僕が"あまちゃん"を好きになった理由
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僕が"あまちゃん"を好きになった理由

2013-10-06 01:19

    あまちゃん、じぇじぇじぇ、多くの人がどこかしらで耳にしたであろうこのドラマを何故面白いと思い、笑い、時に涙したのか。

    朝の連続ドラマ小説、宮藤官九郎脚本となると若年層相手に見えなくもないが、より取っ付き易いのはやはり朗報だった。入口は完全に脚本からだ。

    さて、今アイドルとして掲げられるAKBグループだとかを僕は正直好きではない。しかし、同じように今のアイドルを描こうとするあまちゃんは好きになった。
    その差は物語の有無と言えそうだ。
    あまちゃんは最初から、東京から田舎にやってきた小娘のちやほや具合、地元の可愛い子から説明され徐々にその田舎内で人気になり東京へ向かう様、ステージを駆け上がる様子を見ることができたが、AKBグループはじめ、例えば所謂ネットアイドルだとかは、メディアで取り上げられる様などからもわかるようにもはやその文脈が省略されている。"この中で好きなの選んで!"、"動画投稿したら引きこもり脱却できました!"、"リアルコミュニケーションが発生しました"、とかをいきなり言われても。"???"ってなるのはそりゃそうで、いきなり出てきてこんにちは、は受け入れ難くそこにコミットすることができない。
    だから、きっかけから、何がゴールであるかまでをわかりやすくした物語は入りやすかった。もちろん、AKB各々にも物語はあるのかもしれないし、物語中であまちゃんを見た場合(アキちゃんユイちゃん周囲の人々のように)も、もしかしたら同じように難しく感じたかもしれないが。
    これは枠の外で、ドラマで見たからこその感覚なのだろうか。
    ただしかし、アキの母春子が目指したアイドルのように80年代アイドルがわかりやすい存在であった、今のどこにでもいそうな人がアイドルでありうることとの時代差もあるだろう。TVでオーディションなんか今や見かけず、盛大なジャンケンが行われているくらいだ。

    時の流れを意識したドラマはとりわけ、一時代置いてからであったりして惹かれることはないが、あまちゃんは今現在に直接つながるちょっと前からを描く。これはあまりない経験だった。
    そして東北を舞台に、2011年へ向かうという最初から筋はハッキリとしたシナリオ。震災を直接的にドキュメンタリーや映画で悲惨さを描くことは多々あれど、それらの多くは"点"の集合だ。しかし、あまちゃんは明らかな"線"で、3.11を、東日本大震災を描いた。そして訪れるその日、直接の被害の様子はジオラマで表した。最小の表現の中で最大の伝え方をしたのだ。これはあまりに見事だった。
    結果、町の人、家族、親友、潜っていた海、震災がもたらした周囲の変化によって言わば間接的に3.11が描かれる。それも、いきなりではなく長い直線の上で。
    こうしてあの日を、あの日までを、あの日からを思い出すと同時に、東北に残るユイちゃんは、夏ばっぱは、と東京から見た場合、アキと同視点で不安感をも思い出した。
    強烈な追体験、リフレインはあまちゃんの軸であったと思う。

    あまちゃんを通して強く感じたのは、主役は能年玲奈であるが、やはり本当の主役は小泉今日子だったのだろうということだ。
    GMTにいたアキがアメ女のシャドーをやったように、春子が鈴鹿ひろみの影武者だったように。
    あらゆることが天野春子=小泉今日子で返ってくる

    他に盛り込まれた小ネタは気付かないものも含め挙げれば尽きないが、一番熱かったのは天野春子がさながら小泉今日子としてのようにアイドルを語った部分だろうか。アイドルがアイドルを語る、メタ的にネタとして。
    後に別の場でも話していたように、もしかしたら今、80年代アイドルだった人々がその当時を懐かしむのではなく、どのような存在でそれが今どうなっているかを語る必要が有るのかもしれない。

    あれこれ手を伸ばせば尽きない話題、
    アイドル
    震災
    都市と田舎
    親の不貞
    親友と恋
    etc...
    橋幸夫からAKBまで、幅広い層に向けられた幅広い話題を含んだドラマだった。

    いやこんなまとめ方では自分も納得いかないくらい。

    あと、これは超個人的に感じたことだけど、アキちゃんが電車で北三陸を離れ東京へ向かう様子、夏ばっぱが見送りしないと思ったら電車が走ってから見送る場面でOP、電車によって場面が切り替わるその様、
    なんだこのデジモンアドベンチャーって思いました。


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