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第一次偶像戦争 【828】 [水瀬伊織]
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第一次偶像戦争 【828】 [水瀬伊織]

2021-06-14 22:22

     「涼絡みの話はもういいわ。私には理解出来ないし
      変に首を突っ込むのもズレてるから。
      だから、麗華、どうしようも無い時は頼りなさいよ。
      アンタが無理なら、私が涼に文句つけてもいいわ。」
    ……一応、言葉の上では一歩引いてはいるけれども
    涼の場合、恋愛関連で終わらない可能性もあるから
    麗華を通さず干渉はしないっていう保証は、厳しい所がある。
    ……正直、涼はもう、人間っていう存在に、嫌悪を越えて興味を失いつつある様だし
    愛や真がこっち側に来たら、本当に終わるかもしれない。
    ……律子が危惧してるのはそこよね。
    当の律子も、ヤバい方に足突っ込んでるように見えてきたけど。
    ……とにかく、何か起こった時、力が無いと、どうしようもない。
    話が通じないのなら、相手を組み伏せるか、叩き潰して消し去る他ない。
    そういった存在が身内に現れないなんて、誰にも言い切ることは出来ない。
    ……勿論、私がそうなる可能性だって……。
    ……だから、そうなった時は、私を正せるように、殺せるように、アンタには……。
     「そういう所、本当におせっかいね。」
    麗華は笑いながらそう言って。
     「仕方ないでしょ。そういう性分なのよ。」
    我が儘も許される、カリスマを持ったお姫様キャラが理想だったけど
    結局の所、私はお姫様じゃなくて、愚民を導く女王だったのよね。
    世話焼きっていうのも、人心掌握の一部。
    というか、伊織ちゃんは天才過ぎて、何でも出来るのは当たり前で
    自分のやるべき事を完璧にやっても、まだまだ余裕があるぐらいだから
    出来ない奴を見てられない。それだけ。
     「……もし、伊織から見て
      私が間違った道を選んで、話し合ったとしても譲らなかったら、どうする?」
     「話してもダメなら
      次はコミュニケーションが取れないレベルまでボコボコにするわね。」
    だってそうするしかないじゃない。
     「消し飛ばしはしないんだ。」
    ……
     「……アンタはどうなのよ。」
     「……消し飛ばすまではしないとは、言い切れないわ。
      私はそういう女よ。」
    そういう女。……なにが『そういう女』よ。
     「友情よりも恋って事かしら?」
    チクリとした嫌味。
     「そうとも取れるし、涼君が関係無い所での問題だとしても、きっと嫌だと思うのよ。
      曲がった伊織、変わってしまった伊織を、私はきっと認められないと思う。
      自分と親友の美しい思い出のために、今の親友を消し去る。
      ……私はそういう事が出来るタイプよ。」
     「……醜い未来よりも、美しい過去って事ね。」
    身内だけに限っても、同じ思考を持っていると確信できる相手が、麗華の他にもすぐ浮かぶ。
    で、そろいもそろって涼絡みが多い。
    ……アイツが、周囲をそういった方向に持っていくのか
    それともそういう性格の奴が、アイツに強く惹かれるのか。
     「……その時は頼むわね。」
    その時。
    見上げた麗華の表情は、今にも消えてしまいそうな、儚い微笑で。
     「えぇ、頼まれてあげるわ。ただし、私のやり方でね。」
    そこまでアンタのルールに従う必要は無いでしょ?
    それに、アンタが思ってる程
    私を消し飛ばすかもしれないって所、悪くは取ってないわよ。私。
     「……ありがとう。」
     「別にお礼を言われる様な事じゃないわ。
      アンタの願いなんて関係なく、アンタが過ちを犯しそうなら私は動くわよ。
      どんな手段を使ってでもね。
      ……だから、麗華も、頼むわよ。」
     「……分かった。
      正しく判断できるか分からないけど、伊織が道を踏み外しそうなら、私が正すわ。」
    正しい。正しくない。
    その基準は何?それは誰が決めたの?
     「……正しくなくていいわ。
      気にくわない、美しくないで十分よ。」
    正しさなんてなくていい。私を裁くのは、アンタの感情だけで十分よ。
     「そっか。
      ……そうね。伊織の生き方は美しいから。」
     「そうよ。だって伊織ちゃんなんだもの。
      そんで、アンタは麗華でしょ。私の親友の。」
    麗華を肯定している様で、その実は違う。
    この言葉は、私の願い。
    そうあって欲しいと、これから先も、私の知っている麗華で居て欲しいという願望。
     「……そうね。
      そうありたいわ。ずっと。」
     「なら努力しなさい。
      ずっと伊織ちゃんにふさわしい様に。」
     「……プロポーズか何かかしら?」
     「冗談が言えるのなら十分ね。
      さっさと次行くわよ。」
    話がさっきから進んでなさすぎるのよ。
     「舞さんの件でいいのよね。」
    進む。話が。
    少しの後悔が、私の胸を焼く。自分でやった事なのに。
    ひょっとしたら、こうやって二人で話すのは、この戦争では最後かもしれない。
    そう思うと、少し怖くて、残念で。
    ……麗華と戦う事自体は。特に嫌とか、辛いとか思う所は無いのに、変な話ね。
    ……でも、やるしかない。進むしかない。……そうよね。麗華。そして律子。
     「そう。
      ……麗華、アンタ、日高舞と真正面から戦いたい?」

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