【デレマス小説】星の飛行機 第3話「伸ばしてくれた手」
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【デレマス小説】星の飛行機 第3話「伸ばしてくれた手」

2019-08-03 18:00
    “お嬢ちゃん”―またいつものように、大人が私を子供扱いする言葉だ。
    それを聞いた私は文句を言ってやろうと、男性の方を見るとその姿に驚いた。

    緑色の服を着ており、夏だと言うのに長い黄色のマフラーを巻いている。
    眼は海のように蒼く、短い金髪が空港の冷房でさらっとなびいた。

    「あ…い、良いですよ」

    文句を言うはずだったのに、なぜか彼の姿に魅了された私はそう答えた。
    あまりにも不思議な出来事があると、人は逆らえないものだ。

    「どうもありがとう。
     長旅で疲れているのに、どこの席も空いて無くてね。」

    そう言うと彼は大きなトランクを置いて、私の隣に座る。
    しばらく彼を見ていた私だったが、すぐに目をそらすように読書を続ける。

    「お嬢ちゃんも本を読むんだね。」

    何だか馴れ馴れしい人だな、そう思った私は彼にこう言った。

    「私の名前は、橘ありすです!」

    彼は一瞬驚いたが、すぐにニッコリした顔で答えた。

    「ありすちゃんって言うのか、とっても君に似合ってる素敵な名前だ。」

    私の名前が素敵?
    また耳を疑った私だったが、自分の名前を褒められたのは初めてだった。
    こんな事を言う大人なんて、今まで出会った事が無かった。

    「僕が乗る飛行機も、あいにく故障で飛ばないみたいなんだ。
     こうして出会ったのも何かの縁だから、1つ僕がお話を聞かせてあげるよ。」

    そう言うと、彼は話を始めた。
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