ふぃっしゅ数バージョン1を解説します。
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ふぃっしゅ数バージョン1を解説します。

2018-05-14 19:34

     注意 研究中のため間違いがある可能性があります。

     ※ Internet Explorer では背景色の表示が崩れることがあります。Google Chromeでの閲覧を推奨します。

     ~目次~

     第1章 はじめに
     第2章 演算のレベル
     第3章 累乗の世界
     第4章 テトレーションの世界
     第5章 ペンテーションの世界
     第6章 グラハム数
     第7章 アッカーマン関数の基本
     第8章 アッカーマン関数の加速度
     第9章 S変換
     第10章 SS変換



     ■第1章 はじめに

     この講座は『ふぃっしゅ数バージョン1』そのものに関する踏み込んだ解説は扱っていません。この講座は『ふぃっしゅ数バージョン1』の大きさを “なんとなく想像する” ための土台を固めることを目的としました。その土台とは『ふぃっしゅ数バージョン1』の出発点である「アッカーマン関数」です。そして巨大数の金字塔である『グラハム数』と『ふぃっしゅ数バージョン1』とを「アッカーマン関数」で橋渡しすることにより、『グラハム数』から『ふぃっしゅ数バージョン1』を見上げて なんとなく頂上を想像する” ことがこの講座の主題となっています。


     ■第2章 演算のレベル

     巨大数のための巨大数『ふぃっしゅ数バージョン1』の大きさを想像する足掛かりとして、まずは『グラハム数』の話から始めたいと思います。最初に「演算のレベル」という考え方について学んでおきます。この「演算」というのは「足し算」だとか「掛け算」だとかの総称です。この “ある演算” が連続するとき「演算のレベルが上がる」と考えます。

     3×1 = 3
     3×2 = 3+3
     3×3 = 3+3+3
     3×4 = 3+3+3+3
     3×5 = 3+3+3+3+3

     :

     例えば「掛け算」は「足し算の連続」に書き換えることが出来ます。

     3 = 3^1
     3×3 = 3^2
     3×3×3 = 3^3
     3×3×3×3 = 3^4
     3×3×3×3×3 = 3^5

     :

     逆に「掛け算の連続」は「累乗」という演算に書き換えることが出来ます。

     3 = 3↑↑1
     3^3 = 3↑↑2
     3^3^3 = 3↑↑3
     3^3^3^3 = 3↑↑4
     3^3^3^3^3 = 3↑↑5

     :

     さらに「累乗の連続」は「テトレーション」という演算に書き換えることが出来ます。『グラハム数』の土台となる「ハイパー演算」、『ふぃっしゅ数バージョン1』の土台となる「アッカーマン関数」、巨大数の物差しとして活用されている「急増加関数」なども、その「演算のレベル」の細かな設定は違えど、基本的な考え方は同じです。では、『グラハム数』の土台となる「ハイパー演算」を詳しく追ってみましょう。


     ■第3章 累乗の世界

     3^3 = 27
     3^4 = 81
     3^5 = 243

     :

     例えば「指数関数的に増大する」という言葉はこの累乗を意味しています。特殊相対性理論で有名な E = mc^2 では、この累乗が使われていますね。ある物質のエネルギーは、その質量に光速度の2乗を掛けたものであるという数式で、原子核エネルギーを説明するものでもあります。さらに、累乗を使うと 10^68 と、無量大数ですら簡単に表記できてしまいます。では、不可説不可説転はどうでしょうか?

     10^372183838819776444413065976878496481295

     余裕ですね。観測可能な宇宙にあるすべての原子の数は 10^80 ほどとされていますから、われわれの見ている宇宙の規模を遥かにこえたところにまで累乗は届くということになります。では、無量大数の無量大数倍を無量大数年間云い続けた数はどうでしょう? 秒に回のペースで云うとして、無量大数年で 31536000×(10^68)回 です。回云うごとにゼロの数が68個増えます。つまり‥

     10^214444800000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000


     まだいけそうです。累乗という演算を使うと途方もない数を表記できることがわかります。この累乗の連続‥ つまり累乗のひとつ上のレベルの演算をテトレーションと言います。

      3^3^3 = 3↑↑3


     ■第4章 テトレーションの世界

     3^3 = 7625597484987
     3^4 = 3^7625597484987
     3^5 = 3^(3^7625597484987)

     :
     
     テトレーションは「指数タワー」の愛称でも呼ばれます。ここでは「指数階段」と呼ぶことにします。


     3


      3
     3  = 27


       3
      3
     3   = 7625597484987 13桁の数


        3
       3
      3
     3  = 3^7625597484987 約3兆桁の数


         3
        3
       3
      3
     3  =3^(3^7625597484987) 指数が約3兆桁の数


     これが指数階段です。例えば、直径930億光年の宇宙を水で満たしても、その水分子の数は113桁のほどの数にしかなりません。これは、指数の桁数が100桁にせまるような数は、われわれの見ている宇宙では十進数で表記出来ないことを意味します。無量大数の無量大数倍を無量大数年間云い続けた数は、指数が78桁ほどなので、この観測可能な宇宙の全物質をインクにすれば、十進数で書くことが出来そうです。しかし、3の指数階段が5段ともなると、指数が約3兆桁となって、十進数で表記可能な限界を超えていってしまいます。宇宙論で使われた最大の数が‥

          1.1
         10
        10
       10
      10
     10

     ‥段ほどになります。これはインフレーション理論における多元宇宙にある全質量をひとつのブラックホールにして、そのブラックホールがホーキング放射により蒸発し、再びブラックホールとなるまでの時間を算出した値です。ここまでの巨大数になると物理学や天文学で使われる単位は、指数階段に対して誤差にしかなりません。そして、指数階段が十分に高いと、「の指数階段」でも「10の指数階段」でも「無量大数の指数階段」でも誤差になってしまいます。例えば10の指数階段は、の指数階段を段高くするだけでの方が大きくなってしまいます。このテトレーショの連続‥ つまりテトレーションのひとつ上のレベルの演算をペンテーションと言います。


     ■第5章 ペンテーションの世界

     3↑↑↑3 = 3↑↑(3↑↑3)
     3↑↑↑4 = 3↑↑(3↑↑(3↑↑3))
     3↑↑↑5 = 3↑↑(3↑↑(3↑↑(3↑↑3)))


     グラハム数を知る以前に、前章で学んだ指数階段を宇宙論で見たことが私はありました。しかし、もしこの指数階段が途方もない段数になったらどうなるのだろう‥ なんてことは、あまりにもバカバカしいからなのでしょうか‥ 想像したことがありませんでした。さてテトレーションが連続するということは、ついぞ思いもしなかったこのバカバカしい考え方が、あなたの眼前に立ち現れ、そしてインフレーションしてゆくことを意味します。「3↑↑↑3」では、指数階段が7兆6255億9748万4987段に積みあがります。たった5~6段の指数階段で、われわれの想像する宇宙で扱われる数の限界でしたね。さらに「3↑↑↑4」となると指数階段は3↑↑↑3段に‥ 「3↑↑↑5」となると指数階段は3↑↑↑4段にまで壮絶なインフレーションを起こします。このインフレーションという形容も追いつていない加速度です。このバカバカしいペンテーションの連続がヘキセーションであり、グラハム数の基礎となります。

     3↑↑↑3 = 3↑↑(3↑↑3)         指数階段が7625597484987
     3↑↑↑4 = 3↑↑(3↑↑(3↑↑3))      指数階段が3↑↑↑3
     3↑↑↑5 = 3↑↑(3↑↑(3↑↑(3↑↑3)))  指数階段が3↑↑↑4
     3↑↑↑6 = 3↑↑(3↑↑(3↑↑(3↑↑3)))  指数階段が3↑↑↑5

     
     :

     3↑↑↑(3↑↑↑3) = 3↑↑↑↑3      指数階段が 約 3↑↑↑↑3

     グラハム数の基礎である「3↑↑↑↑3」を指数階段で説明すると、指数階段が約3↑↑↑↑3段ということになり、3↑↑↑↑3」を説明するのに3↑↑↑↑3」を使うという事態になってしまいます。この先も、これまでの「テトレーションからペンテーション」、さらに「ペンテーションからヘキセーション」といった演算のレベルアップの系譜をたどり、矢印を1本づつ増やして無限にレベルをあげてゆくのがハイパー演算です。


     ■第6章 グラハム数

     グラハム数はここからが本番です。インフレーションという形容がまったく形容にならない加速度を持つのがヘキセーションです。このヘキセーションで記された数である「3↑↑↑↑3」を “グラハム関数”に 代入し、それを63回くりかえした数が『グラハム数』です。

     【グラハム関数】

     G^1 = 3↑↑↑↑3
     G^2 = 3↑…(G^1)…↑3
     G^3 = 3↑…(G^2本)…↑3
     G^4 = 3↑…(G^3本)…↑3


     :

     G^64
    = 3↑…(G^63本)…↑3  = グラハム数

     このグラハム関数の加速度は、形容する言葉が思いつきません。「G^1」という、たった4本の矢印の演算ですら、インフレーションという形容が形容にならないのに、それが「G^2」になると矢印が3↑↑↑↑3本になってしまうのです。


     ■第7章 アッカーマン関数の基本

     さて、これから学ぶ『ふぃっしゅ数バージョン1』の基礎となる「アッカーマン関数」も、「演算のレベル」という考え方を使っています。では、基礎となる「アッカーマン関数」の定義をみてみましょう。


     ~アッカーマン関数の定義~       
     -------------------------------------------- 
     Ack(0,n) = n+1            
                          
     Ack(m,0) = Ack(m-1,1)
     Ack(m,n) = Ack(m-1,Ack(m,n-1))
     --------------------------------------------

     
     難しそうな記号が並んでいますので、丁寧にその要素を見てみます。

     Ack(m,n)
     
     Ack … アッカーマン関数をあらわす記号。ここに数字は入らない。
     m … 演算のレベルをあらわす数値が入る。
     n … ここは、そのレベルの演算に入る“課金額”としておきます。

     さて、その要素を見ると、アッカーマン関数の定義の1番上の数式の意味がわかります。これは「レベル0の演算が何か」を定義しています。ここでは「n+1」という足し算が定義されていますね。課金額に1を足すという計算をします。例えばこの「n+1」という定義を「3n」だとか「無量大数のn乗」にかえたオリジナルの関数を作ることも可能です。実際、『ふぃっしゅ数バージョン1』では、ここが強化されてゆきます。

     アッカーマン関数における「レベル0の演算」が「n+1」だということはわかりました。では、アッカーマン関数における「レベル1の演算」だとか「レベル99の演算」だとかは、どういうものなのでしょう。それを定義しているのが、上から2番目と3番目の数式です。アッカーマン関数は、いかなるレベルの演算でも、このふたつの数式でもって、必ず、「レベル0の演算」である「足し算」に落とすことが可能になっています。具体的な数字でその様子を観察してみましょう。

     赤字‥計算箇所 グレー‥計算結果

     Ack(5,5) =
     Ack(4,Ack(5,4)) =
     Ack(4,Ack(4,Ack(5,3))) =
     Ack(4,Ack(4,Ack(4,Ack(5,2)))) =
     Ack(4,Ack(4,Ack(4,Ack(4,Ack(5,1))))) =
     Ack(4,Ack(4,Ack(4,Ack(4,Ack(4,Ack(5,0)))))) =

     Ack(4,Ack(4,Ack(4,Ack(4,Ack(4,Ack(4,1)))))) =

     ここで、レベル5の演算を「レベル4の演算の連続」にすることが出来ました。

     Ack(4,Ack(4,Ack(4,Ack(4,Ack(4,Ack(4,1)))))) =
     Ack(4,Ack(4,Ack(4,Ack(4,Ack(4,Ack(3,Ack(4,0))))))) =
     Ack(4,Ack(4,Ack(4,Ack(4,Ack(4,Ack(3,Ack(3,1))))))) =

     Ack(4,Ack(4,Ack(4,Ack(4,Ack(4,Ack(3,Ack(2,Ack(3,0)))))))) =
     Ack(4,Ack(4,Ack(4,Ack(4,Ack(4,Ack(3,Ack(2,Ack(2,1)))))))) =
     Ack(4,Ack(4,Ack(4,Ack(4,Ack(4,Ack(3,Ack(2,Ack(1,Ack(2,0))))))))) =
     Ack(4,Ack(4,Ack(4,Ack(4,Ack(4,Ack(3,Ack(2,Ack(1,Ack(1,1))))))))) =
     Ack(4,Ack(4,Ack(4,Ack(4,Ack(4,Ack(3,Ack(2,Ack(1,Ack(0,Ack(1,0)))))))))) =
     Ack(4,Ack(4,Ack(4,Ack(4,Ack(4,Ack(3,Ack(2,Ack(1,Ack(0,Ack(0,1)))))))))) =

     ここで、レベル0の演算をとりだすことが出来ました。

     Ack(4,Ack(4,Ack(4,Ack(4,Ack(4,Ack(3,Ack(2,Ack(1,Ack(0,Ack(0,1)))))))))) =
     Ack(4,Ack(4,Ack(4,Ack(4,Ack(4,Ack(3,Ack(2,Ack(1,Ack(0,1+1))))))))) =
     Ack(4,Ack(4,Ack(4,Ack(4,Ack(4,Ack(3,Ack(2,Ack(1,Ack(0,2))))))))) =
     Ack(4,Ack(4,Ack(4,Ack(4,Ack(4,Ack(3,Ack(2,Ack(1,2+1)))))))) =
     Ack(4,Ack(4,Ack(4,Ack(4,Ack(4,Ack(3,Ack(2,Ack(1,3)))))))) …


     このように計算して最終的に十進数にすることができます。ここで再びアッカーマン関数の定義を見てみます。


     ~アッカーマン関数の定義~
     --------------------------------------------
     Ack(0,n) = n+1  ※ レベル0の演算はとは何かの定義。

     Ack(m,0) = Ack(m-1,1)  ※ 演算のレベルを下げる定義。ある演算の課金額が0のとき。
     Ack(m,n) = Ack(m-1,Ack(m,n-1))  ※ 演算のレベルを下げる定義。ある演算の課金額が0以外のとき。
     --------------------------------------------


     ■第8章 アッカーマン関数の加速度

     では、数を大きくする装置としてのアッカーマン関数はどのような加速度を持つでしょうか? 実は、アッカーマン関数には解の公式が存在します。


     【レベル0の演算】 n+1 足し算(後者関数)

     Ack(0,0) = 1
     Ack(0,1) = 2
     Ack(0,2) = 3
     Ack(0,3) = 4
     Ack(0,4) = 5
     Ack(0,5) = 6

     【レベル1の演算 n+2 足し算

     Ack(1,0) = 2
     Ack(1,1) = 3

     Ack(1,2) = 4
     Ack(1,3) = 5
     Ack(1,4) = 6
     Ack(1,5) = 7

     【レベル2の演算 2n+3 掛け算

     Ack(2,0) = 3
     Ack(2,1) = 5
     Ack(2,2) = 7
     Ack(2,3) = 9
     Ack(2,4) = 11
     Ack(2,5) = 13

     【レベル3の演算 2^(n+3) - 3 累乗

     Ack(3,0) = 3
     Ack(3,1) = 13
     Ack(3,2) = 29
     Ack(3,3) = 61
     Ack(3,4) = 125
     Ack(3,5) = 253

     【レベル4の演算 2↑↑(n+3) - 3 テトレーション

     Ack(4,0) = 13
     Ack(4,1) = 65533
     Ack(4,2) = 2^65533 - 3
     Ack(4,3) = 2^(2^65533) - 3
     Ack(4,4) = 2^(2^(2^65533)) - 3
     Ack(4,5) = 2^(2^(2^(2^65533))) - 3

     【レベル5の演算 2↑↑↑(n+3) - 3 ペンテーション

     Ack(5,0) = 65533
     Ack(5,1) = 2↑↑65536 - 3
     Ack(5,2) = 2↑↑(2↑↑65536) - 3
     Ack(5,3) = 2↑↑(2↑↑(2↑↑65536)) - 3
     Ack(5,4) = 2↑↑(2↑↑(2↑↑(2↑↑65536))) - 3
     Ack(5,5) = 2↑↑(2↑↑(2↑↑(2↑↑(2↑↑65536)))) - 3



     この「アッカーマン関数の演算のレベル」は「ハイパー演算のレベル」と一致していることに気付くと思います。これ以後もすべて (2→(n+3)→(m-2))-3 という解の公式で計算することが可能です。ところで『グラハム数』で使われる「3のハイパー演算」に対して、このアッカーマン関数は「2のハイパー演算」です。頼りなく感じる方もいるかもしれません。しかし、テトレーション以後の演算においては次のような力関係が知られています。

     2↑↑(n+3) > 10↑↑n

     アッカーマン関数が「3のハイパー演算」以上の加速度を持つということは、アッカーマン関数にアッカーマン関数を代入し、それを65回重ねれば『グラハム数』をこえることになります。

     □

     1重  Ack(3,3) = 61 > 4
     2重  Ack(61,61) > G^1
     3重  Ack(Ack(61,61),Ack(61,61)) > G^2
     4重  Ack(Ack(Ack(61,61),Ack(61,61)),Ack(Ack(61,61),Ack(61,61))) > G^3

      :

     65重 > グラハム数

     □

     このようなアッカーマン関数を『ふぃっしゅ数バージョン1』は出発点としています。


     ■第9章 S変換

     さて、ここからはふぃっしゅ数バージョン1』の解説です。まずはふぃっしゅ数バージョン1』の心臓部とも云える「S変換」と呼ばれる関数について学びましょう。

     ~S変換~
     --------------------------------------------
     B(0,n) = f(x)

     B(m,0) = B(m-1,1)
     B(m,n) = B(m-1,B(m,n-1))

     g(x) = B(x,x)
     --------------------------------------------

     アッカーマン関数と似ていますね。異なるのは、まず「レベル0の演算」が定義されてません。

     B(0,n) = f(x)

     この「S変換」では、「レベル0の演算」は自由に定義ができる仕様になっています。なので、S変換を計算するには、「数」と「関数」を用意して代入する必要があります。そして『ふぃっしゅ数バージョン1』は、数「3」と関数「n+1」を最初に代入します。すると「レベル0の演算」は「n+1」 となります。つまり「最初のS変換」はアッカーマン関数と同じ関数です。「最初のS変換は」と書いたように、2回目以降、この「レベル0の演算」がパワーアップしてゆきます。その定義が一番下に記されています。

     g(x) = B(x,x)

     「2回目のS変換」では「レベル0の演算」は「Ack(n,n)」となります。これを『寿司虚空編』に倣い便宜上「C関数」と呼ぶことにします。さらに次の「3回目のS変換」では「レベル0の演算」は「C(n,n)」となります。これを便宜上「D関数」と呼ぶことにします。このように「S変換」は1回ごとに関数が強化されてゆきます。

     S変換1回目 Ack関数 ‥ レベル0の演算 = n+1
     S変換2回目  C関数 ‥ レベル0の演算 = Ack(n,n)
     S変換3回目  関数 ‥ レベル0の演算 = C(n,n)
     S変換4回目  関数 ‥ レベル0の演算 = D(n,n)

     :

     では「C関数」がどのような強さを持つのか計算をしてみます。

     C(0,1) = Ack(1,1) = 3
     C(0,2) = Ack(2,2) = 7
     C(0,3) = Ack(3,3) = 61
     C(0,4) = Ack(4,4) = 2^(2^(2^65533)) - 3
     :

     C(1,1
    ) = C(0,C(1,0)) = C(0,3) = Ack(3,3) = 61
     C(1,2) = C(0,C(1,1)) = C(0,61) = Ack(61,61)
     C(1,3) = C(0,C(1,2)) = C(0, Ack(61,61)) = Ack(Ack(61,61),Ack(61,61))
     C(1,4) = C(0,C(1,3)) = Ack(Ack(Ack(61,61),Ack(61,61)),Ack(Ack(61,61),Ack(61,61)))
     :

     ここで「C関数」の強さが少し見えてきました。前章のアッカーマン関数を65回重ねたものとC関数を比較してみます。

     □

     【アッカーマン関数の合成】

     1重   Ack(3,3) > 4
     2重   Ack(61,61) > G^1
     3重   Ack(Ack(61,61),Ack(61,61)) > G^2
     4重   Ack(Ack(Ack(61,61),Ack(61,61)),Ack(Ack(61,61),Ack(61,61))) > G^3

      :

     65重 > グラハム数

     【C関数】

     C(1,1
    ) = Ack(3,3)
     C(1,2) = Ack(61,61)
     C(1,3) = Ack(Ack(61,61),Ack(61,61))
     C(1,4) = Ack(Ack(Ack(61,61),Ack(61,61)),Ack(Ack(61,61),Ack(61,61)))
     :
     
     C(1,65)  > グラハム数

     □

     アッカーマン関数の合成とC関数が一致していることがわかります。つまり C(1,65) でグラハム数をこえることがわかりますね。さらにC関数を進めてみましょう。

     C(2,1
    ) = C(1,C(2,0)) = C(1,61)
     C(2,2) = C(1,C(2,1)) = C(1,C(1,61))
     C(2,3) = C(1,C(2,2)) = C(1,C(1,C(1,61)))
     C(2,4) = C(1,C(2,3)) = C(1,C(1,C(1,C(1,61))))
     :

     このようにC関数は C(2.1) でグラハム数ほどの大きさとなり、C(2,2) でグラハム数を爆発的にこえることが分かります。さらにC関数を進めてみます。

     C(3,1) = C(2,C(2,1)) = C(2,C(1,61))
     C(3,2) = C(2,C(3,1)) = C(2,C(2,C(1,61)))

     C(3,3) = C(2,C(3,2)) = C(2,C(2,C(2,C(1,61))))
     C(3,4) = C(2,C(3,3)) = C(2,C(2,C(2,C(2,C(1,61)))))

     :

     C関数の実態が見えてきました。次のようなことがわかります。

     C(1,n)‥ アッカーマン関数の合成を数え上げる。グラハム関数に相当する加速度を持つ。
     C(2,n)‥ G^64、G^(G^64)、G^(G^(G^64)) ‥のように、いわばグラハム関数を爆発させてゆく。
     C(3,n)‥ グラハム関数を爆発させてゆく構造に相当する C(2,n) の「n」の値を爆発させてゆく。
     C(4,n)‥ その C(3,n) の「n」の値を爆発させてゆく。

     :

     では「D関数」に進むとどうなるのでしょう。

     D(0,1) = C(1,1) = Ack(3,3)
     D(0,2) = C(2,2) = C(1,C(1,61))
     D(0,3) = C(3,3) = C(2,C(2,C(2.C(2.1))))
     D(0,4) = C(4,4) = C(3,C(3,C(3,C(3,C(3,1)))))
     :


     D(1,1) = D(0,D(0,1)) = D(0,61)
     D(1,2) = D(0,D(1,1)) = D(0,D(0,61))
     D(1,3) = D(0,D(1,2)) = D(0,D(0,D(0,61)))
     D(1,4) = D(0,D(1,3)) = D(0,D(0,D(0,D(0,61))))

     :

     D(2,1) = D(1,D(2,0)) = D(1,61)
     D(2,2) = D(1,D(2,1)) = D(1,D(1,61))
     D(2,3) = D(1,D(2,2)) = D(1,D(1,D(1,61)))
     D(2,4) = D(1,D(2,3)) = D(1,D(1,D(1,D(1,61))))
     :

     D(3,1) = D(2,D(2,1)) = D(2,D(1,61))
     D(3,2) = D(2,D(3,1)) = D(2,D(2,D(1,61)))

     D(3,3) = D(2,D(3,2)) = D(2,D(2,D(2,D(1,61))))
     D(3,4) = D(2,D(3,3)) = D(2,D(2,D(2,D(2,D(1,61)))))

     :


     D(0,n) が C(n,n) になるのだから、C関数の実態から推察すると‥ D(0,n) の段階で極めて猛烈な関数であることがわかります。

     C(0,n)‥ アッカーマン関数を支配する。
     C(1,n)‥ アッカーマン関数の合成を数え上げる。グラハム関数に相当する加速度を持つ。
     C(2,n)‥ G^64、G^(G^64)、G^(G^(G^64)) ‥のように、いわばグラハム関数を爆発させてゆく。
     C(3,n)‥ グラハム関数を爆発させてゆく構造に相当する C(2,n) の「n」の値を爆発させてゆく。
     C(4,n)‥ その C(3,n) の「n」の値を爆発させてゆく。

     :

     D(0,n)‥ C関数を支配する。
     D(1,n)‥ C関数を支配する D(0,n) の「n」の値を爆発させてゆく。
     D(2,n)‥ その D(1,n) の「n」の値を爆発させてゆく。
     D(3,n)‥ その D(2,n) の「n」の値を爆発させてゆく。
     D(4,n)‥ その D(3,n) の「n」の値を爆発させてゆく。
     :


     さらにもうひとつ「E関数」も見てみます。

     E(0,1) = D(1,1) = D(0,61) = C(61,61)

     このようにE関数では最初のE(0,1)でグラハム数を爆発的にというか、形容が思いつかない規模でこえてしまいます。これが『ふぃっしゅ数バ―ジョン1』の土台となる「S変換」という関数です。


     ■第10章 SS変換
     
     『ふぃっしゅ数バージョン1』はグラハム数に倣い「SS変換」を63回くりかえした数と定義されています。この「SS変換」は、「S変換」を行う回数を算出する「S2変換」と、その「S変換」とがセットになっています。では「S変換」を行う回数を算出する「S2変換」を見ていきましょう。

     ~S2変換~
     --------------------------------------------

     S2 = S^f(m)

     -------------------------------------------
    -

     『ふぃっしゅ数バージョン1』は、初期値として関数「n+1」数「3」が設定されています。SS変換の1回目は、この関数「n+1」と数「3」からS変換の回数が算出されます。


      ◆◆SS変換1回目◆◆


     S^f(m) = S^f(3)  S^(3+1) = S^4


     「S^4」はS変換を4回行うことを意味します。


     初期値 関数「n+1」   数「3」
          ↓       ↓ 
     【S変換】   Ack関数 
          ↓       ↓
     結果値 関数「Ack(n,n)」 数「61」
          ↓       ↓
     【S変換】    C関数
          ↓       ↓
     結果値 関数「C(n,n)」  数「C(61,61)」
          ↓       ↓
     【S変換】    D関数
          ↓       ↓
     結果値 関数「D(n,n)」  数「D(C(61,61),C(61,61))」
          ↓       ↓
     【S変換】    E関数
          ↓       ↓
     結果値 関数「E(n,n)」  数「E(D(C(61,61),C(61,61)),D(C(61,61),C(61,61)))」


     ※ E(D(C(61,61),C(61,61)),D(C(61,61),C(61,61))) = E(E(1,1),E(1,1))


     このS変換4回の結果値を初期値として2回目のSS変換で行います。


      ◆◆SS変換2回目◆◆


     S^f(m) = [S^4]^f(E(E(1,1),E(1,1))) =  [S^4]^E(E(E(1,1),E(1,1)),E(E(1,1),E(1,1)))


     これはS変換を E(E(E(1,1),E(1,1)),E(E(1,1),E(1,1)))×4 回行うことを意味しています。ここで注意すべきポイントです。「1回目のSS変換」で行ったS変換の回数を、「2回目のSS変換」のS2変換で算出した回数だけ行います。つまり、つまり E(E(E(1,1),E(1,1)),E(E(1,1),E(1,1))) 回ではないということです。


     SS変換1回目 4回する。
     SS変換2回目 4回するのをE(E(E(1,1),E(1,1)),E(E(1,1),E(1,1))) 回する。
     SS変換3回目 4回するのをE(E(E(1,1),E(1,1)),E(E(1,1),E(1,1))) 回するのを ‥回する。
     :



     さて、2回目のSS変換では、S変換の回数がとんでもない回数に膨れ上がりました。当然ながら、この回数に同期して、関数はその加速度を爆発させてゆくことになります。ここまで来たら なんとなく頂上を想像する” ことが出来るのではないかと思います。その詳細な様子を伺うには3変数アッカーマン関数を必要とします。この講座では扱いません。


     ■参考

     『寿司 虚空編』…小林銅蟲
     『巨大数論 第2版』…フィッシュ

     ■最終更新 2018.5.14
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