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【NovelsM@ster】空【没ネタ】
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【NovelsM@ster】空【没ネタ】

2014-01-10 17:24


    今日も彼女は帰路につく・・・と、そんな時だった。

    小さいけれど、一通りが少ないわけではない交差点の片隅で
    じっと空を見つめる男が一人。

    周りの人々が気にも留めず通り過ぎる中、彼女だけが彼を捉えた。
    特別な光景でもないし、絵になる景色でもない。
    でも何というか、瞳に焼きつくような、そんな光景。


    ――何、してるんですか?

    話かけてもいいのかな?って思った頃にはもう返事待ちである。
    ・・・こんな行動力はいつか以来だと、当時を少し思い出した。

    東京の空は狭いと思いますか?

    で、来た返事がこれ。
    質問を質問で返されるなんて・・・。
    でも、不思議と嫌じゃない。

    ――狭いと嘆く声はよく聞きますね。

    だが、彼は言う。
    それがいい、と。見えないのがいいのだ、と。

    人は見えない光景を想像するものだ。
    空模様、景色、そういった物を想像するのが何より楽しいのだ、と。

    知らない場所、知らないステージに上がる前と同じ感覚なのかな?
    なんて思ったりもした。
    ・・・今となってはそれもほとんどなくなっちゃったけど。


    3日後。彼はまた、そこに居た。
    2日間来てなかったから判らないけど、多分来ていたんだろう。
    ・・・何となく、そう感じた。


    ――空、飛びたいって思いますか?

    挨拶を交わしたと思ったら今回は先制されてしまった。
    何となく内気なのかなって思ったけど、そんな事もないのかな。

    彼は、「わからない」らしい。
    確かに、見えないものが見れる。違う角度、違う高さ、違う大きさで。
    でも、想像を奪われる事と想像を裏切られるのが怖いのだという。

    何となく、理解できる。
    そう、例えば・・・あの人の気持ちだったりとか。

    知りたいけど、知りたくない。そんな感じ。


    1週間後。彼はやっぱりそこにいた。

    ――空を見ることも、想像する事もできなくなったら、どうしますか?

    退屈なのはイヤかな、なんて返したら、その返事は予想外な方向に放たれた。

    私は、あと半月も生きられないのだ、と。
    他の人はどうなのか、知ってみたかったのだ、と。

    ちょっと驚いたけど、まぁ今日は時間もあるしいいか、と、私は話し始めた。


    解るんだ、凄くよくわかる。
    見えないものに希望を見出す事も、知ることに対する葛藤も。

    だけど、なかなかそうはいかないの。

    確かに、見えなくてもいい物はあるかもしれないけれど、
    自分がちゃんと見据えていなきゃいけない物もあるの。

    自分が前に進むには、知らなくていい事ばかりじゃないの。
    知りたくない事でも、知らないといけない事は必ずあるの。

    傷付くのは怖い?・・・多分、私はそうだったと思う。
    でも、それでも受け入れていかないと前には進めない。

    君が答えを求めて私に質問を投げたのも、きっとそういう事。
    知りたくないけど知りたい、傷ついても得たいものがそこにあるから。


    そう、きっとそういう事なんだ。
    プロデューサーの気持ちを知りたいと願ったのも、
    765プロを飛び出したのも、
    アイドルという枠を出たいと思ったことも。

    ・・・大人になるって、こういう事なのかな?
    って、今更だけど少し思った。


    別れ際。

    ――星井さん、私、前からあなたのファンでした。
      多分、これからもずっとそうです。

    ずるいなぁ。すごくずるい。
    そんな笑顔で言われたら、何も言い返せないじゃない。
    っていうか、ミキ、話してる時に一度も名前出してないんだけど!?


    1月後。
    彼の姿は・・・なかった。

    多分きっとそういう事なんだろう。

    ふと、空を見上げてみれば、狭い空を横切る影が一つ。

    あれ、何ていう鳥だったかな・・・帰ったら調べてみよう。

    また少し、当時を思い出し彼女はまた、歩き始めた。

    ――空になりたい、か。
      ミキにはまだちょっとスケールが大きすぎるかな。


    ~おわり~


    小鳥だと思った?残念!!ミキなの!!
    特にSP設定とか考えてないです。
    Pが美希に靡かなかったとすれば、こういう背景もアリかな?っていう、ただそれだけ。
    大体成人した後を想定した感じです。
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