【デレマス小説】星の飛行機 第5話「真逆の心に気づいて」
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【デレマス小説】星の飛行機 第5話「真逆の心に気づいて」

2019-08-18 18:00
    「あの、どうして私が大人なんですか?」

    私は謝るつもりだったが、彼のその言葉に質問する。
    すると彼は、ゆっくりと私に話し掛ける。

    「今の大人たちは、日々の仕事や生活に追われているから、
     もう時間が無くなり過ぎていて、何も知る事が出来ないんだ。
     大切な人、大切な時間、そして今こうして出会った大切さも。」

    「ありすちゃんは小さな子供なのに、大人な心を持っている。
     それはとても立派な事だけど。同時に大切なものも見失い掛けている。
     ありすちゃんがこれから歩む人生は、ありすちゃん自身のものなのに。」

    「本当に大切なものは目に見えない。
     自分が歩いてきた中で芽生えて、育んで、そして成長していく。
     君だけが知る、君だけの大切な時間なんだ。」

    彼の言葉に、私は心が震えていた。
    大人になること、それはずっと私が望んでいたこと。
    だけど、果たしてそれは“自分にとって大切な時間だったのか”―

    「私はずっと、大人になりたかった。
     そうすれば、みんなが私を認めてくれると思ったから。
     でも私は、私じゃないみたい…。
     本当はどうなりたいのか、分からない…。」

    私は胸が苦しくなり、大粒の涙が頬を伝って流れる。

    自分は完璧な人間になりたかった。
    自分は誰かに認めて欲しかった。
    ただそれだけのはずだったのに、自分を見失っていた。
    “本当の自分”が分からなくなっていた。

    すると彼は、優しい言葉で私に言った。

    「目に見えないからこそ、僕らは心で探し続けるんだよ。」
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