ユーザーブロマガは2021年10月7日(予定)をもちましてサービスを終了します

第一次偶像戦争 【802】 [三条ともみ]
閉じる
閉じる

新しい記事を投稿しました。シェアして読者に伝えましょう

×

第一次偶像戦争 【802】 [三条ともみ]

2021-04-22 22:04

    重く熱い光が私を通り抜ける。
    焼かれる領域。周囲の空気に結びつけた魔力も、大半が焼け焦げ、そのまま壊れてしまう。
    私の肌でも感じたけれど、物質内への魔力への干渉能力もそこそこあるわね。
    光を媒介というか、可視光線を中心に置いた電磁波全般って感じかしら。
    私の『空気』もそうだけど、『光』もその実、かなりざっくりとしたくくりよね。
    ……しかし、ほぼデフォルトで威力を上げただけの【Armageddon】でも
    空気に結びつけた魔力をここまで削ってくるか……。
    やっぱり、空気は物質的な面での軽さと遮蔽能力の低さが致命的ね。
    魔力が乗っていない状態なら酸素分子や水蒸気分子で吸収される筈の遠紫外線とかも
    魔力を宿した事で貫通してきてる様だし……。
    ……そこら辺はもう仕方がないとしても、まだまだ発展の余地はあるわね。
    まだ試せていないこともあるし、考え方を変えるという方向もある。
    視線。
    【Armageddon】を放ってから、ずっと下がっていた、あずささんの視線が上がってくる。
    今にも謝ってきそうな、辛く、申し訳ないという表情と瞳。
     (私は大丈夫ですから、気にしないで下さい。)
    声をかけてはみたものの、私が大丈夫なのが
    あずささんにとって、良いことなのか悪いことなのかは、分からないわね。
    ……正直、そこまで私自身、あずささんを気にしているかも。
    だって私は、そんなことを言いながら、周囲の空気に自分の魔力を再び結びつけている。
    あずささんを慮るよりも、もっと出来る事が無いか模索する方が、大事だと思っている。
    辛く、苦しく思っているあずささんを前に、私は楽しんでいる。
     (……はい……それでは、皆さんに大丈夫か聞いたあと
      次の……【Wrath of God】を使いますね……。)
     (お願いします。)
    あずささんの声には、後悔の色が滲んでいた。
    サナエさん達はどうだろう?ここからだと今の所平気な様に見えるけれども
    とりあえず次の【Wrath of God】を試してみて、続けるかどうかって感じかな?
    ……まぁ、そこら辺はあちら側の話。私は私でやるべきことをしましょう。
    ゆっくりと、丁寧に、周囲の空気に結び付けられていく魔力。
    ……物質と結び付けた魔力は外からの感知がされにくくなる。
    その性質をもっと利用する方向で
    空気に私の魔力を、限界まで結び付けてみるのはアリだと思う。
    勿論、強い魔力を結び付けてしまったら、いくら軽い空気だろうと
    空間への固着が強くなってしまい、抵抗が上がり
    そこで私の魔力の存在に感づかれてしまう。
    ……でも、逆に、そこを利用できないかしら?
    今でも、ある程度、敵を避けるというか
    対象の周囲には、動きを感知するためだけに、ごくごく弱い魔力で包み込み
    そこから得られた対象の動きを、外にある、より強い魔力に伝え
    動き出した対象を阻害しない様に、即座にこちらも反応し
    避けたり、動いたりする様な、プログラムに近いものを、自分の魔力に組み込めてる。
    この私の魔力の挙動を、もうちょっと伸ばした上で、戦闘で魔力を宿した風を使い
    空気に魔力を混ぜていると、こちらからあえて相手側に分からせる。
    そうやってあえて感じさせている部分と、避けて感じさせない部分を生むことで
    相手側に私の領域や魔力で囲われているという事を悟らせない様に……
    ……みたいな事が出来る様になるのが理想。
    広く張った見えない領域隠し通す、風を使って戦う
    その二つだけじゃない、もっと幅のある戦い方。
    それに、見えない魔力を強く外部にてんかいしておくというのは
    【Armageddon】や【Wrath of God】だけじゃなく
    スペル全般への緊急レジストにも使えるから、絶対に無駄にならない。
    絵理ちゃんとの練習だと
    【黒】の精神浸食系スペルが怖くて中々出来なかったけど、今は違う。
    具体的な目標のイメージを今日、ここでものにして、それが完成したら
    【黒】への回答も見つけよう。
    ……よし……やる。
    決意。自分でも驚くような。
    アイドルとして活動してる時も、こんな積極性は私には無かった。
    命に関わることだから?
    ……でも、それならこの戦争が始まる前から、積極性や、やる気を持っていた筈。
    ……きっと色んな要素が絡み合って、今のこの私が居るのよね。
    麗華と離れて、私についてきてる子が出来て、好きに生きる人達を見て憧れて……
    ……そっから先は、達成感みたいなものもあるわね。
    教えられるだけじゃなく、自分で考えて、自分のやり方を探して増やしていく……。
    ……いや、そんな大仰なものではなくて
    ただ単に、与えられたもの凄く大きな自由を、やっと活用し始めただけかもしれないわ。
    とりあえず今は楽しい。少なくとも、私はそうですよ。あずささん。
     (……では、いきますね。)
    重く、不安そうな言葉。
     (はい。)
    けれども、止めてとは言わない。今の私は。
    次の魔法陣が輝く。
    また強い光が、真っ白な世界が、私の目の前に広がって。

    広告
    コメントを書く
    コメントをするには、
    ログインして下さい。