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もしアインハルトが喧嘩吹っかけたのが、 なのは(9歳&リリカルモンスターズ仕様)だったら……
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もしアインハルトが喧嘩吹っかけたのが、 なのは(9歳&リリカルモンスターズ仕様)だったら……

2015-05-01 18:00

    アニメ見てて何となく書いてしまった。
    本編につながるかとかそういうのは謎。



    「う~ん、遅くなっちゃった……
     フェイトちゃんたち心配してるかなぁ……」
     飛行魔法が使えたらさっさと本局のテレポートまで帰れるのに、と愚痴をこぼしながら暗くなった道を歩く、栗毛を二つにまとめた白い制服の少女……名をなのは。
     最近通り魔事件が多発しているということで、親友のフェイトが気をもみまくっていることもどこ吹く風。カートリッジの在庫がなくなったので、第一管理世界、ミッドチルダののベルカ系列店に買い足しに来ていたのだった。
    「……?」
     ひゅう、と……
     なにか風が変わったことを肌で感じ、ふっと空を見上げると……
    「闇の書事件の功労者……高町なのはさんとお見受けします」
     満月を背景にこちらを見下ろす、バイザーの女性がそこにいた。


     これが新しい物語の、最初の最初。
     鮮烈な少女たちの物語の始まり――


    「あなたにいくつか伺いたいことと、確かめさせていただきたいことがあります」
    「うん、私は高町なのはであってるよ。でもできるなら、バイザーを外してお名前、教えてほしいな」
    「――失礼しました。カイザーアーツ正統・ハイディE・Sイングヴァルト……覇王を名乗らせていただいています」
     まっすぐこちらを見据えるその目……紫と蒼の光彩異色は、どこか愛娘を思い出させるもので……なのはは直感的に、彼女がヴィヴィオの関係者だと悟った。
     問題は……
    (この子が、ヴィヴィオの敵なのか、味方なのか……)
     まっすぐとこちらに向けられる殺気。
     しかし、それは肌を刺すような荒いものではなかった。
     ただ、武術者同士が手合わせをする時に感じる威圧感。
     幼少のころより、父たちが稽古をするのを見て育った彼女には、それを肌で感じる才能があった。
    (殺気はあるけど、敵意はない。か……)
     すっと、月明かりの下へ足を踏み出す。
     いつの間にかその姿は、小学校の制服からそれとよく似た衣装――魔導士の防護服。バリアジャケットに変えられていた。
     しかし、その手に杖はない。
     右手に握られている宝玉は、主の指示を静かに待っていた。
     彼女の姿を目視した“覇王”の目が、一瞬驚愕の色に染まるが……
    「――あなたが噂の通り魔さん?
     強い魔術師や格闘家相手に勝負を挑んでるって聞いたけど、なんでそんなことを?」
    「否定はしません。
     あなたに問いたいのは、聖王のクローンと冥王イクスヴェリアの所在……
     二人の身元は、両方あなたが知っていると……」
    「知らないな」
     一刀、言の刃で切り捨てる。
    「……」
    「私が知っているのは、今を懸命に生きてる子だけ……
     そんな昔の王様じゃないよ」
    「――理解しました。
     ですが、あなたにはもう一つ確かめさせていただきたいことがあります」
     膨れ上がる、殺気――
    「私の拳と、あなたの魔法、どっちが強いのか……」
     シュタッとなのはの目の前に落ち立つ“覇王”
    「――手合わせを」
     一切体軸のぶれない動きに、武術なぞ習ったことすらないなのはは、今まで見てきた記憶の中の動きと照らし合わせる。
    「レイジングハート」
    「All light my master!」
     右手の宝玉が、姿を変えた。
     魔導士の杖、レイジングハート。その基本形、アクセルモードだ。
    「ありがとうございます」
    「私に勝ったら、聖王と冥王の居場所を聞き出す……とかでもないんだね」
    「はい、他を当たることにしました」
    「――なんでこんなことをしてるの?
     あなた、私にはこんなことをするようには全然見えない……」
    「強さを知りたいんです」
     そのセリフに、どこか根本的な間違いを感じながら――
    「――そう」
     無詠唱・無動作からショート・バレットが放たれる。
     その数は8発――
    「――!!!」
     しかし、“覇王”はそのすべてを弾き飛ばす。
    (私の射撃魔法の中で、
     もっとも初速が早く、リアクションタイムが短いショート・バレットをはじいた……この子、フェイトちゃん並の反射神経だ)
     一撃でもヒットすれば意識を刈り取る程度のスタン効果がある弾を、弾殻を破壊しないように受け流した技術に驚愕しつつも“ちゃんとやらないといけない相手”だと再認識する。
    「では、こちらから行きます」
     一瞬、なのははその姿を見失った。
     だが、彼女の9歳にしてはあまりに豊富な戦闘経験が何が起きたかを知らせる。
    (近接型の、ステップイン!?)
     20mはあったはずの間合いが、一瞬にして消滅する。
     そもそも高町なのはは本来中距離支援型。
     優秀な前衛がいて、思いっきり砲撃をチャージする時間を稼げてこそ本領を発揮できる。
     もっともここは市街地。砲撃魔法なぞ使ったらどうなるかなど使い手の彼女自身が一番よくわかっている。
     もちろん近接戦闘が全くできないというわけではないが……相手が素手というのは初めてだった。
    (これは……デバイスごと私の手首を刈り取る動き!?
     ダメだ、シールドは間に合わない……)
     それでもかろうじて半身、身を捻りながら迫りくる拳を回避しようとする。それは自然とレイジングハートで拳をなぐ構えを作り出した。
     武器防御――パリィ。近接戦において必須となる技術だ。
     相手の攻撃に自分の武器を当ててそらす、最も基本的な技能。
     なのは自身、今の自分にそれ以外の回避方法ができたとは思えない。
     だが――
    (開手!?)
     固く握られていたその拳が、いつの間にか開かれていた。
     最初に砲撃をはじいたのも、あからさまなまっすぐなステップインも。
     なのはに防御させるためのブラフ――
     武器破壊。その名の通り相手のデバイスを破壊する攻撃。
     ミッドチルダの魔法は、その処理・演算をデバイスに任せていることが多い。
     なのは自身、詠唱の大半をカットできるのはレイジングハートのおかげなのだ。
    (まずい、やられ――)
     格闘経験が薄いなのは。だがしかし、
    「mode release!」
     彼女は一人ではない。
     宝玉の形へと突然姿を変えた相棒の意志を瞬時に読み取ったなのはは、杖一本分の空間を利用してさらに体を半回転させる。
     待機形態のままバックトスされたレイジングハートは、主の左手に収まると同時に再びその姿を展開する。
    「flash impact!」
     打撃を受け流すと同時に展開した飛行魔法でさらに加速しながら、魔力のこもったレイジングハートの物理攻撃……
     しかし、翠色の魔方陣にたやすく阻まれてしまう。
    「覇王……」
    (なにか、すごいのが来る!?)
     足先から、なにか魔力とは違った力が高まっていくのを感じ、即座にエクセリオン・シールドを展開するが……
    「断空拳!!!」
     ミシリ、とすぐさまそれに亀裂が入る……
    (結界破壊系の能力持ちか!?)
    「Barrier Burst!!」
     耐えきれないと判断したレイジングハートが、すぐさまシールドを爆破させ、お互いに距離を取らせる……
    (なんとか、シュートポジションを探さないと……)
    「サウスポー、ですか。
     あなたはまだまだ力を隠していそうですね」
    「いや、私自身いろんな人から受け継いだ力を使いこなせてないだけだよ」
    「受け継いだ、力ですか……」
     一瞬、彼女の“覇王”の仮面の内側が顔をのぞかせた気がしたが……それをはぎ取ろうとはせず。
    「こんなに強いんだ。きっといっぱい練習してきたんだよね。
     だったら、こんなところで戦うんじゃなくて、ちゃんとした道場とかに通って普通の試合に出ようよ!」
    「ご厚意痛み入ります……ですが」
    (また、あの構え……)
    「私求める強さは、表舞台にはないんです」
     どこか、悲しげな表情――いや、寂しそうというべきか。その表情を前に、なのはは親友のかつての面影を幻視した。
    (きっと、私なんかよりもっとずっと重い事情があるんだ。それが何か無理やり聞こうとは思わない。けど……)
    「レイジングハート、エくセリオンモード……行ける?」
    「ALL light!
     My master!!」
    (いま、その拳を向ける先を私に選んでくれた……
     なら、それを受け取ることが、私にはできる!!)
     もはやそれを魔導士の杖と呼ぶものはいないだろう。
     桜色の二対の翼が広がり、レイジングハートの槍先に、収束魔力による紅い切っ先が生み出される。
    (超高速での、一撃必殺の刺突攻撃ですか……)
     だが、“覇王”はひるまない。
     いっそう固く拳を握り、油断なき構えで一瞬をはかる。
    「ACS、ドライブ!!!」
     己自身を砲撃魔法と化した純白の魔導士が、全身を弾丸に“覇王”へ切り込む。
    「覇王断空――」
     彼女も、当然己がもっとも信頼する技でそれを向かい打つ。
    「――拳!!!」
     拳と、槍先が鎬を削る刹那。
    「アクセル……」
    「!?」
     さらにそこから、レイジングハートにカートリッジを飲み込ませる。
     ゼロ距離での至近距離砲撃……しかも、この圧縮魔力刃にはシールドを噛むように捕らえる性質があるのだ。
    「シュート!!!」
     だが、対闇の書の意志戦とでは、違うことが一つあった。
    「はあああああああっつ!!」
     ――切っ先を結んだのが、拳だということ。
     気合い一閃、直打を無理やり打ち下ろしに切り替えられる。
     その結果、当然ゼロ距離砲撃も下へそらされ、意図せぬ動きに一瞬なのはの体が宙で流れた……
    (まずっ!?)
     返す刀で、覇王断空拳の二撃目が迫っていることを視界の隅でとらえる。
     空中で体制を立て直すが、シールドは間に合わない……
    (さっきみたいな回避はもう通用しない――)
     そう判断したなのはは、レイジングハートを両手でバトンのように握り、ガードの態勢を作る。
     2ハンドブロックと呼ばれるその姿勢は、杖によるもっとも高い防御力を得られる物だ。
     しかし、力を受け流すのとは違いダメージを全て杖が受けることになる、最悪デバイスを失いかねない諸刃の剣……
    「愚かな……」
     よけるそぶりすら見せないなのはに、まるで失望したかのようにその拳を叩き込んだ……


    「……よし、うまくいった!」
    「!?!? そんな、ばかな……」
     しかし、その拳はレイジングハートに当たったまま静止していた。
     なのはを吹き飛ばすことも、デバイスを破壊することもなく。
    「まさか、その魔方陣……!?」
     その秘密は、レイジングハートの周りを漂う4つの環状魔方陣。
     なのはが砲撃魔法を使うときに、必ず展開している“砲撃の反動を吸収するための魔方陣”
     完全に撃ち抜いたと思っていた彼女に、一瞬だけ隙が生まれた――
    「終わりだよ」
     その首筋に、鈍い痛みが走る。
    (スタン・バレット……そんな、いつの間に……)
     薄れゆく視界の中、なのはの周りを漂う7個のバレットを見て……
    (まさか、最初に私がはじいたバレットをこの戦闘中ずっと制御していたのか……)
     バタリと倒れた相手に、念のため三重にバインドを掛けて……
    「あ、危なかった……
     やっぱりお父さんたちに稽古つけてもらった方がいいかなぁ」
     ぺたりと座り込んでしまった。
    「イングヴァルト、さん?
     大丈夫……へ?」
     緑色の魔力光と共に、その姿がなのはと同じくらいの背丈のものへと変わる。
    「ヴィヴィオのと同じ、変身魔法……」
     その姿に、やはり愛娘との関係を感じ取ったなのはは、
    「この子、きっと事情があるんだ……
     管理局に引き渡すんじゃなくて、何とか保護できないかな……」
     無理難題を通すために、親友へと次元通信を開く。
    〔あ、なのは?
     今どこ? どれくらいに帰って……〕
    「あーいや、フェイトちゃん。
     ちょっといま例の連続襲撃者にあっちゃってさー」
    〔すぐ行くからちょっと待ってて〕
    「え、あ、ちょ!?
     フェイトちゃん!?」


     その後、しばらくなのはが出かけるときにフェイトが付いていくようになったのは別のお話……

     


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