いわゆる「タイマー付ければRTA」理論に関するお話
閉じる
閉じる

新しい記事を投稿しました。シェアして読者に伝えましょう

×

いわゆる「タイマー付ければRTA」理論に関するお話

2020-01-16 19:03
    先日、Twitterにてこういった話題が上がり、諸RTA界隈で広く話されていたように思います。

    僕自身も色々と思うところがありました。Twitterで考えをまとめようと思ったのですが、全然まとまる気配がなく、思いの丈を書き殴ってみたら気が付いたら700字(5ツイート分)を超える有様でしたのでこちらでまとめることにしました。

    注意
    ・ポケモンRTA界隈について(特に所謂biim式のRTA動画)批判する内容が多分に含まれますのでご注意ください。
    ・非常に長い上に割とグダグダになると思うので面倒な方は「私の考えまとめ」だけ読んでもらえれば問題ないです

    はじめに
    タイマー付ければRTA、と一口に言ってもロスの程度に差がありますので、いくつか例を挙げてみます。(一応言っておきますが、実在する動画や生放送などとは無関係です)

    1.RPGで相手の攻撃がクリティカルヒットしてパーティが半壊、2分ロス(対策不能)
    場合にもよりますが、実力が一切関係ない箇所であれば走者に対する批判をする人はあまりいないのではと思います。

    2.RPGでコマンドミスが原因で1分ロスをする(この他には大きなミスなし)
    タイムにもよりますが、この程度であれば気にする方はあまりいないのではと思います。

    3.道に迷って1分ロスする(マップは固定とする)
     一瞬止まる程度ならまだしも、これは練習していれば防げるのでは?と感じる人も相当数いるのではないでしょうか。

    4.トイレに何度か行く(5時間以内に終わるRTAとする 操作しない時間に行くのは除く)
     たった五時間なんだから事前に済ませるなり我慢するなりしろよ!と思う方もかなりいることでしょう。ただし、生理現象だから人によって個人差があるのも事実です。

    5.バグ技が決まらなくて30分詰まる(オフラインイベントや解説動画とする)
    ここまでくるとバグを使わない方が早いことが大半ではないでしょうか。流石にここまでくると首をかしげる方が過半数と思います。また、オフラインイベントや解説動画のような作品を代表する立場でこのような派手なミスをするというのは作品のRTA全体に悪い印象を与える可能性もあります。このことを懸念する方もいるのではないでしょうか。

    6.実況プレイ動画(やり込み系ではない普通のもの)と全く同じ動き(ただしタイマーはついている)
    かなり極端な例を挙げてみました。この動きがRTAならそのただの実況プレイ動画もRTAということになります(実際には収録を分けているケースも多いのでリアルタイムでは時間がかかっているとは思います)。ここまで行き過ぎた例になってくると流石にどうなの?と思う方も相当増えてきているのではないでしょうか。

    7.途中で寝る(RTA的には10時間ほどで終わるゲームとする)
    ここまでくるとやろうと思えば全てのゲームプレイをRTA動画として見られますね(もっとも、タイマーを付けて寝る人はほぼいないとは思いますが) いやそんなのあり?と思う方も多いと思います。

    軽めのロスから洗練されたプレイとはかけ離れたものまでいろいろな例を挙げてみましたが、「これはRTAと呼んで差し支えない内容だろう」と思ったものはいくつあったでしょうか?(定義上タイマーを動かしてリアルタイムで時間を計ればRTAとしては成立しますが、ここでは自分が許せるか許せないかを基準として考えてください)

    全部RTAとして問題ないのではと思った方はもしかしたら否定的な感覚をお持ちでないのかもしれませんね。ここからそう言った否定的な立場の人の意見(と思われるもの)をなるべく丁寧に説明していくつもりですが、理解できなかったらごめんなさい。「あっそう」くらいの感じで一瞬で忘れてもらうのが一番かと思います。興味ないよ、ってお方はブラウザバックした方がよいかと思います。

    逆に7個ともこれはどうなの?と思った方もいるかもしれませんね。私はそこまで過激ではないので、これに関してもフォローしきれるかどうかは難しいところかなと思います。予めご了承ください。

    ということで、ここから中立的な立場(若干否定寄り)で話を進めていきます。
    まず各立場の主張を簡単にですが、まとめていきます(想像による部分も含まれますし、全て拾えるわけではないのでご了承ください)。

    肯定側(タイマー付ければRTA理論に賛成)の主張
    ・RTA界隈そのものが初心者から上級者まで幅広い人材で成り立っているものであって、上級者が初心者を批判するようなことをするのは初心者が入りにくくなる要因となるのではないか
    ・「タイマーを付けたらRTA」ではないとすると、RTAと非RTAの区別が非常に曖昧となる。現界隈ですら実力も練習量も様々であるのに、そのような理論を持ち出した場合、現RTA界隈が壊れかねない

    否定側(タイマー付ければRTA理論に反対)の主張
    ・この理論はミスを許容するというだけでなく、寧ろ積極的なミスを奨励する流れの一因となっている(ミスをした方が視聴者が盛り上がることが多いため)
    ・ミスの多い程度の低い「RTA」と自分たちのRTAが同等に扱われるのは不満だ
    (程度の低い、というのは自分の思う範囲でとらえてもらって結構です)

    大方こんな感じかなと思います。

    客観的な見解
    RTA界隈の方の意見を見た感じ、程度によっては許容できない方が大半といった感じがします(例えばオフラインイベントで明らかに練習不足に起因する、数十分単位のロスをした場合、運営や他の参加者に迷惑がかかるからそれはよくないのではないか、という方が大半と思います)。
    このように、是非を判断するうえで重要な点として、「他の走者に影響があるか」というのが上げられると思います。これに焦点を当てていくつかの例を見ていきましょう。

    ・SNS等でRTAをしたことを報告する
    この程度であれば被害は「このゲームのRTAって○○分で終わるんだ」という誤解をする程度で済むと思います。仮にこれより速いタイムでクリアした人がいたとしてもすごーい!で済みますし、界隈のレベルが低いと捉えられた場合でもSNSはRTAプレイヤーの主戦場ではないため、イメージを払拭するのは十分可能かと思います。

    ・生放送する
    これはその生放送主の影響力にもよる案件ですね。例えば大手が世界記録より1時間遅いタイムのRTA放送をしており、なおかつ間違った知識を広めてしまうと、ガチ勢のタイムを詰めるための行動がガバとして認識されてしまったりする可能性が考えられます。

    ・解説(肉声、合成音声、字幕、投コメ等形式は問わない)の入った動画を投稿する
    生放送と違って半永久的に残ってしまいます。これが非常に質が悪く、(下手すぎて)参考にならない場合や、参考にした結果現役走者でフォローしなければならない場合などが考えられますし、その間違った情報を参考にした動画がさらに投稿される可能性もあります。

    ・オフラインイベントに参加する
    先ほど述べた通りです。そもそも運営に迷惑が掛かりますし、場合によっては作品シリーズごと出禁になります。ここに関しては多数の人が許容できないと思います。

    こんな感じでしょうか。個人的には解説の含まれる動画を投稿する際は十分に気を付けた方がよいと思います。

    精神的な面について
    否定側の意見は、精神的な要因が大きく関わっていると思います。例えば、

    ・ミスを奨励するような流れはタイムを詰める競技であるRTAと正反対であり、タイムを詰める意志のないプレイは否定すべきだ
    ・真面目にプレイをしている自分たちが、ミスをしてもヘラヘラしているような人間(すごく悪い言い方をしてごめんなさい)と同族であるかのように語られるのは許せない

    といったものがあると思います。つまり、タイマーをつければRTA理論は「ミスをしても反省しない、(本来RTAで最も重要なものであるはずの)タイムを二の次に考える」という考え方を助長するのではないか、という考え方です(要するに本気でやれってことですね)。
    実際、現状ニコニコに投稿されているRTA動画を見ると、撮れ高を重視してRTA動画を投稿したり、あろうことかミスしても動画的においしいなどと本人が公言する動画すらあります。こういったことに対して否定的な意見が出るのは至極当然だと思いますし、僕自身こういうことは少なくとも口に出すべきではない(あくまでもタイムを最優先する姿勢を貫くべき)と思います。

    個人的な考え
    ここからは他人に影響が出る場合がごく限られている生放送やSNS、機会が非常に少ない上に運営による抽選がありそこまで酷いことが起きにくいオフラインイベントは除外し、解説つきの動画のみ(記録申請のため、解説などのない動画を上げる場合はあるかと思いますが、これについてはここでは議論の対象としていません)に限定して話をさせていただきます。

    私自身は比較的幅広く(biim式動画を含め)解説付きのRTA動画を確認する方だと思います。いろいろな動画を見てきて思うのは、その界隈の特徴が色濃く出てくるということです。
    ざっくり説明すると、

    ・走者が多く、メジャーなゲームは動画投稿者が上位勢に限定されていることが多く、解説内容も比較的まじめ(基本的にはシナリオなどはあっさりめでバグ技や細かい操作などの話に重点を置くことが多い)であることが多い
    (例:マリオ、スーパードンキーコング、カービィ、ゼルダ…etc.)
    ・走者が少ない、マイナーなゲームの場合、その走者が自由に作っていることが多い。そもそも走者が1人の場合などもあり、練度も解説内容のまじめさもまちまち。場合によってはシナリオ解説や雑談がほとんどを占める場合も

    この2つの傾向があるかなと思います。そして、「タイマーをつければRTA」理論に関する議論が白熱しているのは間違いなく前者なんですよね。そもそもRTA界隈が活発に動いているのは走者が多いメジャーなゲームなんだから当然です。
    ここ数日の議論を見た感じ、肯定派も否定派も消えることはなさそうですので、初心者の方はこういったゲームで動画投稿するのは避けた方がいいと思います。
    走者が少ないゲームについてもspeedrun.comなどを利用して可能な限りのデータ収集を行い、その上で走る方が無難でしょう。更に言うと調べたことが伝わるように編集する(例えば、世界記録ではこのようなチャートを採用しています、など)のもフォローとしては良いかと思います。

    ポケモンRTAについて
    僕が関わっているポケモンについてですが、人気作品だけあって様々なRTA動画が投稿されています。ただ、投稿者はガチ勢に限定されているわけではありませんし、その内容もかなり異様でして、
    ・縛りRTA(ポケモンセンター禁止など)
    ・主力ポケモン限定RTA(草御三家を主力として使うなど)
    ・ガバ要素多めなRTA(世界記録+1時間など)
    と、寧ろネタ寄りの動画の方が多いくらいです。しかも、これを否定するコメントは比較的少ない(どころか寧ろ擁護するようなコメントの方が多い)、という極めて異質な界隈だと思います。

    私自身こういった動画も概ね楽しく見させていただいていますし、この流れが全面的に嫌いなわけではないです(寧ろ様々な動画を投稿できる環境は大いに良いと思います)。ただ、気になる点がいくつかあるのでそういった点について言及させてもらいます。

    ・先駆者のRTA動画を確認していないケースが多い
    一番気になる点です。厳密に言うと確認していない、とは断定できないのですが、例えば回避できる戦闘を回避していない(回避ミスではなく、そもそも回避しようとすらしていない)場面を見ると知らないのではないか、と考えるのはごく自然かなと思います。できればyoutubeやニコニコに上がっているものだけでなく、speedrun.comを利用して検索をすることをオススメします。

    ・練習量、及び試行回数が少ない場合が多い
    例えば初通しを動画にしました、というようなケースですね。初通しでも内容が良ければ問題ないと思うのですが、タイムがあまり早くない場合、サボってるな、という印象を与えるかなと思います。個人的には世界記録を参考に目標タイムを決め、それを達成したら動画化するのが良いかと思っています。

    ・他の人が制作したチャートを無断で使用している場合が多い
    先に言っておきますが、生放送等で他の人のチャートを利用するのは無断でも大いに結構かと思います(というか寧ろ積極的に参考にして改善してほしいと思います)。しかし、こと解説動画に関してはミスなどが起きた際に「チャートが悪いんじゃないの?」などとチャート制作者に飛び火することになりかねません(実際になった場面をいくつか見かけました)。また、確認しているチャート自体が古い場合もあり、RTAが大変になる場合も大いに考えられますし、恐らくチャートに沿ってRTAしていると疑問に思う点もあるでしょう。そういったことは可能な限り解決した上でRTAすべきかと思います。抵抗のある方もいるかと思いますが、大抵のRTA勢はそういったことに慣れていますので思い切って聞いていただいた方がよいと思います。


    だいたいこんな感じでしょうか。RTA動画を確認したり、試行回数を重ねたりするのは大変な部分もあるかと思いますが、できる限りのことをしてほしいと切に思います。

    自分が走った経験のある作品のRTA動画に関するスタンス
    Twitterを見ると分かりますが(先にこの先の内容を確認し、耐性がなさそうな方は見ない方が賢明かと思います)、私のTwitterはこういったRTA動画に対して辛口なコメントをしていることが多いです(一応言っておきますが、ガチ勢と同レベルを求めるようなことはしていませんし、細かいところをいちいち取り立てるようなことはしていません。いいものにはいいと言いますし、悪いものには悪いと言います)。
    これにはいくつか理由があって、
    ・フォロワーの中にRTAをよく知る人がいる以上、明らかに真実味のない言葉をいうのはただのお世辞とはっきり分かってしまう
    ・嘘をつきたくない
    ・そもそも一般の視聴者が言いそうなことを僕が言っても何のプラスにもならない(要するにRTA勢という立場でコメントするということです)
    ↑つまり「タイムおっそ お前はRTAする価値がないやめちまえ!」みたいな全く建設的でないコメントをすることはないです。こうした方がいいんじゃないの?とかそういう感じ。
    ・今後動画投稿する人に参考にして欲しい
    などが挙げられるかと思います。このスタンスについては今後も変えるつもりがありませんので、恐らくそう言ったツイートを垂れ流すことが多々あると思います。そういう意味で私は「タイマーをつければRTA」理論については否定寄り(一応言っておきますが全否定するわけではないです)の人間だと思います。
    別に私が言わなくてもそう言ったコメントはどこかしらに出るでしょうし、私のコメントでやめていく人はどのみちどこかでやめていくと思います。
    正直見ててどうなの?と思うようなことも割とツイートしていると思いますが、そういうものなんだな、と思っていただくか無言ブロックしてくれれば問題ないです。僕自身は自分のRTAや、それにかかわる人間関係が脅かされない限りは気にしませんので。

    私の考えまとめ
    ・解説動画を投稿する、オフラインイベントに参加するなどする場合は先駆者の動画を参考にする、練習を入念に行うなど、最大限タイムを詰める努力をすべき
    ・ミスをした時に反省する姿勢を見せるべき(できれば自分がやりたかったことや世界記録でやっていることなどを紹介してフォローするのが望ましい)
    ・(動画の場合のみ)人のチャートを参考にする場合は許可を取るべき

    僕自身は生放送やSNSについてはご自由にどうぞ、というスタンスでいます(企画ものに参加する場合は他の人に迷惑をかけない程度に努力すべきとは思いますが)。

    最後に
    あたかもガチ勢かのようにいろいろ書いてきましたが、僕自身RTAプレイヤーとしてはエンジョイ勢寄りの人間だと思っています。そこそこのタイムが出たら比較的早くRTAを切り上げる(そして更新されるまでがテンプレ)ことが多いですし、記録を出せる程度にロスを許容することも多々あります。
    どこまで記録を詰めるか、というのはその人の価値観による部分が大きく、自分とは違った価値観の人がいてもそういう人もいるんだな、で済ませるのが最も平和に終われると思います。
    ただ許容できないことも人それぞれやはりあるもので、やはり遅いタイム(というよりは努力量であることが多いと思いますが)に文句を言う人もいるかもしれません。これに対してRTAをやめる、新たなRTAを始める、素直に聞き入れて頑張ってみる、無視する… 選択肢は人それぞれだと思います。RTAと一口に言っても雰囲気はゲームによってかなり違いますし、自分に合った環境でRTAできるゲームを探すのは一つの手です(実際僕はチャートが開拓できそうなゲームを好んで触る傾向があり、触っている作品は走者が少ないことが多いです。そういった環境が自分に一番合っているなというのは良く感じています)。特定のゲームが好きで、そのゲームに拘るというのもまた一つの選択肢でしょう。ただ、プレイの形はRTA以外にも縛りプレイ、カジュアルプレイ等々様々です。どうしてもそのゲームのRTAに拘るのであれば記録を詰めるにせよエンジョイ勢でいるにせよ覚悟がいる場面が出てくると思いますのでそのつもりでいた方がいいと思います。何かを得るには何かを捨てなければならないものです。
    これを読んでいる皆様が自分に合った形でRTAと付き合っていくことができるのであれば幸いです。

    広告
    コメントを書く
    コメントをするには、
    ログインして下さい。