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第一次偶像戦争 【743】 [東豪寺麗華]
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第一次偶像戦争 【743】 [東豪寺麗華]

2020-12-24 22:44

     (ノノ、何か感じる?)
    私が居るのは最前線で、既に一撃をかましている。
    戦いは今にも始まるかもしれないし、要件だけ話した方がいいと思うけど。
     (な、何か感じるもなにも、舞さんが居るだけで……もう……。)
    あぁ、そりゃそうね。
    感じる感じないの二つじゃなくて、もっと微細な変化について聞くべきだったわ。
    まぁ、もう時間は無いし、そこら辺の出来る出来ないは、片付いた後にしましょ。
    出来ないのなら、今後の課題に。出来ているのなら、より具体的に。
     (ともみが周囲に居る可能性があるから気を付けておいて。
      というか、冷たい事をいうと、全員覚悟した上で行動して。)
    ともみが動いて来た場合、半壊かそれ以上になるでしょうね。
     (了解ッス。
      師匠は能力使う感じッスか?)
     (いや、私だけでやるわ。)
    スリヴァー同士で繋がってた方がやり易いでしょうしね。
    さて、それじゃ。
     「今すぐやってもいいけど、先に聞いておくわ。
      ……いえ、警告かしら。」
    私と伊織に敵対するという事の意味。
     「一体なに?」
     「聞きたいのは、ともみと一緒に来てるかどうか。
      警告は、敵対するのなら潰す。これだけね。」
    多分、来てる。
    いきなり私の所へ乗り込んで来て、強くなりたいとか言い始めたともみなら
    勝ち負けは別にして、この状況を利用しない筈は無い。
    水谷絵理がともみを食わずに居たのも、こういう時にともみを使う為だろうし。
    ……ただ、そこに引っかかりも残ってる。
    他と組む事は利点ばかりじゃない。
    特に今の、舞さんがサチコちゃんを狙ってくるタイミングを
    狙い澄ましていたのであれば、私が関わっている事は承知の筈。
    そして私とともみには長年の付き合いと信頼がある。
    それなのに、水谷絵理はともみを残した。
    伊織の監視をかいくぐって、ほんの数時間前に動き始めたのなら納得出来るけど
    私の所か、舞さんの城に張り付いていたのなら、その間にともみが動く可能性がある。
    口封じなり、練習を超えた殺す殺されるの戦闘があれば、伊織が観測できてる筈。
    仮に派手に戦わずに暗殺に成功していたとしても、この戦争じゃ封じられて終わりなんだから
    退場者が集まる塔の方でやられた事を確認できるし
    塔に飛ばされる姿を伊織が見落とす訳はない。
    今のサチコちゃんみたく、捕縛に遅延を入れる事もできるでしょうが
    それでも何日もかけてみたいなのは無理。その間に逃げられちゃう。
    ……やっぱり、可能性としてはついてきているっていうのが一番高いわね。
     「残念だけど、わたしは自分の手の内を言うタイプじゃない?
      それに、警告の方は当たり前?」
    水谷絵里は軽く笑いながらそう言った。
     「そうね。まぁ、気分の問題よ。
      一応警告はした。その建前が欲しかっただけね。」
    あともう一つある。ただ、そちらは……
     「殺し合いなのに、おかしい?」
     「友達だから。そんなにおかしい?」
     「うん、おかしい?」
     「そう、ならそれでいいわ。」
    嫌な言い回しをしてしまうのは、サチコちゃん程ではないけれども
    水谷絵理にも涼君に関する部分では良い印象を持っていないせいだろう。
    今の『友達』や、さっきサチコちゃんとの会話で出てきた『クラスメイト』という言葉は
    ひょっとしたら、心のどこかで
    水谷絵理への攻撃手段として、選んだ言葉だったのかもしれない。
    今の所効いてる様子は無いけど。
     「もう他に言う事は無い?」
     「……あるにはあるけど、まぁどうなるか分からないし止めておくわ。」
    万が一……
    ……どうなるか分からないものをいきなり試すって、私もイカれてるわね。
    奥の手としておくべきなんでしょうが
    隠せないレベルで使った場合、どうなるか全く分からないし
    結局、そのレベルでの運用の練習なりをし始めると、周りにはバレてしまう事だから
    やっぱり今日、この場で試しましょ。
    ただし、眷属の子達は巻き込まない様、細心の注意を払って。
     「それじゃあ……」
     「待った!待った!」
    動こうとしていた体と魔力が、大きな声により止められる。
    声の主は、大きな戦闘後かつ、今も全身を縛られている状態なのに
    発せられた声は、一切そんな状況を想像させない、溌剌かつ、妙に呑気な声だった。
     「能力の名前の件、二人とも知ってるでしょ。
      いい機会だし教えてよ。」
    いい機会……。
    ……まぁ、次はもう戦争が終わった後になるかもしれないから、そうなるか。
     「……私の能力の名前は《With U》です。」
    名を言った直後から、私の内側に湧いてくる恥ずかしさのようなもの。
    けれども、そんな私の内に現れた感情は、こちらを見る水谷絵理の嫌らしい笑みにより
    粘つく様な怒りへと変化して。
     「ストレートな名前ね。
      んで、絵理ちゃんは?」
     「わたしの能力の名前は……。」
    ちらりと水谷絵理がサチコちゃんの方を見たのが分かった。
    サチコちゃんの捕縛がゆっくりなのは、明らかにわざと。
    舞さんや私が負ける所をサチコちゃんに間近で見せつけたいんだと思うけど
    能力の名前も何かしらサチコちゃんを意識してのもの?
    それとも、サチコちゃんの向こうに居る……
     「……《Swallowtail Butterfly》」


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