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聖地巡礼その3 ~刀剣乱舞~
つい先日、羽田空港第2ターミナルにあるディスカバリーミュージアム企画展「徳川ミュージアム所蔵品精選 TOKUGAWA IEYASU 天下泰平の軌跡」で燭台切光忠を見てきました。開館と同時に行ったのですが広くもない館内には案の定女性が多く、燭台切光忠の人気ぶりが伺い知れます。中には男性も混じっており、こちらは女性の付き添いか水戸黄門の印籠でも見に来たのか、搭乗するまでの時間調整といったところでしょう。
件の燭台切光忠は博物館の真ん中付近にあり、スマホカメラを掲げた人たちが一生懸命写真を撮っていました。
1.燭台切光忠さてはまず関東大震災で罹災した燭台切光忠の往年の姿を窺い知る事ができます。
長さ約67センチと片手打ちのサイズ。(ゲームでは太刀)
こちらは刀身の様子が描かれています(写真左)
そしてお待ちかねの刀身ですが、実にこんがりと焼けてしまってひどい状態になっています。
美術刀としてはまったく無価値になってしまった二振りでしたが、
たしかにこれでは美術刀として認められないのもわかりますが、
史料としては合格でしょうね。
2.児手柏
さて実はもう一振り幻と言われた一振りが展示されていまして、
こちらは「児手柏」さん。
児手柏も関東大震災で罹災し、焼失したとされていましたが、
こんがり焼けた姿で残っていました。
今の時代、新しい価値観が吹きこまれて、
立派な展示品になっていました。
焼けようが曲がろうが、現代に生きる私達がそれらを価値観を持って見つめることで、
こういった刀でもいきいきと美術品となりえます。
擬人化もなかなか捨てたもんじゃないですね。 -
【野獣注意】私が撮ってきた地中海の猫たち
1.私と猫の関係
私ははっきりと宣言しておきますが動物が全般大好きです。しかしながら猫は飼ったことがなく猫の仕草や表情についてはあまり知識がありません(逆に犬は何匹も飼っていますので割と詳しいです)。
そんな私がなんで猫の写真を撮ったのかというと「ただの偶然」と、「猫は不思議と写真に写りたがる」のではないかという一方的な思い込みからです。猫という連中はどうも人間を常に格下の生物とみなしているところがある気がします。あくまでも撮らせてやっているという態度なところが、猫写真の良さなのでしょうか。
2.ヴェネツィアの猫
まずはイタリア・ヴェネツィアの猫です。すました顔をしやがりまして路地にぽつんと佇む姿は絵になります(もっともコンデジだったのでアレですが)。
ここはヴェネツィア本島ではなく、周囲の島なので観光客も少なく猫には暮らしやすい場所です。
2.ローマの猫
お次はイタリア・ローマの猫。古代ローマの遺跡、ディオクレティアヌス帝の浴場に住まう猫です。古代遺跡の中に猫が住み着き、それが日常になっているのが面白いですね。古代ローマの後継者は猫だったのです。
3.イスタンブールの猫
国が変わって今度はトルコです。イスラム圏ではムハンマドが猫好きだったので猫が非常に大事にされる文化があるらしく、猫が街中で大事にされています。
トプカプ宮殿の猫
オスマン朝皇帝たちの宮殿だったトプカプ宮殿にはたくさんの猫達が住んでいます。
おい、なんだてめえ?って顔をしています。上目遣いがけっこう恐ろしいですね。
これは疲れた老猫でしょうか。宮殿内のビザンティン帝国時代の教会でひっそり暮らしていました。
ガラダの猫
イスタンブールの北にガラダ地区と呼ばれる場所があります。ガラダの塔と呼ばれるジェノヴァ人の塔があり、その下で仔猫に出会いました。つぶらな瞳が可愛いですね。
ショーウィンドウで遊ぶ猫
メガネ屋のショーウィンドウ内を我が物顔で遊ぶ仔猫。コンタクトレンズが気になっているんですかね。
修道院の庭園でじゃれる猫
コーラ修道院とよばれるギリシャ正教の修道院跡の庭園でじゃれる2匹。猫パンチがクリーンヒットしています。
街で黄昏れる猫
行き急ぐ人間たちを見守るかのように黄昏れる猫。スローライフ満喫してんじゃねえよ。
空き家に住まう猫家族
イスタンブールの旧市街にはいくつか空き家があり、そこに猫の一家が住み着いています。生まれてさほど月日が経っていない仔猫たちがかわいいですね。お母さんに似て耳が長いのか?
ホテルの前でセクシーポーズをする猫
股を開いてわがままボディを見せつけてくる猫。また表情がなんとも言えない感じです。
お土産物をベッドにする猫
人間の経済活動なんてお構いなしに織物の上で寝込む猫。売り物じゃありません。
4.エルサレムの猫
宗教対立の厳しいエルサレムにも猫は住んでいます。イエス・キリストが十字架に架けられた場所に立つ聖墳墓教会。その一匹の猫が住み着いていました。まさにキリスト教の聖地であるこの場所には宗派対立の関係で管理が複雑になっていますが、猫には関係ありません。なんだか博学な修道士のような聡明な顔つきをしています。
5.アッコンの猫
十字軍国家最後の街アッコンのスーク(露天通り)を人間たちと一緒に歩く猫。風景の中への溶け込みが良い感じです。歴史の重みのある空間でも猫には関係ありません。
6.マルセイユの猫
南仏の古い港町マルセイユの猫です。ミネラルウォーターを店員さんからもらっています。餌付けされているのでしょうか?
7.アルルの猫
アルルの女とゴッホで有名なアルルにある円形闘技場でなぜか背中をこすりつける獰猛な野獣。かつてここで野獣と人間の死闘が繰り広げられたと思うとちょっと可笑しいです。
どうでしょうか。素朴な表情を見せてくれて写真の撮り甲斐があります。
地中海には他にマルタ島やエーゲ海の島々など猫の多い場所が結構あります。古代から連綿と続く地中海貿易の名残でしょうか。
これからも機会があれば猫達を写真に収めたいものです。
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聖地巡礼その2 ~刀剣乱舞~
さて、なぜか古いブロマガ記事が晒されてしまいましたので、続編を書かねばと思い、先月公開された三日月宗近を書きます(来館は5月17日)。じじいですよじじい。天下五剣の一振りですよ。
今回も東京国立博物館。鳥獣戯画(2ちゃんねるの表紙)の展示もあり、すごいにぎわいを見せていました。
そして普段は見慣れない女性客が三日月宗近の前に・・・
金工展示コーナーの全景
こう見ると男女比は1:1で別段女性が多いわけでもありません。
一方お隣の壺なんかが展示されている場所は・・・
壺男子ゲームでも出ない限り流行りそうにもありません。
さて、肝心の三日月宗近の全景です。
写真からも迫力がわかります(わかんねえよ)
これが説明書きです。
そして銘の部分を拡大したものです。
わかりにくいですがうっすらと三条の『条』が読み取れます。おおすげー
細かくてわかりづらいので三日月形に見える刃紋は拡大してみました。
非常に美しい三日月型の刃紋です。優美とすら言えます。
そして最後に切っ先から。
これまた古く優美な反りをしています。美術刀随一の傑作間違いなし。
というわけで三日月宗近を鑑賞してまいりました。
一部のアフィブログなどでマナーの悪い来館者が報告されていましたが、
別段混乱もなく、マナーの悪い人など一人としていませんでした。
おそらく小さく報告されたツイッターの事例を抜き出して、
あたかも大混乱があったかのように演出して記事ネタにしたのでしょう。
私自身の目から見た感想は 刀剣乱舞ファン=マナーが悪い というのは幻想でしかなく、
実際はおとなしく比較的マナーの良い人達です。
私は世界各地の博物館・美術館を見てきましたが、
このくらいでマナーが悪いなどと言っていたら、
ルーブル美術館に群がる中国人なんて見れたものではありません。
(展示物にフラッシュ炊きまくりな上に触ってます)
ですので、少しでも美術刀に興味のある方(切り口がゲームでも)は
一度博物館を訪れてみてください。
そして鑑賞の楽しさ、美術刀を愛する心、
そしてそれらを共有する楽しみを享受してください。
それが『雅な生き方』というものです。
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