南太平洋地域は「米中派遣争い」の新たな「主戦場」となりつつある。
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南太平洋地域は「米中派遣争い」の新たな「主戦場」となりつつある。

2013-11-04 19:04
    丸谷元人著「日本の南洋戦略」(ハート出版)より



    あの美しい南太平洋が、これから資源戦争、そして米中覇権争いの「主戦場」となる。

    そしてその戦いの結果は、日本にとっては厳しいものになる・・・・。

    これは、この10年間、南太平洋情勢を見つめてきた者としての、確信に近い感想である。


    このことを政治家や経営者達に言い続けてきたが、関心を持つ人はわずかだった。

    なぜなら、ほとんどの日本人にとって、南太平洋と言えば茫洋とした美しい海が広がり、ヤシの木々が茂る白い砂浜が続いているだけで、

    新婚旅行やスキューバダイビングにはいいかもしれないが、それ以外にめぼしいものは何もない、という程度の場所だからである。


    しかし、この認識は間違っているし、日本の将来を考える上では「危険」ですらある。

    なぜなら、地政学的に日本の「裏庭」に位置している南太平洋地域は、日本に大量の食糧や資源を供給している豪州との海上交通の要所であると同時に、日本が必要とする資源の多くが手つかずのまま眠る「未開発地域」でもあるからだ。

    事実、この地域は現在、「巨大資源地帯」として注目され、各国政府や資源メジャーが熱い視線を注いでいる。


    そしてそんな南太平洋の安定を脅かしつつあるのが、急激な海洋進出政策を推進する中国である。


    南太平洋島嶼国といえば「親日国家」の集まりである。

    しかし、ここ数年、中国が「政・官・財・業・軍」の全ての資源を惜しみなくこの地域に投じ続けてきた結果、

    貧しかったそれらの島嶼国の多くが中国の進出を受け入れるようになり、資源争奪戦の最前線と化しつつある。

    これにより、南太平洋地域は、かつては考えられなかった「米中覇権争い」の新たな「主戦場」となりつつあるが、当の日本は十分な対策を打ち出すことができていないのである。

    一日も早くこの厳しい現実を直視し、ただちに具体的な対策を実行しなければ、日本はやがて取り返しのつかない過ちを犯すことになるだろう。


    私は今、凄まじい勢いで変化する南太平洋の戦略環境やその重要性を何としても日本人に伝え、なにがしかの提言をせねばならないとの思いから、この文章を書いているが、本題に入る前に、なぜ私がここまで南太平洋の問題に関わるようになったのか、その「きっかけ」を説明させていただきたい。


    キーワードは、「日本軍将兵とパプアニューギニア人が築いた絆」と、そこから生まれた「親日の情」であった。


    <続く>


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