わたしだって負けられないのよ
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わたしだって負けられないのよ

2016-03-16 09:45
    さてと今日の予定は決まったんのだが、電話をきったあと、しばらくして、はたとおれは考え込んだわけなのです

    つまりは、そもそもおれが何のために女の子を、今回の場合はデートといってもいい、そんな女の子との純粋な約束をしたかってことです、つまりはその目的なわけで

    電話のそもそもの目的とも言うべき、女の子とのエッチな行為は、どうなるのか?

    みなさんも、男女に限らないともおもいますが、ときには、そういう目的をもって行動することがあるとおもいますが、そうおもいますよね?

    合コンなどもエッチなことが目的なわけで、意気投合したり、冒険心、出来心でも、主催した当人なら意中(目当ての)の彼女(彼)とでも、理由というのはもともとがあとからついてくるもの、若くて健康な男女(…あるいは男男…女女であっても…)がエッチな行為に及ぶのは当たり前のことですよね?

    だが、どういうわけか、彼女に限っては、どうにも具体的な、あんなことやこんなことが、イメージが難しい、というか、無理に思い浮かべる必要もない普通のこと(!)しかやってはいないわけだが、それとはちがう、なにか、理不尽な抵抗感、越えてはいけない、あるいは越えられない聖域があるような気になってしまったんです

    つまりは、ここは発想の転換で、問題を解決するか、解答がないならないで、あたかも、まるで、最初から何も問題がないかのようにでも、とにかく、どういう形でもいいから、あらかじめ、行動の仕方を決めておくべきである、そんな場当たり的な、出たとこ勝負にかければいいだろ?などと考えはじめたわけですよ

    普通の成り行きならば、花火をみたあとに、食事でもして、アルコールも適量に摂取して、都会の建物からの光に照らされても、なお夏の夜空に明るく輝く星々を二人でお散歩がてらに見にいくことになる、そして二人のこころのふれあい、お互いを求めあう気持ちを、もう、だれも止められない!

    ふと気がつくといつもと同じような道順で、同じような豪奢極まりない建物の入り口にたどりつく、…相手の女の子がちがうだけという、些細なちがいはあるが…、二人はそのまばゆく光る入り口から建物に入ってゆく、または自分の住んでる集合住宅や相手の女の子のお姫さまのお部屋、たどり着いていたり

    おおいになりがちな出来事でしょ?みなさんも、そうおもうかと?

    だが、おれは、「ちょっと待った!」などとおもうわけで

    現実的に考えるなら、そういうこともあるだろう、夏森だって、健康な年頃の女(の子)だ、

    そもそも、彼女とは一年半ぶり、そんな長い間だ、その間に、高校時代に話していた男とか、他の男でも、好きな人ができて付き合いもあり、男性経験もあるかもしれないわけだ

    高校時代には彼氏がいたという話はなかったな、というより、おれは、なにかの時に、夏森自身に聞いたことがあったんだ、付き合ってる彼氏とか、好きなタイプとか、彼女は、しばらく考えているようだったけど

    すこしして、今日の電話のような微妙にうわずった声で、「わたしは美人じゃないし魅力もないし、付き合ってる人もいないの」とか「好きな人は、うん、いるけど…」とは、いっていたはずだ

    彼女は、性格は、たしかにおとなしい真面目タイプだった、見た目は、可愛いというよりきれい?清潔なタイプではあるが…

    そうだ、思い出した、おれの印象では、普通さと個性が一見ややバランスのかけた顔立ち…いや、あれは、絶妙のアンバランス、つまり彼女の個性だな(希少価値だ、ステータスだ)、身体つきも、平均的な、同級の女子と比べても、年齢相応の申しぶんのない…色気…と、健康的な身体の持ち主だったとおもうわ、

    それと、あの子はなんとも魅力のある瞳の持ち主だったが、その魅力が話題になることはなかった、なぜだろう?たしかに、流行のタイプの女の子ではなかったとおもうが、今の夏森はどんな女になっているんだろうな、これは、本当にたのしみだ

    にしても、なんで、おれは、いまごろ夏森に電話をしたのか?それは、当然、アドレス帳を見ていて、彼女の名前を見つけたからだ、なんといっても、アイウエオ順だったことと、新規顧客(女の子は逃げ足が速い)が優先されるわけで、見つかる順番があとにはなる、シャッフルしてれば、もっと早かったりとか、あったかもね?

    はははっ…

    リリリーン…リリリーン…

    そんなことを考えているうちに電話がかかってきた、凛の電話か?いけないあいつからは、昨日から電話やメールがあって、今日にでもデートの約束をするつもりではいたんだが、もちろん、学生だから、勉強や部活もあったんだけどね、

    いやはや、おれは、そういいつつ、彼女とのデートの約束をするのを忘れて、浮気を画策していたわけだ、

    意外にありがちな失敗なんだけどね

    リリリーン…リリリーン…

    ええ、それは、もう、速攻で電話にでましたよ、なにしろ大事な女の子からの電話ですから、

    「やっとつながった、ねえ、ひろくん、どうして連絡してくれなかったの?あんなに電話して、メールしたのに」
    「うん、凛ちゃん、ごめんね、ほんとあやまるよ、夏休みでも勉強や部活で大学が」
    「それはわかってるの、だって同じ大学なんだし」
    「そうかあ、凛ちゃんなら、大学で待ちあわせても、よかったんだよね…」
    「凛ちゃんなら?ふ~ん、学校では会えない人もいるんだ、いいなあひろくんはもてるから」
    「いや、そうじゃなくてね、うれしいんだよ、凛ちゃんと同じ大学でさ」
    「それはそう、わたしも、ラッキーだとおもってるんだ、やっぱアドバンテージでしょ?」
    「凛ちゃんなら、大丈夫だとはおもったてけどね」
    「そんなことじゃなくて、ねえ、聞いて、聞いて、そして、喜んで」
    「なんだよ、凛ちゃんのことだから、宝くじ当選みたいな非現実的ことではないな」
    「それは、そうよ、たしかに現実にはあるけど、もっと、すごく夢のあること」
    「わかった、海外旅行にでもいくのか?夏休みのお小遣いもらったな?どうだ?」
    「ええっー?どうしてわかるかなあー?やっぱ、わたしの愛するひろくんはちがうわ」
    「なんだよ?テキトーに答えて当たりなの?それほんとかあ?」
    「海外旅行というのはね、ほんとなんだよ~、ひろくん?すごいよ!大好き、愛してる!」
    「でもね、ちょっと、ちがうところもあるの!うふふ、なんでしょう?当てて!当てて!正解をわたしに教えて!」
    「ちょっとちがうというのは、あっ、もしかして、凛ちゃんの叔父さんのところとか?」
    「そう、これは簡単だね、渋谷家が誇る天才の叔父さんのいるボストンだよ!」
    「あの人は、いまはボストンにいるのかあ、でも、凛ちゃん、よかったね」
    「ひろくんは、わたしのことをわかってくれてる!わたし、うれしくて泣きそう!」
    「ううん、もう、すこし泣いてるんだもん!でもね!本題はこれからなのよ!」
    「なんだ?その本題ってのは?まさかとはおもうが、おれもいくのか?ボストンに」
    「そうなの、そうなの!大当たりなのです!」
    「ううむ、いっしょにいけるとしたら、そりゃ、うれしいけど、費用がな」
    「だから、泊まるところは、叔父さんにお願いして」
    「あとは、往復の飛行機のチケット代の調達とお小遣いだけでしょ」
    「いくらぐらいかな?往復で10万円くらい?時間はたしか13~14時間、やっぱ、付き合わないとダメ?」
    「いやん!ダメだからそれ!もう決めた!ひろくんは付き合わないとダメなんだもん…」
    「だってひろくんが一緒じゃないと、わたし怖くていけない!」
    「お願い、いえ、お願いです、ひろくん…うう…くすん…ねえ?いこう~?」
    「なるほど、そうだね、わかったよ、つき合わせていただきます」
    「きゃん!ありがとう!ひろくん、大好き、愛してるわ、わたし、うれしい…」
    「ねえ、ひろくん、キスして…」
    「うん、凛ちゃん…」
    「……」
    「もう、ひろくんたら、いきなりベロチュー…なんだもん」
    「おいおい、頬をそめて、凛ちゃんは、ほんとかわいいなあ」
    「そうよ…好き…ひろくん…」
    「………」
    「でもね、そ、の、前に!」
    「ひろくんと、これから、打ち合わせしたいんだ、日程とか、費用の調達の作戦会議とか」
    「ああ、凛ちゃん、ごめん、今日はでかける用事があって、明日でいいかな?」
    「ええ、そんなの、いやよ、用事はキャンセルにしてほしい…」
    「いや、ちょっと、むずかしいんだよね、これがさ、ごめんね」
    「…そういえば、ひろくん、さっき長電話してたでしょ?話中が長くてわたし泣いてたんだよ」
    「ああ、そんなに長電話だっかなあ、でも、わるかった、あやまる」
    「その電話って、今日の用事と関係あるの?わたし、電話がつながらなくて涙が止まらなかったの…」
    「うん、凛ちゃん、そう、今日の用事の人だよ、凛ちゃんには、うそはつかない」
    「そうなの、え~ん、今日、ひろくんにあいたいのに、どんな人、わたし、信じてる、ひろくんは、わたしのことが大好きで嘘はつかないって、わたしも同じ気持ちなのはひろくんもわかってくれてるって…」
    「そうだね、おれも凛ちゃんと同じ気持ちだよ、ようは、高校のとき同じクラスだった、夏森に電話してたんだ、凛ちゃんも知ってるでしょ?久しぶりだから、なんとなくなんだ、それだけだよ」
    「……夏森……?…それって…夏森…静香のこと…?」
    「そうそう、3年の時クラス委員もやってた」
    「…そう…そうなの…とうとう…本命の…本妻に電話しちゃったの…ね…」

    ~つづく~


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