【デレマス小説】星の飛行機 第2話「呼び止められた日」
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【デレマス小説】星の飛行機 第2話「呼び止められた日」

2019-07-27 19:00
    太陽が照りつける猛暑の朝。
    私は母の車で空港まで送られた。

    私の住んでいる街では交通網が非常に豊富で、特に空港は24時間空いている。
    東京までは飛行機から乗るのが一番早いと、母は得意げにそう言いながら空港のチケットを手配してくれた。
    飛行機に乗れば東京までは数時間、その間も勉強は欠かさずにやるつもりだ。
    時間は待ってはくれない、そう思いながら私は空港へ入る。

    空港の待合室まで来ると、母は「次の仕事がある」と言って私を見送った。
    待合室の静寂な空間の中、私は椅子に座ってトランクから本を取り出す。
    飛行機に乗る時間まで、ほんの少しだけ時間がある。
    時間潰しに読書をしながら待つ事にした。

    読書をしている時が唯一の楽しみだ。
    特に読んでいるのはミステリー小説で、通い詰めの古本屋からよく買っている。
    大人になるためには常に冷静に、論理的な思考でなければならない。
    そのためにする読書の時間は、私にとって貴重な時間だった。

    しばらく読書をしていると、空港のアナウンスが響き渡った。

    「お客様にお伝え致します。
     本日東京行きの便ですが、飛行機のエンジントラブルが発生したため、
     出発に遅れが出ております。
     なお、復旧の目処は未だに立っておりません。」

    私は耳を疑った。
    飛行機が故障で飛べない、なんたる悲劇だ。
    私はガックリと肩を落とす。
    大人になる為には、時間がいくつあっても足りないと言うのに…

    そう思ったその時、一人の男性が私に話し掛けてきた。

    「隣、座っても良いかな?お嬢ちゃん。」
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