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第一次偶像戦争 【806】 [三条ともみ]
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第一次偶像戦争 【806】 [三条ともみ]

2021-05-01 22:00

    案の定、防御系スペルに防がれたわね。
    あずささんは元々防御に長けてる【緑】と【白】使いな訳だから
    気づかれないレベルの領域で描いた私の【Stupor】なんかじゃ、浸食も難しいか。
    空気から分離した魔力で、多少領域を強化したぐらいじゃ意味はないわね。
    まぁ、そういった事が出来るという事が分かっただけでも大きな収穫。
    遠距離で同時に複数の【色】を抽出、変換し、そのまま魔方陣を描くという行為も
    こういった戦闘行為の最中にやるのは初めて。出来ただけでもかなりの経験値になってる。
    ただ、あずささんが待ってくれてるからこそ出来たとも言えるから
    実戦で使えるかは、まだ未知数の域のまま。
    とりあえず、スタートラインは越えられたぐらいかしら。確実な部分は。
    現状の把握に一区切りを付け、私は傍らに感知妨害をかけた
    【Distress】の魔法陣を抱えたまま、あずささんの背中に向けて加速する。
    風に乗り、より分け、姿も音も隠しながら、あずささんを目指す。
    あずささんの視線は、私が残してきた幻の方に向いたまま。恐らく意識もそう。
    接近戦は避けたいけれども、今なら多分、至近距離で【Distress】をぶつけられる。
    段階的には、至近距離での戦闘に移るよりも前に
    中~遠距離から強めのスペルを放ってみて
    そこから今のあずささんの防御系スペルを打ち抜けるかどうかを確かめるべきだろうけど
    いつまであずささんが足を止めてくれているか分からないし、チャンスは生かすべきよね。
    二重に描いた魔法陣のうち、感知妨害をかけず、私の幻の傍に残してきた片方は
    持ってきた方を近距離で放ってから、時間差でそちらも発動させましょうか。
    広く領域を取っているから、そこら辺の操作が楽なのは救いね。

    あずささんを貫くよう伸びる。今も生まれ続ける無数の黒い腕
    一軒家に使われる角材の様な太さを持つそれらの間を縫って
    私はあずささんの背後を取る。
    傍らにあった魔法陣が、私の右腕に取り付く
    右腕が中央部を貫く様に取り付いた【Distress】の魔方陣は
    キュンと圧縮され、軽自動車のタイヤ程になった。
    あずささんが纏う複数の防御系スペルのうち
    今、私の【Stupor】を弾いているのは恐らく【Feat of Resistance】
    それをバリアの様に展開して防いでいる。
    この手のスペルをバリアとして発動させた場合
    一定以下の攻撃を止める力は強いけれども
    それ以上の威力のスペルや、直接殴りつけて壊してしまえば、一気に無力化出来る筈。
    近づくことを恐れなければ、斥力の様に常に外側への力がかかっているタイプや
    体に宿し肉体側から耐性を上げるタイプよりも、やりやすい。
    当然、それらのタイプの防御系スペルも、あずささんにはかかってるから
    【Feat of Resistance】のバリアを突破し、至近距離で【Distress】を放った場合
    あずささんの精神まで接続できるか、出来なかったのなら、どれぐらい近づけるか
    それを知るための一撃。
    というか、これでダメなら、今の私だと直接殴りつけるしかなくなるか。
    プレニタスヴェルガかティソーナを握ればまた違うんでしょうが
    その段階に行くにはまだ早い。あずささんが本気で来たのなら急いで出すけど
    本気に
    なるかな?
    右手。【Distress】の魔方陣を宿している側の手。
    私はその手を、傍にある黒い柱に突っ込む。
    黒い柱の中の魔力の流れは、見事に【Feat of Resistance】によって押しとどめられていた。
    バリアタイプとはいえ
    ベースの【Feat of Resistance】はプロテクションを与えるタイプのスペル。
    壁の様に防ぎつつ、弾く力もしっかり維持してる様ね。
    というかこれ
    壊せる……わよね?
    完全に、もう本当に箱詰めされたかの様に【Stupor】が抑え込まれているから
    流れを感じるだけじゃ、どの程度の強度なのかが全く分からない。
    これが私が今戦っている相手
    三浦あずさという存在
    水谷絵理とは違う、真っ直ぐな強さ
    私の小細工は、そんな相手にどこまで通用するかしら?
    恐怖と、好奇と、興奮と
    自分だけで前に進む時のいつものメンバーが、私の内側で叫び出す。
    顔を覚えたのはここ最近なのに、私に遠慮なんかなしで、大声で叫び出す。
    瞳の奥。瞳孔が開く
    柱の端
    押さえつけている境界
    そこに指が触れる
    指先にかかる力
    いけ
    るッ!
    指先にかかっていた力が消える
    シャボン玉が割れた様に、一瞬で消えて無くなる
    ここで!
    堰き止められていた【Stupor】の黒い柱が一斉に動き出す中
    私は伸ばした右手から魔力を発し、あずささんの領域の中に自分の領域をねじ込む
    こういう時干渉力の低さは致命的。だからもう、ギリギリの所でいい
    腕に纏わせていた【Distress】の魔方陣が指先の方へと動く

    指を抜けて、すぐ
    そこが限界か
    ならもうそこで!
    私はこちらへふり返ろうとしているあずささんに向け【Distress】を発動させた。

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