんに通用するレベルのスペルが飛んできてそれに巻き込まれる可能性がある
    それを回避して一緒に逃げたければ、ミッちゃんの体内に入るしかない
    召喚契約もしてるから、よっぽどの長時間で無い限り普通なら何とかなる
    ただ、ミッちゃんの場合、消化器官側は魔力を分解吸収する能力のせいで無理
    そうなると、残るのはもう完全に出す器官である子宮しか無い訳で
    それをやると、やってしまうと、今後の関係に、物凄く、物凄く影響が出てしまう
    それが良い悪いは別にして。あと、バレた時の周りの反応も怖い
    ドン引きされる事は間違い無い
    やっぱりこっちは無いな
    ……しっかし、よく考えれば
    そういうプレイもやろうと思えば出来るのか……業が深いわ……
    ほんの一瞬の間に、光よりも早い速さで回る思考
    後ろ
    自分のすぐ後ろで強い魔力が、強いスペルが発動する
    動く?
    いや、まだ早い。まだ確認を取ってない
    雷に打たれていた時、舞さんの魔力を感じたし、伊織ちゃんの雷は下まで落ちていた筈
    それが確かなのか確認してからでいい
    伊織ちゃんがどう動いてくるか、それを見てからでもいい
    上に感じる伊織ちゃんの魔力
    俺は追っていたミッちゃんを追い越し、伊織ちゃんからは陰になる位置につく
     (盾にする形になってごめん!)
     (どんとこいですッ!)
    交わす言葉の終わりは大きな爆発だった
    ミッちゃんの体を挟んでも、入ってくる熱と衝撃
    俺は自分へのダメージを無視し、感知妨害をかけなおし、周囲を伺う
    炎ではなく爆発。感知妨害もほぼ無い。隠れてるのを洗ってきた感じか

    森の中に漂っていた魔力
    森の中を漂わせていた魔力が本当に物質を介しているなら、雷で焼かれてる筈
    くぅ!こっからじゃ分からないか!
    でも、まだ舞さんの魔力は残ってる!
    もう最悪、舞さんを盾にする。今も動いてきてないってことは
    伊織ちゃんに遠慮してるんだろう
    改めて考えても胎内回帰という選択を取れるはずがない以上、もう賭けるしかない
     (ミッちゃん!それじゃまた後で!)
     (はいッ!)
    離れ際、女の子盾にするわ、その後のことを全部任せるわ
    あり得ない回避方法を思いつくわ、もうホントこのまま退場した方が
    俺としては失うものが少ないんじゃないだろうかという考えが浮かぶも
    それを無視し俺は一気に森の中へと落ちる
    漂う伊織ちゃんの魔力は
    ッ無いッ!舞さんの魔力の周辺は!
    よし!とりあえず最初の賭けには勝った!
    俺は舞さんの魔力から10メートル程森側の位置に落ち、魔力の感知に意識を集中する
    舞さんの所を中心に20メートルぐらいは伊織ちゃんの魔力の範囲外か……
    崖側にも隙間があるから、抜けるならそこだな
    舞さんをぐるりと迂回する様に木々の根元を飛び
    崖の向こうへすぐさま飛び出せる位置を探る
    頭の上、木々の葉の向こうでは魔力のぶつかり合いが始まってる
    あとはタイミング
    『目』がいつ飛んでくるか、見逃さないように、見つからないように
    ……正直ここも賭けなんだよな
    伊織ちゃんの『目』が森の中を見透せたら……
    心臓に悪い綱渡りはまだ続く
    俺は崖に近く、それでいて俺は崖側から魔力を差し込まれても分からない様に
    大きな木の陰に隠れ、機を待つ
    ……すぐさま『目』が飛んでこなかったのは爆炎が引くのを待つため?
    それとも移動する所を掴むために少しラグを設けた?
    走る
    魔力が森を。崖から、森の中に
    伊織ちゃんの『目』が弾けた!
    動かないと!
    『目』による感知は一瞬!
    だからそこを回避すれば!

    漂っている伊織ちゃんの魔力が変わる
    繋がり、確かな流れが出来る
    ッ!やっぱこれ前に見た奴か!
    初日に麗華ちゃんと響ちゃんを見物しようと向かっていた俺達の足を止めたもの
    今度は壁じゃ無くて網
    その隙間
    閉じようとしている穴
    俺はそこに飛び込んだ

    広告
    コメントを書く
    コメントをするには、
    ログインして下さい。