冥加式・立ち絵色変え講座
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冥加式・立ち絵色変え講座

2016-09-11 18:44
  • 1
序文



 この文書は、筆者・冥加Pが動画『のんびりまったり冒険物語in自由都市同盟』で使用している色変え立ち絵の作成手順を書き記したものである。主な目的は二つ。備忘録とするため、そして私と同様に立ち絵の色変えを行いたい人への教授のためである。私の技術と文書が、多少なりとも人の役に立つならば、僥倖である。
 なお、本文書は所謂"福笑い式"ではなく、立ち絵セット……差分ごとの完成品画像が一纏めになったものでの色変えを想定している。了承されたし。


用意するもの
・立ち絵セット
 何はなくとも加工元の素材がなければ始まらない。ちなみに私は、765ASの13人に関してはこちらで配布されているものを使用している。


・画像編集ソフト「GIMP」
 おそらく他の画像編集ソフトでも同様のことはできるかと思われるが、ここでは入手・操作のしやすいGIMPを使用する。以下、操作方法もGIMPに準じたものとする。
http://forest.watch.impress.co.jp/library/software/gimp/



加工手順

手順1.加工する立ち絵(以下、単に立ち絵)をGIMPに読み込ませる
 GIMPに立ち絵を読み込ませていく。同じポーズのものが複数あるなら、すべて読み込ませておくといいだろう。



手順2.立ち絵の一つをコピーし、名前を「加工」に変更する。以下、このレイヤーを「加工レイヤー」と呼ぶ
 色変えはすべてこの加工レイヤーで行い、オリジナルの立ち絵には直接手を加えない。これは加工終了後のエクスポートのため、そして加工失敗時にやり直しやすくするためである。なお、名前変更は分かり易さのためなので、不要ならば行わなくてもいい。











手順3.加工レイヤーの立ち絵を、色分けしたい範囲ごとに切り分けていく
 この手順は少々複雑で手間もかかるので、更に細分化して解説していく。

手順3-1.加工レイヤーをコピーし、必要なら名前を変える
 加工レイヤーをコピーするのは、切り分けた範囲(=色変えしたい範囲)ごとに1つのレイヤーを使用するからである。この際、名前を変えておくと分かり易くなるだろう。以下、図では例としてリボンの色変えを行うので、レイヤー名前も「リボン」に変更している。











手順3-2.自由選択ツールで切り分けたい範囲を囲む
 自由選択ツールでは、ドラッグもしくはクリックで選択範囲を滑らかに決めることができる。大抵の場合はこれで十分だ。状況によっては矩形/楕円選択、ファジー選択や色域の選択を使うこともあるだろうが、いずれにしても忘れてはならないのは「選択範囲に加える」モードにするのと、「なめらかに」のチェックを外すことである。
 「選択範囲に加える」モードにしていない場合、範囲選択を新たに行うたびに、それ以前に選択していたものは取り消されてしまう。操作ミスしてしまった時に手間が増えるほか、今回のリボンのように同じ色に変えたい部分が飛び飛びになっている時も操作が少々面倒になる。
 「なめらかに」チェックが入っている場合、切り分けた範囲の境界が少々ぼやける。よって、切り分けた範囲同士の境目で、僅かながら加工済みレイヤーが透過してしまう。私はそれを避けるため、多少ギザギザになるのは承知の上で「なめらかに」チェックを外している。


手順3-3.選択範囲を反転(ctrl+I)し、切り分けた範囲以外の部分を削除(Delete)する
 範囲を選択し終えたなら、まず選択範囲を反転し、必要でない部分(色変えしたい範囲以外)を削除する。これで色変え用レイヤーの準備は整った。もし色変えしたい範囲が一か所だけならば、このまま手順4に移行しても構わない。

(左図:色変え範囲を選択したところ 右図:選択範囲を反転させ不要部分を削除したところ)

手順3-4.もう一度選択範囲を反転し、加工レイヤーにある切り分けた部分を削除する
 もう一度、手順2で作成した加工レイヤーに移動し、手順3-2で選択した範囲を削除する。こうすることで、二つ目以降の色変え範囲の選択が多少なりとも楽になる。

(選択範囲を再度反転させ、加工レイヤーから切り取り済みの部分を削除したところ)

 以上の手順を、必要なだけ繰り返す。色変えしたいすべての箇所の切り分けが終了したら、次の手順に移行する。

手順4.切り分けたレイヤーごとに色変えを行う
 この手順も、細分化して解説する。

手順4-1.レイヤーの脱色を行う
 これは必須ではないが、思い通りの色に変えたいのならやっておくべきだろう。模型の塗装における下地処理のようなものだ。「色」→「脱色」と選び、脱色の基準にする要素をいずれか選ぶ。この選択によって、色合いや模様が変化する場合もある。色や立ち絵によって切り替えるといい。ただし、複数ポーズの立ち絵を色変えする場合、どの箇所にどの脱色を用いたのかを覚えておく必要はある。

手順4-2.トーンカーブで色を変える
 「色」→「トーンカーブ」と選び、いよいよ色を変えていく。……の、だが。トーンカーブがどのような仕組みによる加工なのか、私はまったく理解していない。だから下記の手順でどうして色が変わるのか、説明することはできない。できるのは、何をどう操作すればどう変わるのかだけだ。操作方法さえ分かっていれば十分、そう割り切っている。メカニズム面での解説が欲しいのなら、画像編集ソフトの使い方に詳しい方々に聞いてほしい。

 トーンカーブでは「明度・・アルファ」の5つのチャンネルをそれぞれ操作することで色を変える。この内、アルファは透明度を変えるものなので関係ない。よって残りの「明度・」の4つで色を調整していく。トーンカーブのウィンドウ中央にある、y=xの一次関数のような領域で点を追加したり動かしたりすると、動かし方に応じて色が変わる。後は試行錯誤で望みの色を作り出すのみである。

 ただし、単純に「色を赤くしたいから赤のチャンネルを操作すればいい」ということにはならない。確かに赤のチャンネルでカーブを左上に近づければ色も赤くなる。が、そうした場合、明度も上がる……と言っていいのかも分からないが、ともかくパステルカラーのような淡い色合いになる。場合によっては境界線も赤く染まるし、模様や影が潰れることもある。そういう色が作りたい場合はともかく、もっと暗い赤が欲しい場合は不適だ。



 だからといって、逆の右下に近づければ、今度は水色に染まる。模様や影はほぼ潰れないが、これでは目的の赤色は作れないだろう。



 ではどうするか? 私の答えはこうだ、「のチャンネルには触らず、のチャンネルをそれぞれ右下に近づけて赤い色を作る」。こうすれば、暗い赤色が作れるはずだ。他の色を作る場合も同様に、それぞれのチャンネルのカーブを右下に近づけることで望みの色を作るといい。



 白もしくは黒に塗りたい場合は「明度」のチャンネルだけを操作する。右下に近づければ黒に、左上に近づければ白に、それぞれ変化する。ただし白もしくは黒に染める場合は、模様や影が潰れないようカーブを加減する必要があるだろう。





 もし単一ポーズの立ち絵だけを色変えするのなら、手順5に進んでいい。

手順4-3.複数ポーズの立ち絵を同様の色に変えたい場合は、トーンカーブのプリセットを登録する
 複数ポーズの立ち絵の色を変える場合は、同じ部位ならすべてのポーズで同様の色変えができていないといけない。しかし、トーンカーブの操作を手動で毎回まったく同じにするのはかなり難しいし、非効率的だ。 そこで、トーンカーブのプリセットを行うといい。「プリセット」のプルダウンメニューの右にある青い+ボタンをクリックし、分かりやすい名前を入力する。一度こうしておけば、次回以降はプルダウンメニューから選ぶだけで済む。万一忘れたとしても、最新10回分は自動で記録される。その中から必要なものを見つけ出し、登録しよう。






手順5.色を変えたレイヤーとオリジナルのレイヤーを表示させた状態でエクスポートする
 すべての色変え作業が終わったら、後はそれをオリジナルの立ち絵よりも上のレイヤーに表示させた上でエクスポートしていくだけだ。あるいは、色変えの部分だけをエクスポートし、それを自動画像合成ソフト(例えばこちらで紹介されている「おてがる画像変換」など)で合成するのもいい。



 手順としては以上である。時間は……特に手順3の切り抜きで多く費やすことになるだろうが、それでも技術的・資金的負担は少なく済むだろう。
 私の場合は服全体の色を……場合によっては髪や肌の色をも変えているが、何もそこまでする必要はない。リボンやアクセサリーだけを変えるというのもアリだ。素材はあくまで素材。そのまま使うのも悪くないが、一手間を加えれば魅力も増す。その色変えが作品内で意味を持つのなら尚更だ(春香の胸元のペンダントが、千早とのデートの時だけ青になっている、とか)。是非、挑戦してみてほしい。









簡易FAQ

Q1:手順3でいちいち切り分ける理由は?
A1:色変えのやり直しをやりやすくするため。もし切り分けていない場合、やり直しをするたびに範囲を選択し直す必要がある。加工専用のレイヤーを設けておけば、失敗した時でも「全選択→オリジナルの立ち絵から同じ範囲をコピー→新たなレイヤーにペースト」とすれば元通りにできる。

Q2:何故、手順3-2で電脳ハサミを使わない?
A2:確かに色の境界を自動で検出してくれる電脳ハサミは、理屈の上では手順3-2で重宝する。が、実際に使ってみるとブレが激しい。修正の手間を考えると、自由選択の方がよほど使える。何かしら設定を変えれば、自動的に綺麗な切り抜きができるのかもしれないが……このあたりは詳しい方の情報が欲しいところである。

Q3:この手法は、服の色変え以外にも使える?
A3:言うまでもない。現に私は同様の手順で、髪や肌、目の色変えも実行している。ただし、これらは相当な手間がかかる。服ならばともかく、生身の部位は同じポーズであっても個々の表情差分で形が違うのも珍しくない。ポーズ単位ではなく、立ち絵単位での加工が必要になるのだ。もしやるとしたら、相応の時間は覚悟しておくべきだろう。



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なるほど、そうやって作ってたんですね……。すごく参考になりました。
45ヶ月前
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