ユーザーブロマガは2021年10月7日(予定)をもちましてサービスを終了します

第一次偶像戦争 【777】 [日高舞]
閉じる
閉じる

新しい記事を投稿しました。シェアして読者に伝えましょう

×

第一次偶像戦争 【777】 [日高舞]

2021-03-02 22:00

    おっ、あれね。
    城壁の上から見た空。水色と白の中にある不審な点。
    小鳥達が来た山側からじゃないし
    感知妨害も全くだから、見つかることは大前提として動いてるわね。
    しっかし、何の用かしら?サイネリアちゃんと律君の二人と戦ってからちょっと空いてるし
    フウカちゃんも他の所に行ってて、伝言か何かで使わされた感じ?
    そのまま間髪入れず戦闘か、陽動で次の瞬間戦闘開始みたいなのを期待しちゃうけど
    残ってる陣営を考えると、期待しすぎるのは良くないわね。
    北斗君と小鳥の所と接触できたのならワンチャンぐらい?
    やっぱ期待薄だわ。ていうか、そもそも
    そういうの積極的にやってきそうなの、絵理ちゃんぐらいよね。
    伊織ちゃんはこんな手を使わずに、最初から飽和火力での殲滅でしょうし
    りっちゃんも、こういう手をやってくるイメージはあんまり無い。
    意識誘導っていう観点からすると、貴音ちゃんと北斗君は何か仕込めそう。
    あとは会話中は足を止める可能性が高いし、美希ちゃんの狙撃も生きるわね。
    半分以上、もう退場しちゃってるんだけど。
    むぅ……北斗君と小鳥かぁ……
    …………
    ……まだ動かなそうかな?
    りっちゃんと冬馬くんか
    麗華ちゃんと伊織ちゃんの、どちらかが退場してからって感じかしら?
    特に伊織ちゃんは面倒よね。
    私も伊織ちゃんに殺す意思があったのなら、既にこの戦場から退場してる訳だし
    常に一番美味しい所を持って行ける立場に居る者が、残っているっていうのは
    どうしても動く側に二の足を踏ませちゃう。
    もっと派手なドンパチと、情報の錯綜があるかと思ったら全くだったのは、そこよね。
    それに加え、退場者が分かるっていうのも良くなかったわ。
    実は生きて隠れてましたっていうのが出来ないし。
    最初だからって分かりやすさを重視したらこの様。
    次はもうちょっと、ルール調整しないとね。
    情報力っていう伊織ちゃんの強さを否定せずに……となると、準備期間の排除?
    常にプレインズウォーカー組の場所が分かるっていうのも
    確実に効果があるでしょうが、そうなると隠れられなくなるし
    隠れる事を許すと、指先一つで、姿を見せずに大量破壊出来る伊織ちゃんが
    ムチャクチャ有利になるのよね。
    ただなぁ、最初に伊織ちゃんを袋叩きにする戦いっていうのもアレ。
    となると、交戦や発見した情報を共有できるシステムとか……。
    ……けど、それも問題よね。負けそうになった方が、今交戦してるって情報流す様になると
    一番得するのは、後から来た第三者。
    漁夫の利狙いで集まった者同士の衝突もあり得るでしょうが
    どちらにせよ、事態を動かした者が不利になるっていうのはやっぱり避けたい。
    リスクとリターンのバランスよね。
    ……まぁ、グダグダ考えた所で、結局私が楽しめるかどうかだし
    ルールでの調整よりも、次はもっと欲望に忠実に動く方向でいきましょ。
    平たく言えば、次回は最初から動く。
    順番に全員ボコボコにして、見逃すを繰り返して、戦況に無理矢理流れを作る。
    私が直接戦闘をするんだから、私を倒すチャンスも増えるし
    それをキッカケに動き始める子も出て来るでしょ。
    あと、定期的に伊織ちゃんの基地と船は潰す方向で。
    最終的な序列決定の時に、他者の拠点や構造物・工作物を
    どれだけ破壊したかっていう部分も、大きなポイントを占めるようにすれば
    今の伊織ちゃん優位な状況も多少マシになるかな。
    どう証明するかが問題だけど、どうせ身内の事だし
    嘘ついて不信買うのもバカらしいぐらいの空気にすれば、何とかなるでしょ。
    ……さてと、まだこの戦争が終わってないのに次を考えた私は、敗北フラグが立ったわよね。
    いや、立ってるなら、思考が終わる前に、背後からぐさーみたいな感じだろうけどさ。
    ん~、期待しちゃダメって分かってるのに期待しちゃうわ。
    久しぶりのお酒のせいかしらね。ホント美味しかった。早く続き飲みたいぐらい。
    まだ遠くに見える姿。
    フウカちゃんが来るまで、もうちょっと。
    モモカはシューコちゃんに対してもまだ気を許してないし、緊張が続くわね。
    男共は酒飲んだり、お茶の準備したり呑気なもの。
    私もゆっくり待ちましょうか。
    城壁に腰をかけ、足をぶらぶらさせながら少しずつ大きくなる点を眺める。
    さぁて、どうなるか。
    ……最悪のパターンだと、ガチ泣きされて、ガチ説教?
    んで、それ聞いても私ヘラヘラしてて、余計怒って、余計に泣くのよね。
    ん~、それは困る。けど困るからって自分を曲げる方向で行くのは嫌。
    泣こうが喚こうが、私は私で行きましょ。そういうパターンでも。当たり前だけど。
    シューコちゃんは、こういう時回避するタイプかな?面倒事嫌いそうだし。
    ずっとヘラヘラしてる私に呆れて、フウカちゃんがシューコちゃんの方に泣きつき始めたら
    中々いい酒のツマミになりそう。ニヤニヤしながら横でお酒飲も。
    そんな妄想をする私をよそに、フウカちゃんは目の前を通り過ぎて城門の前に降り立つ。
    感知妨害を張って警戒してる者が居るって事はフウカちゃんも分かってる。
    ここまで来たら、そこを牽制しても意味が無いし、覚悟なんてとうに決まってるか。
    まさか日高舞が姿隠してすぐ前に居たとは……思うかな?想像はしてそう。
    んじゃ、驚かない?ちょっと楽しみ。
    体が浮かぶ。くるりとひっくり返りながら、私も下へと降りる。
     「ご……ごめんください……。」
    か弱い声。誰かを呼ぶ気があるとは思えないような。
     「はいはい。」
    私の目の前の背中が飛び上がる。本当に体が飛び上がって、今は震えてる。
    驚いた?想像してた?でも現実味は無かった?
    私の方はこの反応だけでも割と満足してるわ。ありがと。
     「驚かせてごめんごめん。
      まぁ、敵地に来るって事はこういう事よ。
      で、何か用があって来たんでしょ?」
    体の震えがゆっくりと収まっていく。肩でしていた呼吸も落ち着いていく。
     「……はい。」
    フウカちゃんは静かにそう言うと、私の方へふり返った。

    広告
    コメントを書く
    コメントをするには、
    ログインして下さい。