【怪談朗読】ひとつ目のおじさん【2ちゃんねる】
閉じる
閉じる

新しい記事を投稿しました。シェアして読者に伝えましょう

×

【怪談朗読】ひとつ目のおじさん【2ちゃんねる】

2016-09-10 21:41
    【厳選】 怪談・都市伝説・怖い話まとめ より
    怪談朗読用に、一部改変


    ひとつ目のおじさん


    子供のころ、家族で山に行ったことがある。

    山についたのはまだ朝方で、

    霧が辺りを覆っていた。


    僕は親の言い付けを守らず、

    一人で山の中へと入り、

    当然のように、迷子になってしまった。

    何時間歩きまわっただろうか。

    太陽はすでに頭の上にあり、

    お昼を食べ損ねた僕は

    半ベソをかきながら座り込んだ。


    ふと気が付くと、

    泣いている僕の傍らに人が近づいてきた。

    両親かと期待したのだが、

    まったくの別人だった。


    その人は、奇妙な姿をしていた。

    毛皮らしい服と麦藁で編んだ帽子。

    そして、恐ろしく背が高い。

    僕の父より頭二つは確実に大きかったと思う。


    呆然としていると、その奇妙な人が話し掛けてきた。

    ひどく訛っていて、何を言っているのかよく分からない。

    かろうじて

    「迷子か?」

    という言葉だけが聞き取れた。


    僕がうなづくと、その奇妙な人はしばらく迷った後、

    僕を連れて歩き出した。

    なぜか、すぐに見覚えのある場所に出た。

    親の声も聞こえる。

    いつのまにかまた一人になっていた。

    親はすぐに僕を見つけてくれた。


    ・・・なぜかこの体験を僕は忘れてしまっていた。

    つい最近、久しぶりにこの山へ行き、

    そこで思い出したのだ。


    家に帰って親に尋ねてみた。

    両親は僕と違って憶えていた。

    「いきなり目の前の茂みから、

     お前が出てきたんだ。

     何処行ってたと聞くと、

     お前は変なこと言ってたぞ」

    親はそこで奇妙な顔になって続けた。

    「背の高い、一つ目のおじちゃんに

     連れて帰ってもらった

     お前、そう言ってたんだ」

    全然憶えていない。

    僕は自分を助けてくれた人の顔を

    思い出せないのだ。

    本当に一つ目だったのだろうか……


    あれから何度かあの山をうろついたが、

    誰に出会うことも無かった。



    広告
    コメントを書く
    コメントをするには、
    ログインして下さい。