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第一次偶像戦争 【742】 [モモカ]
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第一次偶像戦争 【742】 [モモカ]

2020-12-22 22:22

    手。わたくしを阻む、大きく開かれた手と腕
     「止めないで下さいまし!」
    舞様の体をスペルが、一対一の戦いに邪魔者が
     「行く事で舞様の足を引っ張る事になってもか?」
    ッ!……
     「それに、あくまで俺達がやる事は
      舞様が戦いに集中出来る様、煩わせる存在を排除する事で
      舞様助けるというのは仕事に入ってはいないし
      舞様もそういったものを求めていない。
      お前さんも分かってはいるだろ。」
    アメヒコの冷徹な言葉が続く。
    ……ですが……
     「今回の戦いを、舞様とサチコさんの戦いだと定義するならば
      それ以外の要素を処理するのが、わたくし達のやるべき事ではありませんか?」
    分かっています。そうじゃないと
    仮にそうだとしても、わたくしの力ではどうしようもないと
    しかし、今も舞様は囚われていて、このままでは……
     「そう定義するのであれば、間違ってはいないだろう。
      ただし、今回の場合は、既に舞様に干渉してしまっている時点で
      舞様の戦いの領分に入ってしまっているし
      干渉してきた相手が、単独で舞様と戦えるレベルの存在という点でも
      俺達が担当して良い場所ではないと俺は考える。
      一番大事なのは、舞様の気分を損ねる様な事態を、出来るだけ取り除くこと。
      確固たる定義が無く、あやふやなのは十分承知しているが
      舞様を相手にする上で、そこら辺の柔軟性は必須じゃないか?」
     「そんな事は承知の上です!
      ですが、このままでは!」
     「舞様が負けてしまう?」
    …………
     「お前さんはこの戦争を真面目に受け取りすぎだ。
      別に舞様が負けてもいいじゃないか。」
    しれっと、開き直っている様な素振りも見せずに、アメヒコはそう言って。
     「貴方はそんな覚悟で!」
     「無論、負けて欲しい訳でも無いし、手を抜いてもいない。
      ただ、俺達が舞様の勝利に全力で動き
      時には捨て石になる様な行動を取ったところで、舞様が喜ぶと思うか?」
    考える舞様、想像する舞様、共に、そういった行動を取ったわたくしに向けられた視線は
    面倒な相手と関わっている時のそれと同じ。
    ……けれども……
     「それならば、どうしてわたくし達はここに……この戦争に……。」
    舞様と直接関わった、スペルや攻撃が通った時点で、舞様の戦闘の領分に入り
    それを舞様が不快に思わないのであれば、わたくし達が居る理由は……。
     「さっきも言っただろう?舞様が楽しいと思うか、そうで無いか。
      俺達の担当は、そうで無いの部分。
      ひとりふたり、纏わり付く虫の様に、意識を乱す者が居るのはまぁいいとして
      その数が増えてくると、不快感の方が強くなるだろう?
      そこを間引くのが俺達で、あとは城の管理や、生活面でのサポートも。
      十分に仕事はあるじゃないか。
      むしろ戦っている時間の方が圧倒的に少ないんだから
      舞様が問題無くその時間を楽しめるよう、他の部分を支えるというのは
      一番重要な仕事と、俺は思う。」
    アメヒコの意見は筋が通っていた。
    ……いつものわたくしなら、多分納得できていたと思います……。
    日々の生活を支える事が一番……までは思えないかもしれませんが
    わたくし達が戦闘の役に立っていないからといって、ここに来たのは無意味だとは……。
    ……いえ、いつものわたくしでも、無意味と思っていたかもしれませんね。
    わたくしに無いもの……それは実力に裏付けされた自信……
    それを何かひとつでも明確な功績を残す事で補おうとしている……のでしょうか……。
    それに、やはりわたくしは、舞様に負けて欲しくは……
    ……舞様のお気持ちを考えるよりも、自分の感情や利益を優先させる……
    その上、舞様の強さを信じる事も……
    ……従者としても、わたくしは……
     「まぁ、お前さんの場合、一度やらかしておくのも悪くないかもしれないな。」
    反射的に、わたくしはアメヒコを睨みつける。
     「もう既に、わたくし達はやらかしております!
      お酒を盗まれた事を忘れたのですか!?」
    そう、わたくし達は未だマイナス。
    舞様のこの星での日々を支えたとしても
    その日々の中で得るはずだった幸せが、わたくし達のせいで失われてしまった。
    それなのに、補う事も出来ず、ただただ時間だけが、日々だけが……
     「おっと、そうだった。
      それならお前さんは、もう十分働いてるじゃないか。
      あの酒好きの舞様が、酒抜きで数ヶ月、ストレス無く過ごしてるんだから。」
     「そんなことッ……。」
    ……安易に否定は出来ない所が怖ろしい。
    元の世界だと舞様は本当に、毎日浴びるように飲んでいたから……。
    ですが、それはわたくしの力では無く、ただ単に
    舞様はお酒が好きなだけで、依存はしていなかっただけでは……。
     「まぁ、一度は止めたが、これ以上止める気は無いさ。
      後はお前さんの好きにしたらいい。
      舞様はお前さんの行動を実際の所、どう思うかは分からないが
      それが切っ掛けで、お前さんを切る様な事も無いだろうしな。」
    アメヒコの笑み。
    そう言われると逆に動けなくなると分かっている……という事ですわよね。
    …………
    ……本当にそう……何も間違ってはいない……
    ……こんな反応をしてしまう……どうしてわたくしは、未だ子供なのでしょう……
    ……未だに、色々な事に答えを出せないでいるのでしょう……。

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